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CROSS 第10話 『駆け引き』

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   タタタタタタタタタターーーー−ン!!!!!!

 そのとき、広場のあちこちから自動小銃の音がした。その銃声が聞こえた瞬間、山口と佐世保と隊員は身を伏せたが、何が起こっているのか理解できなかった工兵3人と衛生兵1人とワンテンポ伏せるのが遅れた隊員一人が撃ち殺された……。銃声が止むと、山口たちは一斉に近くの物陰に隠れた。
 さっき叫んだ工兵も伏せずに突っ立っていたが、無事だった。しかし呆然と、たった今できた仲間の死体を見ていた……。

「フッフッフ」

 その不気味な笑い声は、広場の高台のところから聞こえてきた……。その高台を見てみると、黒い服を着て右手に長い棒のような物を持ったデブが一人いた。顔も声と同じぐらい不気味だった……。かつて「公使」と呼ばれている奴だ。
 どう見ても味方ではなく、山口は自動小銃『SG553』をその公使に向けて発砲した。しかし、銃弾は全て、公使の周囲にあるシールドに跳ね返された。そこで山口は、急いでマガジンに魔力を込めて、魔弾を撃った。だが、それも跳ね返された……。
「クソ! 物理攻撃しか無理そうだな」
「だけど、あの高台まで行くのは無理そうですよ」
よく見ると、高台に続く通路は崩れ去っていた。下から昇るのも無理そうだった。
「フッフッフ」
公使はまた不気味な笑い声を上げると、右手の長い棒を上に向ける。合図を送っているようだ。

 すると、広場の両端の少し高い位置に、帝国連邦の兵士の姿をしたのが立ち上がっていく。両手には自動小銃(大日本帝国連邦軍制式自動小銃)があった。彼らはソウルを失った「元帝国連邦兵」だった……。その元帝国連邦兵は、合計20体ぐらいいた。
「もう嫌だーーー!!!」
生き残った工兵が、さっき自分たちが通ってきた通路へ戻ろうと走っていった。
 しかし、公使が左手をサッと上げると、その通路の入口の鉄製の門が一気に下へ降りた。その鉄製の門に、逃げようとした工兵が思いきり挟まれ、上半身と下半身とで切断された……。
 そして次の瞬間には、元帝国連邦兵による銃撃が開始された。ゾンビのような状態のためか、少し能力が劣っていた。それでも両端からの激しい銃弾に、さすがのCROSS隊員もどんどん倒れていった。気づけば、山口と佐世保しか生き残っていなかった。
 山口は慎重に1体ずつ撃破し、佐世保は接近線に持ち込んで撃破していった。公使は黙ってそれを見ていたが、最後の元帝国連邦兵が撃破されると、また右手の長い棒を上に向ける。