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洗脳の果てに

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 いくら、自分が、それまでに、医者であったり、大学教授、さらには、弁護士などという、
「いばらの道」
 をかき分けて作り上げてきた名誉を武器にしたとしても、
「その職で、何か目立つことをして、名声を挙げてこなければ、いくら、選挙で恰好のいい公約を掲げたとしても、有権者は、肩書だけでは動かない」
 といえる。
 それよりも、
「父親が政治家で、息子がその政権地盤を受け継いだ」
 ということの方が強いのではないだろうか?
 何といっても、政権地盤を持って、今までずっとそこで活躍してきたわけだから、
「父親は自分たちのために、たくさんのことをしてくれた」
 という意識があり、そのため、
「息子も同じようにしてくれる」
 という意識があるのだ。
 やはり、いくら父親が残したことだといっても、その息子ということで、信用される。
 それが、実績というものなのかも知れない。
 さらに、大きいのは、
「息子にならできるだろう」
 と感じさせる根拠は、
「金」
 というものである。
 父親が政治家であれば、その政権地盤だけでなく、政治資金として、父親の金を当てにできると庶民は考えるだろう。
 もちろん、政治資金という公金は、勝手には使えないが、それが、
「親の金」
 という私的な金であれば、いくらでも叶えられるというものだ。
 それを考えると、
「支持者や、その団体というのは、実に強いもので、それを敵に回すわけにはいかない。何といっても、父親が築き上げ、それを自分に託してくれるのだから、政治家という世襲は、他の世界の世襲とは、やはり大きく違う」
 というものであろう。
「地方の政治家であっても、いずれは、国政に打って出る」
 という人も多いだろう。
 今の時代の政治家というのは、
「元、テレビタレントやアナウンサーと言ったような、人気が絶大で、知名度は満点という、いわゆるタレント議員」
 であるか、
「医者や弁護士などという、先生と呼ばれる肩書を持った議員」
 そして、
「政治基盤をしっかり受け継いだ、世襲議員」
 というのが、ほぼ政治家を占めているといっても過言ではないか。
 そして、この順番には、れっきとした力関係と言われる、優先順位が存在している。
 それが、後者になるほど、政治力も強いというものだ。
 確かに、今の時代に目立つというと、どうしても、
「タレント議員」
 という人たちは、結構目立っている。
 ただ、そのほとんどは、地方議員というのが多く、
「市長や、都道府県議員や知事」
 というのが、相場といってもいいだろう。
 そんなタレント議員は、いいことで目立つならいいのだが、ほとんど、失脚に繋がるようなことで、目立つようになる。
 そうなると、
「元々人気だけだった」
 ということで、転げ落ちる時は早いというものだ。
 もちろん、最初は、
「人気だけだった」
 という議員も多いことであろうが、議員になってから、自分の地道な努力で、
「立派な政治観に上り詰めていく人もいる」
 ということであるが、
 何といっても、上には、
「医者や弁護士、博士など」
 という人たちがいて、さらにその上には、
「地盤を引き継ぎ、幼少の頃より、帝王学を身に着けた人たちがいる」
 ということなのだから、そんな連中の間で揉まれることに耐えられるかどうかが問題であった。
 確かに、芸能界や、放送局などというと、のし上がっていくためには、その努力は、
「並大抵おことではない」
 といえるのだろうが、
 果たしてそれだけで、やっていける世界なのかどうかである。
 下手をすれば、海千山千の世界で、しのぎを削っている人たちに対して、挑戦するというのは、半分、命取りといってもいいかも知れない。
 それが、政治家の世界だといえるのではないだろうか。
 だから、政治家と一般庶民の温度差はひどいもので、今の国民は、
「政治家は信じられない」
 と思っている人が多いだろう。
 今の時代は、ネットの普及により、SNSなどというもので、情報に関しては、いくらでも手に入れることができる。
 その反面、手に入れられる情報が飽和状態で、その状態の中には、デマであったり、誹謗中傷などというものも多く含まれていて、それをしっかり整理できる頭を持ち合わせていないと、いくらでも、
「情報に振り回される」
 ということになりかねない。
 それを考えると、
「今の世の中において、国民も、さまようことになる」
 というものである。
 ネットの時代と言われるようになったのが、ちょうど今から、四半世紀くらい前のことであった。
 最初の頃は、
「インターネットの出現」
 であったり、それに伴っての、
「パソコンの変革」
 であったり、
「携帯電話」
 というものの普及だったりした。
「インターネットによる検索機能の充実」
 さらには、
「メール機能による、会社内においての命令系統の改革」
 というものが、社会を大いに変えたといってもいい。
 そんな時代に、そんなインターネットや、携帯電話を使った詐欺というのが表に出てきたのだ。
 いわゆる、
「サイバー詐欺」
 と言われるもので、インターネットとしては、
「コンピュータウイルス」
 なるものを送り込み、それがパソコンに入り込むことによって、
「個人情報を盗み取る」
 というものである。
「住所や氏名と言った本人を特定するもの」
 であったり、ネットの普及によって、
「ネットでの買い物が可能」
 ということになってくると、
「ネット決済」
 ができるようになった。
 ということは、
「ネットで支払うために、クレジット機能を使ったり、口座振り込みなどを使うということになるのだが、それは、ネット上に、興亜番号や名義人、さらには、パスワードまで晒すということになるのだ」
 確かに、パスワードなどは、暗号化されているので、簡単には解読できないが、しかし、盗み取ってしまえば、あとは何とかなる」
 ということである。
 これがネットでの詐欺であるが、
 この後、盗み取った個人情報を元に、個人を特定し、そこに家族構成を調べたところで、
「老人が一人暮らしをしていて、その孫も、一人暮らしをしている家族などがあった場合、しかも、老人と孫が住んでいるところが離れていて、なかなか会える環境にないということが分かっていれば、そこで、電話によっての、詐欺ということが出てくるのだ」
 というのが、いわゆる、
「オレオレ詐欺」
 と言われるものであったり、
「振り込め詐欺」
 と言われるものであった。
「ばあちゃん、俺だけど、仕事中に事故を起こして金がいる」
 などといって、老人に金を振り込ませるという手口である。
 祖父や祖母というのは、孫には弱いものだということで、
「今日中に必要」
 などと言われれば、大した確認もせずに、老人は慌てて、お金を振り込むということになるのであった。
 それが、詐欺であり、
「実に卑劣な犯行」
 ということであった。
 今の時代であれば、SNSやニュース、さらには情報番組などで、情報はあふれているのだが、いかんせん、老人ともなると、
作品名:洗脳の果てに 作家名:森本晃次