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伏線相違の連鎖

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 そんな時代だったものが、昭和が終わって十年もしないうちに。パソコンが普及し、何よりも革命だと思ったのが、昭和の頃は、主るだータイプの本体の上に、受話器のようなものがついた携帯電話だったものが、それから、手のひらサイズの携帯電話になり、今ではタブレットとして使えるスマホに進化したのだ。
「文明の利器というのは、本当にすごいものだ」
 という話になっているが、これも考え方である。
 昭和産十年から四十年代にかけて、テレビなどの普及によって、未来がどのようなものになるかという想像図も出来上がっていたが、実際の想像図で今の世の中において、できているものがどれほどあるだろう?
 交通渋滞解消のため、車が空を飛んでいる絵であったり、タイムマシンが開発されたり、ロボットが活躍していたりというのは、今から七十年くらい前から言われていたのだろう。もちろん、その時の未来の年数の設定は
「二〇××年」
 などと言って、二十一世紀のどこかという設定くらいであろうか。
 二十一世紀もまだ二十年しか経っていないので、これから先、どのような開発があるか分からないが、ロボットや、タイムマシンに関しては、
「開発は不可能だとう」
 という話もある。
「ロボット開発においては、ロボット工学三原則や、フレーム問題であったり、タイムマシンに関しては、タイムパラドックスの問題があるので、それを理論的にまず解決できない限り、この二つは開発できないし。してはいけないものなのだ」
 と言われている。
 しかも、この二つはすでに、五十年前から言われていて、ずっと引き続き研究をされているようだが、解決の糸口もないのだろう。もし理論的に解決できても、それを立証するためにどうすればいいかなど、未知数だ。つまり、理論的解決は、ただのスタートラインでしかないのだ。
 元々、夏は蒸し暑さで大嫌いだった隅田少年が、
「よく警察官なんかになれたものだ」
 と昔を思い返すと、そう思うのだった。
 一番の功績は、
「食生活の改善」
 だったのではないだろうか。
 それまで好き嫌いもたくさんあり、自分でダメだと思って諦めていたのだが、ある時友達から悪戯半分で食べさせられた苦手なものが、食べてみると意外とおいしいということが分かった。
 今から思えば、苦手だというものを子供とはいえ、食わせるのだから、もしアレルギーでもあれば、それは苛めという言葉だけで片づけられるものではない。
「アナフラキシーショックを起こしていれば」
 ということで、その子は相当まわりから言われたようで、かなり落ち込んでいたが、それでも、適当な時期に隅田が仲直りをいいに行ったので、うまく仲直りができて、その後は親友と言えるまでになった。
 これも、隅田のファインプレーであった。
 もし、最初から近寄っていけば、彼は反省をすることなく、まわりが自分のことを責める空気に押しつぶされていたか、あるいは、その空気に負けないように、却って意固地になり、さらに捻くれた道に進んでいたかも知れない。
 適度な時期という曖昧な言い方ではあるが、絶妙のタイミングだったに違いない。
「本当に、あの時のお前の判断のおかげだよ」
 と、高校生になった頃、その友達から言われた。
「俺は、子供の頃だったからという理由では済まされないかも知れないが、正直、まわりから責められているという意識はあったが、どんな悪いことをしたのかということが分かっていなかったんだ。誰もハッキリと何が悪いって言ってくれないし、たぶんあれは、大人の都合だったと思うんだ。親や先生は保護者と教育者という立場で説教しなければいけないが、何が悪いのかということを、分かるように説明できるだけの自信がなかったんだろうな。だから形式的な説教だけで、本筋を何も言ってくれない。だから、俺も大人というのは理不尽だとした思わない。だけど、お前は違った。俺に接してくれて、どうしてあの時俺が叱られるようなことをしたのかということを説明してくれた。考えてみれば、子供のことは子供が分かるんだから、子供に説明させるのが一番なんだよな。だけど、お前は大人から言われたわけではなく、自主的にきてくれた。本当に嬉しかったよ」
 とその友達が言っていた。
 それを聞いて、隅田は、
「俺も大人から言われていたら、話に行こうとは思わなかっただろうな。だけどな、たぶんだけど、あの時、大人は誰一人として俺をお前のところに行かせようなんていう考えの人は一人もいなかったさ。どちらかというと、二人を遠ざけようとしかしていなかったからな。要するに、臭い物には蓋だということだよ」
 というと、
「そうかも知れないな。それにしても、お前も大人のことをよく分かっているようじゃないか?」
 と聞かれたので、
「そうか? お前の方が分かっているような気がするけどな。ずっと大人の視線を浴び続けてきたんだろうからな」
 と隅田が言った。
「そうなんだよ。とにかく、あれから俺は問題児として見られるようになったので、集団行動の時など、先生が一番気にするのは、この俺だったんだ。あそこまでいつも監視されて見られていると嫌でも、気になるというものさ」
 と言って、友達は大きな声で笑った。
 それにつられて隅田も笑ったが、今から思えば、あの時にやつが嫌いなものを興味本位で食べさせようとはしなかったら、今の自分はなかった。
 これこそ、本当の、
「ケガの功名」
 というものだと、隅田は感じていた。
 おかげで、健康になり、身体が丈夫になることで、自分でも健康オタクのよういなっていた。歴史が好きだったこともあって、尊敬する徳川家康が健康オタクだったということも影響したのかも知れない。
 そのおかげで、実際に歴史上知られている徳川家康が実際には違っていたことが分かってくると、さらに興味を持ち始めたというのも、実におかしなことであった。

             第一の事件

 そんな夏の蒸し暑さの残る、夜も後半に差し掛かった九時過ぎのことだった。うどんを食べているところに、通報が入ってきた。
「F県警から入電中、K警察祖管内の錦町にて、男性が苦しみ出したという連絡、通報者によると、通報者の自宅で数人で食事をしていると、そのうちの一人が急に苦しみ出したということで、救急車を手配した模様。直ちに現場に急行し、被害者の搬送先を確認せよ」
 という入電だった。
「よし、それじゃあ、済まないが君、現場に急行してくれないか? 俺はここで連絡係をする。他の刑事と連絡を取って、被害者の病院を確認するから、まずは、現場に急行してくれ」
 と、桜井刑事は、隅田刑事に現場急行を命令した。
「分かりました。やはりうどんを食べていると、入電があるというのは、本当だったんですね?」
 と一口、うどんを食べてから、隅田刑事は刑事課を飛び出していった。
 桜井刑事は、まずは刑事課長に連絡を入れ、刑事課長に状況と、現場に隅田刑事を向かわせたということを連絡した。
「そうか、他の連中と確認が取れれば、後は、手分けして現場と病院に詰めることができるように。君の方で手配してくれ。そして分かったことがあったら、私に連絡を入れてくれ。私もこれから、本部に向かう」
作品名:伏線相違の連鎖 作家名:森本晃次