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夢のあれこれ

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「働こうかしら」
 とは言ってくれない。
 きっと旦那とすれば、つかさの本当の気持ちというのは分かっていなかったのだろう。だから、
「何も言わないのは、私のことを理解してくれているから」
 と思っていたのだ。
 逆に旦那の方としても、
「つかさは、自分から言ってくれる」
 と思っていた。
「ここが、お互いの気持ちのすれ違いだった」
 ということになるのだろう。
 つまりは、
「ずっと気持ちがすれ違っていた」
 ということで、その理由の一つに、
「あまりにも相手に依存する気持ちが強かった」
 といえるだろう。
「あいつなら俺の気持ちを分かってくれる」
「あの人だったら、何も言わなくても分かってくれる」
 という感じである。
 それが、依存によるものということを少しでも分かっていれば、もう少し何とかなったかも知れない。
 結局、奥さんの方とすれば、
「いずれ子供ができると、働くことができなくなる」
 という思いからだった。
 だが、旦那の方とすれば、
「そんなもの、保育園か、託児所に預ければなんとでもなるじゃないか」
 という考えだったようで、実際に奥さんとすれば、
「託児所も、保育園も信用できない」
 というところがどうしてもあった。
 ニュースなどを見ていると、そりゃあ、不安にもなるというもので、
「保育園も託児所も、いつも問題を起こしている」
 というイメージが強かった。
 ちょうど、二人が結婚する前くらいから、毎日のように、全国どこかで、
「保育園や託児所が問題を起こしている」
 ということで、ワイドショーが取り上げていた。
 ワイドショーとしても、実際には、
「かなり盛った報道があった」
 ということもあるかも知れないが、実際に毎日のように何かがあるというのは、
「話題を盛ろうが盛るまいが、何かが狂っているから、こんな問題になる」
 ということで、母親とすれば、
「誰がそんなところに子供を預けられるというのか」
 というものであった。
 だが、旦那としては、
「ニュースとしては確かに聞くが、それは、一部のところであって、自分たちの近辺ではそんなに怒らない」
 と感じていただろう。
 実際に、
「自分たちのまわりで、保育園や託児所に問題があったというのを聞かない」
 ということからであった。
 ただ。それは、旦那が直接的に、保育園や託児所に関わっていないからだということになるのだろう。これに関しては、確かにつかさも、
「自分のまわりでは今のところ、変なウワサは聞いていない」
 ということであった。
 そういう意味では、まだまだつかさも、
「考えが甘かった」
 といえるのではないだろうか。
 そういえば、数年前に起こった、
「世界的なパンデミック」
 というものがあり、ひどい時には、
「今日の新規感染者が、県内で数万人」
 などというとんでもない時があった。
「一日の新規感染者数が数万人ということは、もし、一万人だったとしても、一週間で七万人ということになる」
 ということを考えると、
「会社も学校も、どこも閉鎖になっていてもいいはずだ」
 ということになるだろう。
 しかも、
「今までにない伝染病」
 ということで、世界でも、
「どう対応すればいいのか分からない」
 という手探り状態だった。
 だから、
「感染者が一人でも出れば、十日くらいは、少なくとも臨時休業にする」
 という状態だったはずだ。
 それなのに、確かに、臨時休業をする店は結構あったが、かといって、
「ロックダウン」
 というほど、店がほとんど閉まっていて、街がゴーストタウンのようになっているということはなかったものだ。
 実際に、二人の会社でも、
「そういえば、これだけ伝染病が流行っているのに、個人的に、自分のまわりに感染者がいるという話はあまり聞こえてこない」
 ということであった。
 つまりは、
「本当に、世間で公表しているほどの感染者がいるのか?」
 と疑いたくなるというものである。
 確かに。それを感じている人は結構いたようで、
「自治体の発表は、何か彼らの都合によるものではないか?」
 と疑いたくなってくるほどで、
「そんなに感染者が増えたことにすれば、何かメリットでもあるのだろうか?」
 とさえ考えていた。
 そういう意味で、
「問題となっている託児所や保育園の問題」
 というのも、
「本当にニュースになっているほどあるのだろうか?」
 とも思えるのであった。
 旦那の方では、次第にその疑いが大きくなり、
「マスゴミは信じられない」
 という前から感じていた思いが確定的になる一つの材料になっていた。
 つかさの方とすれば、
「そんなに簡単には、割り切れない」
 ということで、
「無視できない存在」
 ということであった。
 このあたりで、すでに、頭の中で亀裂が生じていたといってもいいだろう。

                 つかさの不倫

 それが、まだ結婚前だったということで、お互いに、疑問に思っていることを、わざわざ話題にすることはない。
 もし、何かを感じていたとしても、
「それは、結婚してから二人で話し合えばいい」
 というだけのことで、何も
「結婚前に、わだかまりを引き起こすことはない」
 と思っていた。
 なんといっても、
「結婚はゴールだ」
 という感覚があったからで、本来は、
「スタートラインだ」
 ということをまったく分かっていないわけではなかったが、割り切ってしまうと、お互いの考えの違いというものが、それ違いを起こし、結局、
「わがままになってしまう」
 ということが分からないということになるだろう。
 それを思えば、
「本当は、結婚前にいろいろ話をして、わだかまりをなくす必要があった」
 と言えるのだ。
 しかし、二人はそれをしなかったというのは、
「お互いに、相手を信じていた」
 ということからなのか、それとも、
「結婚前にわだかまりを起こし、結婚が取りやめになる」
 ということを恐れてのことなのかと考えてしまう。
 もちろん、わだかまりが起こった時は、
「お互いに信じていた」
 ということを、主張する。
 そうでないと、そもそもの、
「結婚の意義」
 というものが、最初から間違っていたといえるからかも知れないからだ。
「結婚は人生の墓場だ」
 と言われるが、それこそ、
「自分たちには関係ない」
 という、まったくの他人事だったのだ。
 結婚してから、最初の頃は、
「新婚期間を楽しもう」
 という考えであった。
 提案したのは、旦那の方で、つかさもその思いには賛成だった。
「もし、その気持ちがなければ、成田離婚していたかも知れないな」
 と、後になってから、そう感じたのは、つかさの方だった。
 結婚してから、一年くらいは、新婚気分で、
「楽しい毎日」
 というのを送っていた。
 二人とも、新婚生活に対して感じていた思いというものを、お互いに、謳歌していたといってもいい。
 その間に、
「相手に対して、敬意を表する」
 ということを忘れていなかったことが、大きいかも知れない。
 この時は、
「親しき仲にも礼儀あり」
 という感覚が、意識しなくても備わっていたようだ。
作品名:夢のあれこれ 作家名:森本晃次