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必要悪の正体

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 ということであったので、所轄署の方で、捜索願を探してみたが、確かに、ここ10年くらいの間で、ペンションの人間の名前で、捜索願は出されていない」
 ということであった。
 ただ、これは、半分は正解であり、
「一度、行方不明になりかかった」
 ということであり、捜索願を出す一歩手前くらいになったが、実際に、数日経ってから、もう一度連絡を入れてみると、携帯電話に本人が出て、
「すみません、急用ができて、急遽仕事に戻りました」
 という連絡があったということで、捜索願を出す手前まであったということを、マネージャーは覚えていたが、この時は、
「その事件とは、関係のないことだ」
 ということで、その話は、すっかり、蚊帳の外に置かれることになったのであった。
 だから、今回の事件は、
「ペンションとは関係がない」
 と思われたが、
「犯人は、ペンションの宿泊客だったのでは?」
 と思われたが、まずは、
「被害者の身元が分からないと、犯人を捜すことはできない」
 ということで、
「被害者の身元捜査」
 というものが、最優先ということになったのだ。
 それを考えると、
「やはり、捜索願から当たるのが最優先」
 ということであったが、少なくとも、
「それを一つ一つ洗うのは、不可能に近い」
 ということになるだろう。
 捜査本部が開かれ、最初の捜査会議が行われたのは、
「死体が発見されてから、2日後」
 ということであった。
「何しろ白骨死体ということで、身元がハッキリと分からない」
 ということで、
「現場の捜査の継続」
 ということが行われた。
 死体が埋まっていた場所から少し幅を広げて捜査をするということで、それこそ、
「歴史的な研究材料の発掘」
 というような形になったといってもいいだろう。
 あたりは、粘土質になっていて、捜索には少し困難なところもあった。
「雨が降った日もあって、捜索は困難だということは分かっていたが、さらに、難しい」
 ということになり、
「2日で捜査会議を開けるのか?」
 ということになった。
 何といっても、被害者の身元がわからなければ、捜査会議を開いても、捜査方針どころではない、
「被害者の身元をハッキリさせる」
 ということだけが最優先であり、下手をすれば、
「被害者の身元がわからなければ、その時点で、事件は迷宮入り」
 といってもいいだろう。
 いつまでも、進展しない事件にかかわっている場合ではない、実際に、起こっていて、解決しなければいけない事件もあるのだ。
 それを考えると、
「警察も暇ではない」
 と、
「本当にそうなのか?」
 と考えられることが、言われるだけのことになるのであった。
 実際の捜査会議において、
「鑑識の発表」
 というものが形式的に行われるだけではないか?
 と考えられもしたが、実際には、その鑑識発表というものから、思いもよらなかったことが発覚することになったのだ。
 実際に
「捜査会議が行われる」
 ということになると、取調官も、そんなに人数がいるわけではなかった。
 実際に起こっている事件に取り掛かっている人もいて、皆が皆参加できるわけではなかったということであるが、
「実際の鑑識よりも、今回の会議には、数人多い」
 というのが芽を引いた。
 今回の管轄署ということで、K警察署内に、当たり前のように、捜査本部が設けられた。
 いつものように、
「門倉警部」
 を本部長とし、
「桜井警部補」
 が、
「副本部長兼現場の責任者」
 ということであった。
 そして、同時に、
「会議の進行役」
 ということも兼ねていることから、
「実質的な責任者」
 といってもいいだろう。
 桜井警部補を中心とし、その
「実行部隊」
 ということで、主に、
「樋口刑事と、河合刑事」
 のコンビ、
 さらには、
「清水刑事と、秋元刑事」
 のコンビというのが、
「K警察における。捜査本部の主な体制」
 といってもいいだろう。
 もう一組刑事課のメンバーはいるのだが、そのコンビは、あいにく別の事件でかかり切りになっていることで、この事件からは外れることになったのだった。
 そして、さらに、
「今回は鑑識発表もある」
 ということで、
「一色班長を中心とした鑑識チームから、あと2人が、今回の捜査会議に参加しているということであった。
 ただ、今回の事件は、
「身元がハッキリとしない」
 ということからと、
「白骨化した死体」
 ということで、かなり古い事件ということで、事件に対しての取り組み方に、若干の取り組み方に、違和感があったのも事実だった。
「事件に大小を区別してはいけないのだろうが、やはり、現在起こっている事件が最優先」
 というのは、仕方がないことだろう。
 実際に、捜査員の指揮も、そこまで高いわけではなく、
「しらけムード」
 が漂っているというのも、しょうがないと思われた。
 しかし、今回の事件の会議が始まってから、まずは、
「鑑識による発表」
 というものが行われた。
 まず最初に発表されたこととして、
「今回の事件において、殺害年月については、最初の推定の通りで、大体10年が経ってう以内ということでしたが、それが少し詳しくなり、大体8年くらいの経過で間違いないと思われます」
 ということであった。
 根拠について聴いてみると、
「大体埋まっていた部分の近くの木の年輪を調べてみると、ちょうど、8年くらい前に、成長が少し阻害されているのが分かったんですね、それは、その時期、栄養を取られる何かがあったということで、腐乱する前の死体が埋まっていたせいだと考えれば、辻褄が合うというわけです」
 ということであった。
「なるほど」
 と桜井警部補は納得した。
「じゃあ、その頃を捜索願に照らし合わせて調査すればいいわけだな」
 ということであり、さらに鑑識からの発表として、
「犯人は、故意に、被害者が誰であるかということを隠そうという意志はない」
 ということであった。
「手首を切断することもなく、胸の傷以外は、これと言って外傷がないように思われたのですが」
 ということで、鑑識は、どこか、ハッキリしない、言い方をしたのだ。
「何か気になることがあるのかね?」
 と促された鑑識官は、一色課長の方を見て、助けを求めているようだった。
「それは私から」
 ということで、一色課長が引き受ける形になったのだった。
「実は、今回の事件で気になるところはここにありまして」
 と前置きをしておいて、
「実は、今度の事件で、白骨を調べてみると、どうも頭蓋骨が不自然い欠けているところがあったんです」
 というのだった。
「どういうことなんだい?」
 と桜井刑事に促され、
「陥没したゆおな形なんだけど、その陥没が不自然なんです」
 というのだ。
「殴られたわけではないと?」
「ええ、殴られたいしては不自然ですし、死後どこかにぶつけたとしても不自然なんですよ」
 というのだ。
「じゃあ、どう解釈すればいいんだい?」
 と言われた時、
作品名:必要悪の正体 作家名:森本晃次