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di;vine+sin;fonia デヴァイン・シンフォニア

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「本当はこんなこと、したくねぇ。だが、お前は凶賊(ダリジィン)と関わっちまったんだ。……嬲り殺されるくらいなら、俺が一太刀で殺(や)ってやる。……せめてもの、慈悲、だ……」
 メイシアの全身に戦慄が走った。
 砂まみれの地面にへたり込んだまま、彼女は呆然とタオロンを見上げる。
 彼の背後に、透き通るような青い空が広がっていた。
 大きく羽根を広げた鳥が悠然と蒼天を抜けていく。大空を舞う彼らは、自らの翼で羽ばたかなければならない。その力を持たぬのなら、世界を自由に飛ぶ資格はないのだ。
 無力な自分は地に伏すしかないのだろうか――美しくも残酷な外の世界を見上げながら、メイシアの口から言葉が漏れた。
「嫌……」
 喉に張り付くような、かすれた声。蒼白な顔には、いつもの聡明な、凛とした輝きを放つメイシアの面影はなかった。それは、空から撃ち落とされた小鳥の、本能のさえずりだった。
 しかし、鋼の重さを感じさせぬ動きで、タオロンが大刀を大きく掲げる。
「や、やめ、ろ……!」
 身動き取れぬほどに傷めつけられていたルイフォンが、かすれる声を上げ、メイシアの元へ這い寄ろうとする。
「すまねぇ……」
 堅い意志をもった太い声で、タオロンが呟く。
 そして、天高く掲げたそれを……今まさに振り下ろそうとするその瞬間――。
「俺の個人的見解では、斑目の野郎がその女を手に掛けるのを邪魔すべきではないんだがな」
 低く魅惑的な声を奏でながら、その男は颯爽と路地に入ってきた。