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必要悪の正体

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 ということに徹底していた。
 それはもちろん、
「おかしな悪党を抱え込んでいる」
 というものあるだろうが、
「さすがに、今までの時代を生き抜いてきたノウハウというものを持っている」
 ということからであろう。
 それを考えると、
「警察が、どこまで捜査できるか?」
 という問題になってくる。
 例の組織は、今では、
「必要悪」
 とも目されていて、
 表向きは、
「まっとうな会社」
 ということは、逆に、
「やつらの存在が、他の反社会的勢力と呼ばれる連中の抑止になっている」
 といってもいい。
 それを考えると、
「悪の三すくみ」
 というものが世の中にはあり、その三すくみが織りなす、
「抑止の力」
 というのが、
「必要悪と呼ばれるものではないのだろうか?」
 ということになる。
 だから、やつらの組織が、
「隠蔽をしている」
 というのは、確かにやつらの都合で、
「自分たちの身を守るため」
 ということになるのだが、
「警察としても、いたずらに必要悪と呼ばれる連中を潰すわけにはいかない」
 ということで、
「一種のジレンマ」
 というものに陥っているといってもいいだろう。
 そのジレンマというものは、警察は昔から持っている。
 その際たる例が、
「パチンコ業界」
 というものではないか?
 ということである。
 そもそも、パチンコ業界というのは、
「ギャンブル」
 と言われても仕方のないものだが、戦後の混乱期に、パチンコ業界と、反政府組織とのつながりが問題になったが、
「パチンコ業界を抱き込む」
 ということで、
「反政府組織を抑えることができる」
 ということから、
「パチンコ業界を潰すわけにはいかない」
 ということでの苦肉の策として、
「三店方式」
 というのを考えた。
 つまりは、
「ギャンブル性のある、玉を現金に換える」
 というやり方を、
「途中に景品」
 というものを絡めることで、
「ギャンブルではなく、遊戯だ」
 ということで、パチンコ屋の延命」
 というものを図ったのである。
 つまり、
「球を景品に変えるところまでは、パチンコ屋の仕事になるが、景品をお金に変えるというのは、パチンコ屋とまったく別会社がやっている」
 ということにして、
「パチンコ屋は、現金を扱うのは、玉を売るときだけ」
 ということで、景品交換所というのは、あくまでも、
「景品を買ってくれるところ」
 ということで、
「ギャンブル性はない」
 ということにして、今に至るということである。
 それを、
「三店方式」
 というのだが、これを考えて実施したのが警察ということなので、
「いまさらパチンコ屋をギャンブル」
 ということで取り締まることができないということになるのだ。
 今では、パチンコ屋と、反政府組織の連中とのつながりはほとんどないということなので、
「パチンコ屋は必要悪」
 ということにならず、
「潰そうと思えば潰すことができる」
 ということになるだろう、
 しかし、それができないという理由もあったりする。
 たとえば、社会問題となっている。
「依存症」
 というものだ。
 これを一種の精神疾患と考えれば、依存症の問題となっているものを、
「簡単に潰す」
 とはいかない。
 依存症というと、パチンコのような、
「ギャンブル依存症」
 あるいは、
「買い物依存症」
 そして、
「セックス依存症」
 というものが、代表的なものではないだろうか。
 そのほとんどが、
「欲というものに支配された精神状態」
 から巻き起こったものである。
 他の依存症として、
「アルコール依存」
 というものがあるが、この場合は、パチンコのように、
「販売する側に、営利目的」
 というものがあり、簡単に辞めさせるわけにはいかないともいえるだろう。
 それを考えると、
「徐々に規制を掛けていく」
 ということが必要で、それをやっているのが、
「パチンコ屋スロット」
 であったり、
「タバコのように、吸える範囲をどんどん狭めていって。吸っている人間に肩身の狭い思いをさせる」
 ということで
「こんな思いをするのだったら、辞めた方がいい」
 ということで、どんどん吸う人が減ってきている。
 そうなると、
「完全に売れなくなってしまった」
 ということで、それまで、
「タバコを扱っていた」
 というところが、
「もう扱わない」
 ということにすることで、今でも吸っている人間は、その購入にすら、大変になってくる。
 それどころか、
「需要と供給のバランス」
 という問題から、
「タバコの値段が跳ね上がる」
 ということになり、愛煙家は、
「これでもか」
 とばかりに責められている。
 それでも、吸い続ける人をなんとも言えないということになるのだろうが、すくなくとも、
「褒められることではない」
 というのが当たり前だった。
 それだけ、
「今は時代が急速に変わってきている」
 ということになるのだ。
 そういう意味で、
「反政府組織も、どんどん減ってきていることだろう。
 世の中も、
「個人の自由」
「コンプライアンスの問題」
 などと、昭和の頃までの常識というものが、まったく機能しなくなっているといってもいいだろう。
 それが、今の時代にどのように影響しているのか分からないが、残っているところは残っているわけで、もちろん、
「すべてを潰してしまう」
 ということは、
「必要悪を壊してしまう」
 ということになるわけで、
「抑止」
 というもののために存在している必要悪というものであれば、それを潰すということは、それこそが、
「悪に加担する」
 ということになるのではないだろうか?
 もちろん、その考えというのは、社会の中での一つの考え方ということになり、
「一般的な考えではない」
 といえるだろう。
 あくまでも、世の中は、
「公序良俗」
 というものが基本で、民主主義というものは、
「自由、平等、博愛」
 というものが基本だといえるからであろう。

                 それぞれの確執

 被害者の身元が分かると同時に、
「死体発見現場に建っているということから、まんざら無関係ということではないはずである」
 ということから、警察が、
「一応の、建前的な捜査」
 ということで、聞き込みもしていた。
「時間がかなり経っているし、被害者が誰かは分からないんですが、殺人事件の捜査なので」
 と、秋元刑事が、話に来ていたのだが、秋元刑事は、その特徴として、
「話をすれば、相手が何を考えているのかということが分かる」
 というのがあった。
 そこで感じ取ったのが、話を聞く際に、
「面倒くさそうにしている」
 ということもあって、もっといえば、
「探られたくない腹を探られているようで嫌だ」
 という思いであった。
 最初は、秋元刑事もそのあたりの気持ちはよく分からなかった。
 まだ、秋元刑事は、刑事としては、新米に近く、
「それだけに、相手の気持ちが分かる」
 という気持ちがあるということからの、ジレンマのようなことがあるというものだ。
 そもそも、
「警察としての立場」
 そして、捜査の際にかかわる、
作品名:必要悪の正体 作家名:森本晃次