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必要悪の正体

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「野犬を見かけた」
 あるいは、
「野犬が被害をもたらした」
 ということで、保健所や警察が対応に追われることもあったのだ。
 実際に野犬に対してどのような対応を取ればいいのか、警察も、保健所も、決定的な手段を持っていない。
 ただ、
「定期的なパトロールと、駆除については行わなければいけない」
 ということで、臨時に、
「樹海の責任者」
 というのも作られたが、今では、
「半永久的な組織」
 として、作らなければいけないのではないかと思われるようになったのだった。
「世界的なパンデミック」
 というものが起こってから、5年くらいが経っていたのだが、実際には、まだまだ収まっているわけではない。
 しかし、政府とすれば、
「これ以上金がかかっては、国家が破綻する」
 という理由で、
「パンデミックを収まった」
 ということで、伝染病のレベルを強引に引き下げた。
 もっとも、
「政府が破綻する」
 というのは、欺瞞であり、実際には、
「自分たちが甘い汁を吸えなくなる」
 という悪事からが本音であるが、まさか、そんなことを公表できるわけはなく、国民も、
「政府の欺瞞だ」
 とは思いながらも、いつまでも、
「世界的なパンデミック」
 で、余計な混乱に巻き込まれることにうんざりしていたのだ。
 しかし、レベルの引き下げをしてしまったことによって、国民がどれほどの被害を被るかということに気づかなかったことが運の尽きで、
「本来であれば、もう少し、被害が少ないはずだったのに」
 という考えが通用しないようになったのだった。
「政府のいうことは、欺瞞であり、もし、正しいとしても、十分な吟味は必要だ」
 ということを、
「いかに普段から感じているか?」
 ということが大事だということであろう。
 実際に、国家において、
「それまで毎日のように、全国の患者の推移を、自治体ごとに発表していたのに、
「引き下げた瞬間に、まったく発表しなくなった」
 ということで、そもそも、
「統計を取っているのかということも怪しいものだ」
 ということになるのだ、
 しかも、
「病気に罹ってお、費用は個人負担」
 さらに、怪しいと言われ、
「陰謀論がささやかれているワクチンにおいても、個人負担」
 ということである、
 特に、
「ウイルスなのだから、
「何度も変異を繰り返し、別のウイルスであるかのように猛威を奮っていることで、実際には、どれほどの蔓延なのかということが分からないまま、手探り状態」
 ということになる、
 何しろ、
「取っているか取っていないか分からない統計なので、政府にその数字を出すことはできないだろう」
 つまり政府とすれば、
「インフルエンザと同じレベル」
 ということで、蔓延防止には、
「学校閉鎖」
 などということを嵩じるだけで、本来であれば、
「どれほどの蔓延なのか?」
 ということを国民に示すことで、注意喚起をしなければいけないものが、その指針がないことで、
「本来であれば、蔓延したことで、国家の危機」
 と言われるところまで言っていたとしても、国家は、
「知らんぷり」
 を決め込み、気が付いたら、
「国破れて山河在り」
 という状態になっていることだろう。
 それを考えれば、
「国家を信じることが一番危ない」
 ということになる。
 だから、実際に、
「パンデミックの最中、どこかのバカな議員が、言った言葉」
 ということで、
「こうなれば、最終的には、国民は政府を頼らずに、自分の身は自分で守るしかない」
 などということを言って、世間からの批判を一気に浴び、最終的に辞任に追い込まれたわけだが、
「言い方はどうあれ、言っていることに間違いはない」
 ということになるのであろう。
 そんな時代に、置き去りにされたペットが、
「死体を掘り起こす」
 というのは、今に始まったことではなかった。
 そもそも、
「自殺者は一定数いるんだ」
 ということで、増えた野犬の数だけ、
「死体の発見率が上がった」
 というわけである、
 逆に、その影響から、
「こんなにも自殺者が多かったんだ」
 ということであったが、実際には、
「殺しておいての、死体遺棄」
 というのも、同じくらいに増えたのだった。
 白骨化している死体も結構あり」
 昔であれば。
「身元不明の他殺体」
 ということで、
「迷宮入り」
 ということも多かったのだろうが、今では、
「警察の科学捜査」
 というのが結構頻繁に行われていて、そのおかげで、
「身元特定」
 というのも、できるようになっていた。
 さらには、昔と明らかに違うのが、
「凶悪事件において、時効が撤廃された」
 ということであった。
 今から20年くらい前であれば、
「殺人の時効というのは15年」
 と決まっていたが、今では、
「死ぬまで事件は解決しない」
 ということになるのだ。
 それを考えれば、
「下手をすれば、未解決事件というものが、爆発的に増えるだけ」
 ということになるのかも知れない。
 今回の死体発見には、明らかな、
「殺害された痕」
 というのが残っていた。
「ほとんど白骨化されていたが、突兀部分に、鋭利な刃物で刺し貫かれた痕が残っている」
 ということであった。
 死体の身元の判明には、かなりの時間を要するだろうと思われた。
 確かに、科学捜査の発展から、
「DNA鑑定」
 などで、昔に比べて、圧倒的に身元判明が可能になった。
 とはいえ、DNAで本人確認しようとしても、
「比較するものがなければいけない」
 というわけで、まずは、
「捜索願」
 というものが出ているものを中心に探すことになる。
「白骨となると、どれほど昔なのか?」
 ということが問題になるわけで、もし、それが、
「時効が15年」
 と言われていた頃の死体であるということになると、実際には、
「時効が成立している」
 ということになる。
 だから、時効が成立していれば、捜査を行わず、被害者が分かれば、
「行方不明事件の一つが、最悪の形ということではあるが、解決した」
 ということになるのであろう、
 それを考えると、
 今回の被害者が、
「いつ殺されたのか?」
 ということが問題になってくる。
 実際に、鑑識の調べとすれば、
「10年も経っていない」
 ということだったので、十分に、
「時効が成り立たない死体だ」
 ということで、逆に、
「捜査しないといけないこと」
 ということで、警察署内で、
「殺人事件」
 ということで、
「捜査本部が、設けられる」
 ということになったのだ。
 ここの樹海では、頻繁に、自殺死体が発見されてきたが、
「殺害」
 であり、
「死体遺棄」
 ということでの発見は久しぶりだったこともあり、ペンションでも、衝撃が走った。
 まず最初に考えられたのが、
「ペンションの宿泊客ではないか?」
 ということであったが、
「もし、そういう人がいたとすれば、我々が、捜索願を出しているはずですよね」
 といい、実際にペンションの人とすれば、
「かつて捜索願を出したことは記憶としてはなかったと思います」
作品名:必要悪の正体 作家名:森本晃次