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 5人は進むべき道を見失っていた。
 第4フロアと呼ばれている地下70m程に位置する階層。第1フロアから第3フロアまでの階層とは違い、ここより階下のフロアはダンジョンが広大に入り組んだ構造になっている。ガスドラゴンなどの中級レベルの魔物が出現をはじめるフロア。
 シーフを置き去ったのは第5フロア。事なく第4フロアに上がったものの、見知らぬ場所に出てしまい、そこから5人の迷走が始まってしまった。

 シーフを失った後に戦士がリーダーの役を引き継いだ。血の気が多く、女にだらしはないものの、バトルでは冷静沈着な新しいリーダーは足を休めることなく前進する事を選んだ。

 現在5人が進んでいるこの通路は、幅も天井までの距離も5m程の正方形に近いもの。少し前から直線的な一本道がはじまり、すでに数百メートルは進んで来たであろうか。やがて行き着いた先には大きな闇の空間が現れて、静かにパーティーを迎え入れるように待ち受けていた。
 5人は大きな闇の入り口まで来ると立ち止まり、横1列に並び、

 戦士「どうだ? 見えるか

 各々闇の先を見透かしてみるが、眼の利く侍でさえ首を横にふった。
 僧侶は光魔法を唱え始める。掌の上に光球が生まれると、目の前に広がる闇の中へ飛び込んでいく。なおも続けて光球を闇の中に次々と放っていった。
 高さ7m程の天井の近くの空中に浮遊する光球。最後の光球が闇に飛び込み、約50m四方のフィールドを照らしだして見せた。
 6つの光魔法でも全体を浮かび上がらせることが出来ない程に広い空間が5人の前には広がっている。地下ダンジョンでは珍しく広いフィールドであった。
 不気味に広い空間を前にして新入り2人の胸に不安が生まれているのだが、お構いなしに戦士は言う。

 戦士「直進する
 僧侶「壁に沿って進むべきではないのか

慎重な僧侶はフィールドの中央に向かって無造作に足を踏み入れようとした戦士に対して、すぐさま異を唱える言葉を浴びせた。
 直進すれば最短距離ではあるのだろうが、モンスターに出会う確率が上がる。壁沿いであれば時間は掛かるが、バトルをやり過ごせる可能性がある。

 戦士「そんな余裕はない
 僧侶「3人で囲まれれば持ち応えられん
 戦士「どうだ?
 侍 「まわり道は好かぬ

 3人というのは聖騎士と魔法使を数に入れないパーティの数。僧侶は若い2人を戦力としては考えていない。戦士はまどろっこしい行動を嫌う侍に意見を求めて3人の多数決に答えは出た。
 侍は薙刀を下段に構えつつ、先陣を切って不気味なフロアに進み出る。