小説が読める!投稿できる!小説家(novelist)の小説投稿コミュニティ!

二次創作小説 https://2.novelist.jp/ | 官能小説 https://r18.novelist.jp/
オンライン小説投稿サイト「novelist.jp(ノベリスト・ジェイピー)」

CROSS 第4話 『嫌な任務』

INDEX|10ページ/11ページ|

次のページ前のページ
 


「……山口。あの艦って、陸軍の最新型のモビルスーツ運用艦だよね……? データベースで見た」
佐世保がゆっくりと口を開く。
「……そうだ。あっちの戦線はひどいとは聞いていたが……、これほどひどいとはな……」
「山口さん! 他に艦影が見えませんよ。なんとか生き残った艦は、あの一隻だけでしょうよ!」
佐世保とガリアが不安そうに言う。
「この艦なんて、あっという間に撃沈されちゃうんじゃないんですか?」
「あっちの戦線は、モビルスーツ同士の戦闘がメインだ。どちらかというと対人戦がメインのウチとは違う!」
山口がはっきりそう言ったが、どこか自信が無さそうだった……。
 なにせ、今度の戦闘では、かなりの確率で地上戦にてモビルスーツを相手に戦わなければならないのだから……。

「目的地に着くまで自分の部屋でいるぞ」
 山口はボソリと言い残し、誰もが無言のブリッジを出よう
とした。エレベーターに乗り込む前に、ヘーゲルがいつも落
ち着いた口調で言った。
「山口、司令部より今度の作戦の書類が届いております」
ヘーゲルが差し出した書類を山口がやれやれという感じで受
け取った。
「それと山口少佐。『エンターP・0』のアーチャー氏が言って
 いた「黒幕」について、司令官閣下に聞いておいていただけま
 したか?」
なんと、少佐はそのことを聞き忘れていた。
「……すまない、聞き忘れた。それにそんな余裕が無くてな……」
ヘーゲルは、聞き忘れたということを聞き、顔を下に背けた
が、すぐにいつものことだという調子で、
「……わかりました、山口少佐。司令部のデータベースにアクセ
 スして調べてみます。 まだこの艦は、アクセスが可能な
 領域内にいますので」
「ありがとう、ヘーゲル大尉」
そう言ったとき、エレベーターがブリッジについた。
山口はエレベーターに乗り込み、ヘーゲルはブリッジの情報
端末を操作する場所に向かっていった。