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　そして５人は皮肉にも低俗なコボルド群に命を削られていた。

　魔人はコボルドが待ち受ける位置を巧妙に計算した角度で爪拳を仕掛けた。４メートルの巨体から繰り出される物理的一撃をまともに受ければ、鍛え上げられた戦士だろうが引き裂かれて骨が砕ける。魔人の一撃を回避した先にはコボルドが待ち構える２段構えのシンプルな連携。５人は後続の攻撃を無視してでも、魔人の爪拳回避に集中せざるを得なかった。

　本来ならばコボルドの攻撃が及ぼすダメージなどは取るに足らないもの。だが、出来る限りは魔法の消耗を抑えたいパーティーにとっては、僅かづつでも確実に体力を削られるこの連携攻撃は苦しい攻撃になってしまっていた。
　パーティーはじっくりと時間をかけながら追い詰められている。
　この状況に何らかの変化を加えなければ、この冒険の結末は１つしかない。
　魔人とコボルドの連携攻撃により体力は削られ、残り僅かな魔法も確実に消耗していった。

　そして回避と防御の連続の中で、まず１人が絶命する。