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亨利(ヘンリー)
亨利(ヘンリー)
novelistID. 60014
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EMIRI どんなに素敵な昨日でも

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 その曲は、恵美莉がよく、颯介と歌っていた曲だった。恵美莉は、みのりのおせっかいに、思うところもあったが、戸惑いながら春樹とのデュエットに応じた。颯介とは違い、タイミングを合わせ難い気もしたが、それでも楽しんで歌うことができた。

「やっぱり二人とも上手。すごくよかったですよー」
みのりのテンションで言われて、春樹も嬉しそうに笑った。
「おう、よく息合ってたな」
小峠も声をかけた。
「彼女さんともよく歌うんですか?」
みのりがストレートな質問を放つ。

「え? 今は彼女いないよ」

(やった!)

「恵美莉! 彼女いないって。もう付き合っちゃいなさいよ」

「え? なん。何言うのよ。藪から棒に」

「そうだよ。お似合いじゃないか」

(え?)

「こいつも川崎さんのこと、気に入ってるし」

(ぇえ?)

「ちょっと何言ってんだよ。まだ俺は・・・」

(え、え?)

「よかったね。恵美莉!」

(待って、ちょっと待って、なんか違う。こんなの違う・・・・)

 カラオケの後は、飲みに行こうかという話になったけど、恵美莉は断った。もしカラオケでお酒を飲んでいたのなら、春樹との交際を承諾していたかもしれない。でも、冷静だった恵美莉は、今日の話の進展に、一旦落ち着いて考えたいと思った。