小説が読める!投稿できる!小説家(novelist)の小説投稿コミュニティ!

二次創作小説 https://2.novelist.jp/ | 官能小説 https://r18.novelist.jp/
オンライン小説投稿サイト「novelist.jp(ノベリスト・ジェイピー)」

必要悪の正体

INDEX|4ページ/16ページ|

次のページ前のページ
 

「陸軍病院の中でも、表に出せない人を隔離する」
 という目的のところもあった。
 これが、
「海軍」
 ということであれば、
「無人島のようなところにひそかに施設を作る」
 ということもできたが、陸軍では、それはできなかった。
 というのは、それだけ陸軍は花形で、注目度も高かったということであった。
 特に戦時中で、戦禍がひどくなってきた頃には、諸事情から、
「表に出せない兵士」
 というものがあり、隔離が必要だった。
「殺害してしまうには、多すぎる」
 ということで、隠蔽しなければいけない内容があったのだった。
 だが、国民はそんなことは知らない。
 実際には、
「政府も知らなかった」
 わけだし、
「軍内部でも、最高国家機密」
 と言われたことから、細かいことを聴くということも御法度だったのだ。
 それが、戦後は解体された。
「武装解除」
 という名目であったが、中には、そのまま戦後も使われたところもあった。
 この場所もその一つであり、戦後5年くらいは、実用化されていた。
 つまりは、
「占領軍が日本に君臨していた」
 という時代であり、明らかに、
「占領軍に接収された」
 というところだったのだ。
 しかし、占領軍が、
「日本の統治」
 が解かれた時、それまで、
「関係者以外立ち入り禁止」
 と言われた場所だったが、いつの間にか、その看板はなくなっていた。
 元々目立たないところなので、看板がなくとも、立ち入ろうという人もいなかっただろう。
 だが、独立国家になった日本が、しばらくしてその場所に入ると、すでに、施設はどこにもなく、ただ、自然の中にたたずんでいる場所というだけのことになっていたのであった。
 中に入ると、
「大自然が迎えてくれる場所」
 ということであった。
 この場所の特徴は、まわりを森に囲まれていて、その中は、ドーナツ状になった湖が横たわっていて、すでにコンクリートの建物はなくなっていて、誰かの別荘のような雰囲気の洋館が建っているだけだった。
 その大きさはかなりのもので、
「まるで、省庁や軍の本部といってもいいくらいの佇まいだ」
 といえるくらいだった。
 ただ、それは、そもそも大きな湖の中に、ポツンとあることで、錯覚を覚えさせる。実際には、大きそうに見えて、中に入ると、そうでもないというのが特徴だったのだ。
 昔から表の道からここに入ってくるまで樹海を取っていると、
「まるで、ずっと凪のような状態で、風がない」
 といってもいいくらいだったのだ。

                 能力というもの

 湖はいつも、きめ細かい、波紋を表していた。
 それは、風がないことを示していて、その細かい破門は、それこそ、流れているにも関わらず、その先がさらに繊細になっていることで、光が乱反射して、まともに、湖畔を見るのが難しいくらいだった。
 ただ、
「森はいつも緑の枝が揺れているような気がする」
 ということで錯覚を覚えるのであった、
 ただ、それも冷静に考えれば、
「大きすぎる森の状態が、迫ってくるような錯覚を感じさせ、それが、枝が揺れているように思えセルのだった」
 しかも、
「枝のすべてが、まったく同じ動きをしているかのように見える」
 のだった。
 そのおかげで、
「時間帯によって、森と湖の広さが微妙に違っているように感じさせ。暗くなればなるほど、森が迫ってくる」
 と感じさせるのだ。
 それだけ森が深い緑であり、それが、暗闇とシンクロすることで、余計に、
「闇が迫ってくる」
 という風に思わせるのであろう
 だから、
「この湖畔が一番広く感じさせるのは、夜が明けてくるにしたがって」
 という時間帯であり、完全に夜が明けてしまうと、そこから先は、
「これ以上広くは感じさせない」
 ということであった。
 今度は、夕方近くになり、西日の影響がどんどんなくなってくると、闇が襲ってくるようになり、
「まるで魔物と逢うと言われる、逢魔が時を思わせる」
 ということでの夕凪の時間。
「この時間だけ、風を感じることができる」
 ということから、湖畔には、それまで判で押したような規則的な波紋ができていたのに、この時間だけは、
「どのような波紋ができるのか分からない」
 ということで、これはかなり後の時代になってからのことだが、いわゆる、
「パワースポット」
 と言われるようになり、一時期話題になったことがあった。
 時期的には、
「幽霊が出る場所」
 というものがブームになった時で、むしろ、
「パワースポット」
 という言葉が出てくるのはさらに後のことだった。
 だから、
「怖いところ」
 ということで、注目されてもよかったのだが、なぜか、ここは本や雑誌で紹介されるということもなく、それこそ本当に、
「隠れた心霊スポット」
 といってもいいところだったのだ。
 その頃は、建物はあったが、まだペンションとして使われていたなかった。
 実際には、
「数年間」
 くらいのもので、だから、この時の
「心霊スポットブーム」
 というのは、
「それこそ伝説といわれるほどのあっという間のことだった」
 といってもいいだろう、
 だから、この時期に、
「心霊ブームがあった」
 ということを知っている人も少ない。
 実際には、
「そんなブームがあったなどということは、そんなに知られているわけではない」
 といえることだろう。
 だから、その頃、時代的にいえば、
「高度成長時代」
 というものが、そろそろ迫ってきた頃であり、都心部での住宅事情も充実してきて、その目が都心部に集まってきたということで、
「いよいよ田舎と都会の発展の差が激しくなってきた」
 といってもいいだろう。
 それだけ、
「田舎が忘れ去られた」
 ということであり、
「ある種のウラの組織」
 からすれば、
「やっと訪れた俺たちの時代」
 といってもいいだろう。
  だから、田舎をターゲットにする、
「秘密結社」
 などが増えてきて、彼等の目的がどこにあるのかは、その組織の方針によるということであるが、少なくとも、
「反政府組織」
 ということであるは、分かり切った事だったといってもいいだろう。
 だからこそ、
「占領軍から押し付けられた民主主義」
 つまり、
「押し付けの自由」
 というものを逆手に取る組織ということであり、
「そんな組織がどのように暗躍するか?」
 ということは、その団体によってバラバラだったが、それが、
「かぶる」
 ということになるわけではなく、うまく影響しあわないようにしていたというのは、
「闇の組織」
 としての、能力のようなものだといってもいいだろう。
 それが、都心部での、
「もはや戦後ではない」
 と言われた時代であり、その言葉をもたらしたのが、
「そんな裏組織の力であった」
 ということを知っている人は少ないだろう。
 実は、その頃の暗躍していた組織は、
「旧日本軍」
 と言われる人たちで、最終目的としては、
「日本の再軍備だった」
 と言われる。
 そもそも、
「日本軍の運用が、天皇直轄で、政府は別枠だった」
 という、
「いい悪い」
作品名:必要悪の正体 作家名:森本晃次