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悪魔の微笑みの男

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 などということであれば、本人にとっては、その問題は、切実な問題ということになるだろう。
 だから、
「少しでも事件性がなければ、警察は動かない」
 ということであり、それがいわゆる、
「事件が起こってからでないと、警察は動いてくれない」
 ということになるのだ。
 それは、
「今も昔も変わりない」
 ということで、
「さすが、公務員」
 と言われるゆえんなのだろう。
 だから、
「警察に通報しても、何もしてくれない」
 ということになり、結果、
「ストーカー殺人」
 というものが起こって、
「警察は何をしていたんだ」
 ということで、
「警察が記者会見を開き、署長など幹部が、深々と頭を下げる」
 などという場面を、テレビで、何度見てきたことであろう。
 それを思えば、
「警察も成長しないな」
 と、誰もが最後は諦め気分になってしまい、
「人のうわさの七十五日」
 ということで忘れされられて終わるということになるのだ。
 実は、その被害を、
「姉が受けていた」
 というのだった。
 姉の方は、すでに、
「自分に妹がいる」
 ということは知っていた。
 それは、育ての親が、中学卒業とともに、打ち明けたということからであった。
 姉の方も少なからずのショックを受けていたようだが、それでも、
「今までの苦労から比べれば、それくらいの事実、別にどうってことはない」
 と思っていた。
 実際に、
「貧困家族に育てられた」
 といってもいい。
 確かに、桜井家から、生活に困らないだけの、お金はもらっていた」
 ということであったが、預けられた召使のような家族の方も、精神的に、少し欠落したところがあり、その精神面の弱さから、父親は、
「ギャンブルに走った」
 ということで、せっかくの、
「十分とも思えるお金」
 というものを、すっかりギャンブルにつぎ込んでしまったということであった。
 この男も、結構気が弱い男ということで、本来であれば、
「金銭的に助かった」
 と思えばいいものを、どうしても、
「その代償に、子供を押し付けられた」
 という気持ちがあったのだろう。
「金も稼げない甲斐性なし」
 ということであるくせに、
「プライドは高い」
 という、いわゆる、
「ややこしい性格」
 ということであった。
 だから、この父親は、気の弱さというものが、ジレンマに打ち勝つことができず、ギャンブルに走ってしまったのだった。
「これくらいなら」
 ということで、最初はちょっとずつつぎ込む程度だったが、
「塵も積もれば山となる」
 というわけで、気が付けば、かなりの額を使い込んでいた。
 さすがに、
「バレるとヤバい」
 と思ったことで、
「さらに高額を狙う」
 ということで、一攫千金というものを狙うことになってしまったのであった。
 結局、その一発で、すべてが奥さんにバレてしまい、家族に溝ができてしまったのだ。
 その時、
「娘には本当のことを知ってもらっておいていいのではないか?」
 ということであった。
 その気持ちは、
「娘のため」
 というわけでもなんでもない。
「家族が壊れた時、お前は本当の娘ではない」
 ということで、
「喧嘩の免罪符に使おう」
 という考えだったのだ。
 確かに、
「育ててくれたことは感謝すべきなのだろうが、それも、元は金のため。十分な報酬をもらっているにも関わらず、それをギャンブルにつぎ込んで、家庭を壊すという最悪の状態を導いてしまった」
 ということで、許されることではないだろう。
 それを思えば、姉もすでに、
「家庭を見限っていた」
 ということと、さらに、
「最近、私にストーカーがいるようだ」
 ということから、
「とても、この家にはいられない」
 と思ったのだ。
 となると、頼るところは妹のところしかない。
「家庭の問題か、それともストーカー問題か」
 どちらかであれば、そこまでは考えなかったかも知れないが、
「ここまでくれば、もうどうしようもない」
 といってもいいに違いない。
 だから、姉は妹を頼るという選択をしたのだった。
 もちろん、彼女も、
「グレる」
 という行動に走ったりもした。
 しかし、
「これも、問題が、家庭問題だけであれば、ぐれていたかも知れない」
 と思った。
 しかし、
「ストーカー問題」
 ということであれば、
「グレて解決になるか?」
 と考えたのだ。
 だから、何とか姉に連絡を取ろうと考えるようになり、その頃から、
「自分が妹のストーカー」
 のようになったのだった。
 とはいえ、
「自分としては、背に腹は代えられない」
 ということで、猪突猛進しかなかった。
 相手が不安に思っているかどうかなど、まったく頭にはなかったのだ。
 それこそ、
「罪の意識など何もない」
 というストーカーと同じではないか。
 そう考えると、
「今の自分だったら、ストーカーの気持ちもわかるかも知れない」
 というような、矛盾した考えが頭に浮かんでくるということだったのだ。
 実際に、ストーカー行為というのは、
「自分で制御できるものではない」
 という話を聞いた。
 なるほど、
「自分で制御できるのであれば、犯罪にまで結びつくことはない」
 と言えるだろう。
 中には、
「最初の頃であれば、制御できたかも知れないが、自分がストーカーだということを自覚してからでは、制御ができなくなった」
 ということから、
「犯罪に走ってしまった」
 ということになるのだろう。
 ただ、それも、
「人による」
 ということかも知れない。
 ただ、この、人によるという考えも、
「ストーカーに走る人間」
 ということでなければ、
「制止できないほどに、精神的に追い詰められることはないだろう」
 ともいえる。
 無意識のうちは、きっと、
「まだまだ何とかなる」
 という意識から、自分を正当化させるために、わざと、
「無意識でいる」
 という状態を作り出し、それをあたかも、
「正当性のある考え方」
 ということで、敢えて、
「無意識を装う」
 ということで、免罪符というものを持っていると言えるのではないだろうか?
 ただ、
「姉が妹見つめるその目」
 というのは、さすがにそこまでのことはなく、
「無意識だ」
 というよりも、
「姉妹だから」
 という方が強いことで、
「それを免罪符として使う」
 ということになったのだろう。
 そんな妹を頼る思いで、妹のことを見ていた。
 それは、
「彼女を監視している人たち」
 には、最初は、警戒心を与えるということになったのだが、当然、監視している方としても、
「それなりの、捜査力というものがあることで、その人が、姉である」
 ということが分かったのだ。
 そして、
「危険性はない」
 と判断したのだが、その時はまだ、姉の存在を知らなかった道子だったので、二人の距離感に関しては、大いに気になるところであった。
 確かに、
「二人の距離感」
 というものは、
「近くもなく遠くもない」
 という微妙ではあったが、決して危険なものではない。
 それを見ていると、監視している方も、
「これが、いわゆる姉妹の距離というものなのかも知れないな」
作品名:悪魔の微笑みの男 作家名:森本晃次