孤独たちの水底 探偵奇談12
金縛りのように、指先一本動かせない。これはまずいぞと感じた瞬間、闇から無数の視線が突き刺さるのを感じた。
――失われていたはずのものを、こちら側に持ち込みおった
声は無感情なのに、瑞は自分が咎められていることがわかった。自分の行いを責められているのだと。
――これまではもとより、これより先も、もはや禁忌であるぞ
――摂理を歪めることは叶わぬ、許されぬ
そう聞こえた瞬間、暗黒の幕を落とされたように視界が塗りつぶされた。
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作品名:孤独たちの水底 探偵奇談12 作家名:ひなた眞白