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亨利(ヘンリー)
亨利(ヘンリー)
novelistID. 60014
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EMIRI どんなに素敵な昨日でも

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 5曲目を歌い終わると、恵美莉は、みのりを連れてトイレに行った。みのりは鏡の前で念入りに化粧直し。
「道場でシャワーして、直接来たから化粧がちゃんとできてないしー」
「ふるふるでLINEはOKね」
「恵美莉と菅生君、一緒に座ればいいじゃん」
「佐々木君はどう?」
「まあまあかな。でも彼女いるらしいわ」
「そうなのか!」
「でも私、気にしないから」
「え? 大丈夫なの?」
「私も彼氏いるもん」
「お。それこそ大丈夫?」
「恵美莉の方こそどうなの?」
「春樹君、なんか気が合うのよ」
「彼女はいるか聞いた?」
「まだ、聞けてない」
「それ大事でしょ。いても気にしない方?」
「気になる」
「じゃ、今日の課題は、それを確かめることね」

 二人は部屋に戻ると、小峠先輩が熱唱中。みのりはそのリズムに拳を突き上げ、ノリよく飛び跳ねながら席に着いた。そこは、それまで小峠が座っていた場所だった。みのりはうまく、恵美莉を春樹の隣に座らせたのだ。

「ねえ、菅生さん。デュエット曲とか歌われるんですかぁ?」
みのりがねっとりとした口調で声をかけた。
「あまり歌ったことないよ」
「菅生さん、歌上手だったから、恵美莉と歌ってみてくださいよぅ」
「恵美ちゃんもすごくうまいもんね」
「え? やめてよ。あたしそんなに自信なんかないですよ」
「じゃ、恵美莉『あなたと』入れるね。菅生さん、歌ったことあります?」
みのりが強引に入力。
「絢香×コブクロの?」
「やめてってば」