完全犯罪研究の「路傍の石」
「警察における、裏の組織というのは、何重にも張り巡らされた枠の中に存在している」
といっていいだろう。
そんな組織の中で、二宮博士が研究しているのは、
「心理学」
であった。
今研究しているのが、大きく、二つあり、一つが、
「三すくみの関係」
というものであった。
いわゆる、
「抑止力」
というものをつかさどるというもので、いわゆる、
「じゃんけん」
であったり、
「ヘビ、ナメクジ、カエル」
という三種類において、それぞれにけん制するという関係性のものである。
そこに、
「心理学」
という発想が絡むことで、
「平和というものの定義」
というものを考えていたのが、
「一昔前」
の、組織であった。
ここでのひと昔というのは、
「数十年」
という単位で、この場合は、
「年号が平成になった」
ということで、
「30数年」
という年月であった。
その頃は、まだ、
「東西冷戦」
というものがあり、実際には、すぐに、冷戦が終結した
ということで、
「社会的には、もう国家体制というものが、東西れ戦ではなくなった」
ということから、
「核の抑止力」
というものの考えかたをしないでもいいということになるというのであった。
実際には、
「国家権力」
というものは、
「核の抑止力」
というものを切っても切り離せないということであったが、少なくとも、
「東西冷戦」
というものがなくなった時点で、
「二大巨頭」
という考えがなくなったのだ。
しかし、実際には、
「核保有国」
というのは、
「複数国ある」
ということで、それこそ、
「小規模な国が、偶有割拠となる」
ということを警戒しなければいけないといわれるのであった。
では、
「社会体制をどのようにすれば、抑止力を保つことができるか?」
と考えた時、
「三すくみ」
というものを利用するということである。
実際には、
「三つ巴」
ということであっても、その力の均衡という意味であれば、十分に、抑止力となることができるというものだが、
「三つ巴というと、あまりにも直接的すぎる」
ということから、
「三つ巴と三すくみの関係」
というものを研究するというのが、不可欠だということになるのであった。
どちらにしても、
「三つというのがキーワードであり、今までのいろいろな考えかtがから、三という数字が、いかに、緊張を保つには大切なことか」
ということになるのだ。
そういう意味で
「三すくみ」
「三つ巴」
以外でも、三という数字がつかさどるものとして、
「世界の七不思議」
と言われる、
「バミューダトライアングル」
であったり、
「ピラミッドにおける三角形というパワー
などが、重要視されるものだといってもいいだろう。
人間は、
「三角形」
というものに、どこか神秘的なことを考えながら、必要以上には、考えないようにしていたということかも知れない。
それが、まるで、
「路傍の石」
という考えかたに近いということであれば、案外、
「悪であっても、国家組織としての秘密結社」
ということであっても、その本質は、変わらないものだといってもいいのかも知れない。
そんな中で、二宮博士は、
「三すくみ」
というものを考えていた。
「これが犯罪とどのように結びついてくるのか?」
ということは、なかなか難しい発想だ。
しかしこれが、
「実際に考えられている犯罪において、その仕組みを新たな方向から見る」
ということであれば、ありではないだろうか?
特に、
「三すくみ」
という考えかたとして、犯罪であれば、普通に考えられるのは、
「主犯がいて、共犯がいる」
ということで、そもそも、
「犯罪の企画立案者」
というのがいるわけである。
これが殺人事件ということであれば、
「誰かを殺したい」
という動機があり。その動機によって、中には、それが復讐だったとすれば、
「犯人を殺す」
ということを果たした時点で、
「大義を果たした」
ということで、
「その場で自害する」
ということもあるだろう。
それは、動機が、
「復讐」
ということであり、
「自分にとって大切な人の復讐を終えれば、自分の役目が終わった」
と考えない限りは、
「警察に捕まりたくない」
ということで、犯罪計画の中には、
「自分が捕まらないようにするには、どうすればいいか?」
ということが盛り込まれているに違いない。
そのために、
「共犯」
というものを作ったり、
「アリバイ工作」
というものを行ったりするのだ。
中には、
「自分以外の人を犯人だ」
ということをでっちあげるという作戦を取る人もいる。
さらには、探偵小説などにおいては。
「自分は死んだことにする」
というような、
「死体損壊トリック」
などというのも考えられたりしたものだ。
今の時代では、
「DNA鑑定」
であったり、
「街の至るところに防犯カメラがある」
などということで、
「アリバイ工作」
というのも、なかなかうまくいかないということになるだろうが、逆に、それを逆手に取る形で、
「防犯カメラの映像が、実際にアリバイを証明してくれた」
ということになるだろう。
それを思えば、
「事件というものが発生すれば、まず警察は、事実の積み重ねを行い、そこから、矛盾であったりするものを見つけ、そこを突破口にして、犯人が組み立てた犯罪計画というものを解いていく」
ということになるだろう。
二宮博士が、
「三すくみ」
というものに眼をつけたのは、
「今まで起こった犯罪というものを、自分なりに分析していけば、三という数字にかかわりがあることが多いような気がする」
と気づいたからだ。
そして、そこで考えたのが、
「抑止力」
というもので、この三すくみの関係というものが、また別の発想に導かれるものだとも考えるようになったのだった。
というのは、
「三すくみ」
というものとは別に、自分が、心理学というものの専攻を大学で行っていたということで、大学時代に、気になっていた発想と、なぜか、この三すくみという関係を結び付けたのであった。
これは、
「偶然なのかも知れない」
ということであったが、それは、
「彼の天才たるゆえん」
ということからなのかも知れない。
この、
「心理学的な発想」
というのは、
「カプグラ症候群」
というものであった。
これは、昔から存在している考えかたというものではなく、どちらかというと、
「約半世紀前くらい前に言われていた発想」
ということであり、
「その時には、まだ、研究に入った時期」
というくらいであった。
「カプグラ症候群」
というのは、
「自分の近しい人物が、悪の秘密結社によって、別の生物に入れ替わっていて、いずれは、自分を殺してしまう」「
という発想である。
つまりは、一種の、
「被害妄想」
のようなものだといってもいいかも知れない。
これは、
「特撮が流行りだした頃」
に結構言われていたもので、
「宇宙人による画策」
ということであったり、
作品名:完全犯罪研究の「路傍の石」 作家名:森本晃次



