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愛憎渦巻く世界にて

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 地下への螺旋階段を降りた4人は、螺旋階段のすぐ近くで話すことにした。すぐ近くには、まだ気絶している近衛兵がいた……。

 シャルルはウィリアムに、マリアンヌを自由の身にするということを説明した。
「姫を自由にする? この城から逃したって、外は危険なんだぞ!」
シャルルの説明を聞いたウィリアムは、即座に反論した。彼もメアリーも、シャルルをあきれた表情で見ていた。彼らを説得するのは大変そうだと、シャルルは思った。シャルルの後ろには、マリアンヌがおり、3人の話し合いを静かに見守っていた。
「今が戦時中であることぐらい、わかってるよ」
「マリアンヌ姫とゴーリ王国の姫の生死を巡っての戦争だぞ。ゴーリ王国の連中にもそう説明するつもりか? まあ、口を開く前に殺されるだろうが」
「寝泊りする場所は? 長い宿屋暮らしなんて怪しまれるし、お金もかかるから無理よ!」
「戦争でぼくの村のように廃墟になった場所がたくさんあるから、姫といっしょにそこに隠れている」
「それでは、地下室暮らしと同じではないのか?」
「違う!」
「どこが違うというのだ? 現実から目を背けて、閉じこもっている点は同じではないか!」
「いっしょにこの戦争をやめさせるんじゃなかったの?」
「…………」
ウィリアムとメアリーの強烈な反論に、シャルルは黙るしかなかった……。
「あの、シャルル様。もういいです」
見かねたマリアンヌがそう言った。
「シャルル様に迷惑がかかるし、地下室暮らしを頑張りますので」
マリアンヌがそう言葉を続ける。しっかりとした口調だったが、その声に元気は無かった……。
「でも……」
シャルルはそう言ったが、
「楽しいひとときを、ありがとうございました!」
マリアンヌはそう言うと、地下通路を走り出し、自分がいた地下室に向かった。すぐに、シャルルが後を追う。ウィリアムとメアリーは、2人を見送るしかなかった。

「どうします?」
メアリーがウィリアムに言う。
「放っておくわけにはいかないだろう」
ウィリアムはやれやれとした口調でそう言った。
 そして、ウィリアムとメアリーは、シャルルとマリアンヌを追うことにした。

作品名:愛憎渦巻く世界にて 作家名:やまさん