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「つかさ」と「ちひろ」

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「それだけ、清水巡査のプロット作成」
 というのは、
「実に大まかなところからになる」
 というものであった。
「結局最近は、ミステリーが多くなったな」
 というのは、
「自分が巡査をしているから」
 ということではない。
 むしろ、
「巡査をしているのだから、ミステリーを書ける要素はない」
 と思っていた。
「巡査というものには、捜査権というものがない」
 ということから、あくまでも、事件が起これば、
「黒子と同じ」
 ということで、
「推理どころか、刑事課の捜査方針を知ることもできないし、邪魔になってはいけない」
 ということになるのだ。
 だとすれば、
「警察にいながら、捜査にも参加できず、何もできない」
 ということなので、それこそ、
「経験のないことを書けるはずがない」
 という発想になるのだった。

                 ミステリー小説

 元々、
「警察に入った」
 という理由も、実際には曖昧なものだった。
「公務員であれば、安定している」
 ということからのものであり、最初から、
「警察官になりたい」
 という気持ちがあったわけではない。
 特に、
「警察官になる人のほとんどが、勧善懲悪」
 というものを抱いているということになるのだろうが、清水巡査とすれば、
「そこまでは考えていない」
 ということであった。
 実際に、
「警察学校を卒業してからの交番勤務」
 という、
「通常のルート」
 を歩んでいるうちはいい。
 ここから、
「警察官になりたい」
 という人であれば、
「刑事課への配属」
 を願い出て、
「いずれは刑事になる」
 ということになるのであろう。
 だが、清水巡査は、
「このまま、ずっと交番勤務でいい」
 と思っていた。
「へたに刑事になったりして、事件があれば、飛んで行って、勤務時間通りに仕事ができる」
 というわけではない。
 そもそもが、
「公務員という安定と、楽な仕事」
 ということで入ったのに、刑事になんかなってしまうと、
「自分の趣味の時間が奪われる」
 と思えば、
「刑事になんかなりたくない」
 と思うのだ。
 しかも、2時間サスペンスや、刑事ドラマなどでよく見る、
「警察組織の闇」
 というものを思えば、
「誰が刑事になどなるものか」
 ということになるのだ。
「警察組織」
 というのは、
「縦割り」
「横割り」
 というしがらみが大きいという。
「縦割り」
 というのは、いうまでもなく、
「階級組織」
 といってもいい。
 官僚と警察組織においては、完全な、
「階級世界」
 といってもいいだろう。
「階級の下の者が、上のものには逆らえない」
 ということがハッキリしている。
 一般の会社では、昇進に関しては、
「試験」
 というものはない。
 昭和の頃までは、
「年功序列」
 と言われ、
「ある程度の年齢」
 あるいは、
「勤続年数に達する」
 ということになれば、自然と昇進するというものである。
 しかし、警察では、
「昇進試験」
 というものがあり、
「それに合格しなければ、昇進はできない」
 ということになるのだ。
 だから、
「国家公務員」
 というものと、
「地方公務員」
 というものに歴然として分かれ、しかも、それぞれに階級によって、
「権力が明らかに違う」
 ということになる。
 それが、警察における。
「縦割り社会」
 ということだ。
 つまり、
「自分が、警察内でやりたいことがあって、できるようになりたい」
 と思うのであれば、
「偉くなるしかない」
 ということであった。
 ただ、警察組織というのは、
「偉く成ればなるほど、そのしがらみは大きくなる」
 ということである。
 つまりは、
「警察のメンツ」
 であったり。
「警察組織を守る」
 ということが、階級ごとに当たり前のこととされるようになれば、
「それができないのであれば、警察を辞めるしかない」
 ということになるのだ。
 そもそも、
「勧善懲悪」
 ということで、
「正義のために」
 ということで入った警察で、
「その正義というのが、警察の正義」
 ということで、
「警察というものが、いかに理不尽なものか?」
 ということを感じることになるというのだ。
 また、
「横割り」
 というのは、
「縄張り争い」
 ということであり、いわゆる、
「管轄というものが、自分たちの縄張り」
 ということで、本来であれば、管轄外で事件が起きたといって、
「勝手に、捜査したり、ましてや、仕切ったり」
 などすれば、
「縄張りを荒らした」
 ということで、まるで、
「やくざのような言い分」
 ということになるのだ。
「どうして、そんな体制になったのか?」
 ということは分からないが、
「所轄同士を、本部が競わせている」
 ということもあるだろう。
 たとえば、
「検挙率を挙げる」
 ということで、同じ都道府県警察内の警察内で、競わせるということからなのかも知れない。
 これは、普通の営業でも同じことが言えるのではないか?
 ただ、営業所内ということであれば、そこまでの争いはない。
「一応、同じ会社」
 ということで、変に競争第一で考えると、
「会社の秩序が守れない」
 ということからきているのではないだろうか?
 それを考えると、
「警察組織」
 というのが、かなり大きいということになるのだろう。
 もちろん、
「公務員」
 ということで、他の会社とは違うといってもいい。
 そういう意味でも、
「民間企業と、公務員とでは、まったく発想が違うものということになるだろう」
 というものだ。
 小説執筆において、
「ミステリー」
 というものを書けるようになったのは、
「あくまでもフィクション」
 ということで、特に、テレビドラマの、
「サスペンス劇場」
 のように、トリックや謎解きだけではなく、
「同じようなパターンということで、シリーズ化された話」
 というもので考えれば、いろいろ書けると考えたからだ。
 特に、サスペンス劇場と呼ばれる、
「2時間サスペンス」
 というのは、最盛期には、
「毎日、ゴールデンタイムで。どこかのチャンネルでやっていた」
 といえる。
 そもそも、ミステリーの中で、
「同じパターンの小説」
 ということで、シリーズ化された話が、
「その作家のパターン」
 ということで、
「ミステリー小説の中のジャンル」
 というものが確立され、それが、その生みの親と呼ばれる作家の、
「代名詞」
 ということになるのである。
 最初は、
「トラベルミステリー」
 などということで、
「電車をアリバイトリックに使う」
 というようなパターンが確立させるだけの巨匠と呼ばれる作家が出たりもしたのだ。
 それ以降であれば、
「探偵」
 と呼ばれる人が、
「職業探偵」
 ということではない。
 つまりは。
「私立探偵」
 という職業ではなく。本来の職としては、
「ルポライター」
 であったり、
「医者」
 などという、実際に探偵としては、今までは考えられなかった人が、その独特の
「職業の目」
 を生かすことで、
「変わり種の探偵」