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洗脳の果てに

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「インターネットには疎いので、今の時代のように、テレビ時代ではなくなってしまったことに気づくことはない」
 と言ってもいい。
 そうなると、テレビも真剣に見なくなるということで、最新の情報からは、取り残されることになる。
 特に一人暮らしの老人に、誰が手を差し伸べるというのか、詐欺グループにとってはm最高の獲物ということである。
 手島一族が行う詐欺は、主に会社に対してのものだった。
 といっても、相手の会社を、
「倒産に追い込む」
 ということまではしないというもので、相手の会社には、
「詐欺に遭った」
 ということを意識させない間に、相手に対して、
「金を貸す」
 ということをして、こちらをすっかり信用させ、その会社を、
「自分たちのいいなりにする」
 という形での、表向きは、
「危機に陥った会社を立て直すためのスポンサー」
 というものであった。
 何、相手は疑うことはない。今の時代であれば、会社が倒産の危機に陥るということは日常茶飯事であり、そのために、
「民事再生手続き」
 という制度があり、その制度を使っての文字通りの、
「会社再生」
 ということになるのだった。
 そこで必要になってくるのが、
「融資をしてくれる、企業と銀行」
 であった。
 その企業が、
「伊集院グループ」
 ということであれば、銀行も無条件で金を貸してくれるというもので、それだけで、その会社は、
「疑うことを知らない」
 ということになるだろう。
 それを考えると、
「彼らの詐欺手口」
 というのは、実に巧妙である。
「これだったら、別に詐欺とは言えないのでは?」
 ともいえるが、
「相手を欺いて、最終的にこちらの傀儡としてしまう」
 ということは、
「吸収合併」
 というものよりも、厳しい状況に相手は追い込まれるということであるから、やはり、
「詐欺行為」
 と言われても仕方のないことなのかも知れない。
 それを思うと、
「許せない」
 ということではあるが、今の時代は、
「吸収合併が生き残るためには仕方のないこと」
 ということで、どちらかというと、
「悪いことではない」
 という感覚になっていることから考えると、手島一族のやっている詐欺は、
「本当に悪いことではない」
 ともいえることではないだろうか。
 実際に、
「手島一族が行った詐欺では、誰かがそれが原因で自殺をした」
 という事例が一件もないのだった。
 すなわち、彼らのモットーは。
「詐欺はしても、自殺者を出すようなことはしてはいけない」
 ということだったのだ。
 さすがに、
「裏稼業でずっと生きてきただけのことはある」
 といってもいいだろう。
 それを、今の時代に担っているのは、
若干二十歳になったばかりの、
「手島俊太」
 だったのだ。
 彼は、まだ大学生だった。
 だからこそ、その、
「大学生」
 という立場が、隠れ蓑になる。
 いくら大学生であっても、民法上は成人なので、契約などいくらでもできるというものだ。
 もっとも、時代が進めば、成人というのは、
「満18歳をもって」
 ということになる。
 それが、今の時代であり、そえがいいことなのか、悪いことなのか、まだ始まったばかりということで、その結果は出ていない。
 そもそも、
「政府に、検証などということは考えていないのではないか?」
 ということで、
「答えを出してくれるであろう歴史」
 というものを研究している人が、検証をするだけなのかも知れない。
 政府も、本当に、検証する気があるということであれば、
「一つの省庁」
 として、
「検証庁」
 のようなものを作ってもいいのではないだろうか?
 そこには、長官をおいて、しっかりと検証する。
「それを国民に公表する」
 ということでもすれば、もう少し国民から、
「少しはマシになったか?」
 ということで、
「認められる政府になりそうなもの」
 であるといえるだろう。

                 詐欺組織の殺人事件

 詐欺組織には、
「詐欺はしても、人は殺さない」
 という鉄則があった。
 もし、殺人を行ってしまえば、いかなる理由であっても、即座にグループから抜けることになり、その人は、
「社会的に抹殺される」
 ということで、下手をすれば、
「警察に捕まるよりも、たちが悪い」
 ということである。
 そもそも、犯罪者が警察に捕まると、そこでは、事実関係を明確にし、一つである、
「真実の究明」
 というものが、当然のごとくということになるのだった。
 つまりは、犯人が逮捕され、その裏付け捜査が行われることで、
「警察内部の真実が明らかになる」
 ということで、検察が、容疑者を起訴することで、容疑者は、
「被告人」
 ということになるのだ。
 そして、今度は、裁判所に審議が持ち込まれ、そこで検察と弁護人の間で、真実が明らかにされ、
「裁判員と裁判官」
 によって、判決が確定し、それが被告に対して宣告されることになる。
 それまでに、検察側からの、求刑というものがあるが、それを経てのことになるのであった。
 それが、
「犯人が逮捕されてから、刑が確定するまでの流れ」
 ということであり、有罪で、執行猶予がつかなければ、そのまま、
「刑務に服す」
 ということになるのだ。
 しかし、世間というのは、それほど甘いものではない。
 なるべく、犯罪者とはいえ、人権があるということで、警察が、その人が刑務に服したということであれば、
「過去に犯罪を犯した」
 ということを軽々しくいうことは許されない。
 それでも、どこかでそれが知れてしまうと、結果、その人は、
「その場にいることが許されない」
 というようなことになってしまうということである。
 それが、世の中の厳しさで、それだけ、
「世知辛い世の中になった」
 ということなのだろう。
 いや、これは今に始まったことではなく、昔からそうだった。
 だから、手島一族が抱えている詐欺グループというのは、
「詐欺は犯しても、それ以外の犯罪はなるべく犯さない」
 ということで、特に一番罪深い、
「殺人」
 というものに関しては、相当に厳しい鉄則を決めておくということになっているのであった。
 ここに一人の男性が、その鉄則を破るかのように、
「殺人事件というものを犯してしまった」
 彼は、付き合っていた彼女が、借金を負ったのであるが、しかも、それが相手が悪く。
「悪徳金融」
 に借りてしまったことで、身動きが取れなくされてしまったようだった。
「このままだと、私、風俗に売られてしまう」
 といって、彼女は彼に泣きついた。
 しかし、これは、本来であれば、
「彼女の甘さが生んだことであった」
 というのは、彼女が使ったお金というのは、
「ホスト狂い」
 というものであった。
 女性が、
「ホストに狂う」
 というのは、友達に誘われて気軽に行ったところで嵌ってしまった。
 というのが多く、そのために借金を追ってしまい、それを払うために、
「自分から風俗に入店する」
 というパターンが多い。
 あるいは逆に、
「風俗嬢が、仲間の風俗嬢に連れていかれて嵌ってしまったことで、貢がされている」
作品名:洗脳の果てに 作家名:森本晃次