小説が読める!投稿できる!小説家(novelist)の小説投稿コミュニティ!

二次創作小説 https://2.novelist.jp/ | 官能小説 https://r18.novelist.jp/
オンライン小説投稿サイト「novelist.jp(ノベリスト・ジェイピー)」

CROSS 第5話 『忘れてはならぬ戦い』

INDEX|10ページ/16ページ|

次のページ前のページ
 

第5章 学校へ撃とう!



 学校の割れた窓から、顔が少しだけそっと飛び出す。

「あそこにいる帝国兵どもの様子はどうだ?」
「何か話し合っているようですが」
学校に立て篭もっている敵兵たちは教室で話をしていた。民間人は、教室の真ん中で身を屈めていた。
「まぁ、こっちには民間人がいるから手出しできないだろう」
「人質にしているみたいで気が重いです」
「なーに、通り過ぎてくれるまでのことだ」

「……隊長……?」
 窓の外を見ていた敵兵が、隊長に呼びかけた。その声は震えていた……。
「どうした?」
隊長も窓の外を見た。隊長は窓の外を見た途端、驚愕した。
「……まさか……あいつら……」
「どうしたんですか?」
他の敵兵たちも、何事かと窓のほうにやってきたが、
「逃げろ!!!」
隊長は大声を張り上げた。だが、隊長の突然の大声に、教室にいた敵兵と民間人はただ立ちつくすだけだった。

   ボゥン!!!

 何かが打ち上げられる音がした。教室にいた全員が音がしたほうへ一斉に向く。
 すると窓の外から何かが飛びこんできた。それは、教室の黒板に直撃する……。

 次の瞬間、教室は火の海と化した。教室にいた全員が、悲鳴をあげる間もなく、炭のオブジェと化した……。



 山口たちは物陰に隠れながら、炎が盛大に吹き出ている学校を眺めていた……。
「この『ウラングレネード弾』というのは、すごい威力だな……。こっちまで怖くなる」
山口は手のひらに、その『ウラングレネード弾』と呼ばれるグレネード弾を乗せていた。そのグレネード弾には放射能を示すマークが刻まれていた……。このウラングレネード弾は、手榴弾としても使えるようになっている。
「元々は戦車の砲弾だったらしいですしね」
ガリアはグレネードランチャーを背中に背負い直しながら言った。そのグレネードランチャーで、ウラングレネード弾を撃ったのだった。

「これぐらいにして、前進するぞ!」
「了解!」
まだ殺気だっている兵士たちは、燃え続けている学校の横を前進していく。炎は、兵士たちをただ静かに照らし続けていた……。

 山口たちの目的地は、町の中央にある広場だった。他の部隊の目的地もその広場で、そこで合流するという作戦だった。道中、何度か敵兵と遭遇したが、どれも2、3人という小規模なもので、山口たちに被害が出るようなことは無かった。