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夢のあれこれ

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 しかし、それが当たり前の時代ということになると、単位は、
「個人」
 ということになる。
 すると、
「個人では、結婚相手がどういう人なのか?」
 ということが分からずに結婚する。
 昔でもそうだったのだろうが、実際には、
「家と家のつながり」
 というものがあったことから、少々、思っていたことと違っていたとしても、
「辛抱しなければいけない」
 という考えがあることから、いい悪いは別にして、辛抱することで、
「結婚という体裁」
 は、うまくいくということになる。
 だが、これが、
「自由」
 というものを前面に出してくると、今度は、
「辛抱というものはしない」
 ということになる。
 だから、
「離婚というものもやむなし」
 といえるだろう。
 最初のころは、それでも、
「戸籍に傷がつく」
 ということであったり、
「出戻りは恥ずかしい」
 ということで、
「実家に帰れば、隔離状態」
 ということにならないとも限らないということであった。
 だが、それも、
「自分たちだけではなく、それが、風潮ということになれば、皆そうだったら、自分たちが恥ずかしいという感覚はなくなる」
 ということで、
「離婚が爆発的に増えてくる」
 ということになるのだ。
 確かに、
「辛抱を重ねるのも限度がある」
 とはいうものの、
「少し頑張ればなんとかなる」
 というものを、目先のことだけを考えて、
「ダメだと思えば、次の新しい人を探せばいい」
 ということになり、
「やり直しはいくらでも利く」
 ということである。
 確かにそうなのだが、
「辛抱するということをしないということは、精神的に弱体化している」
 ということであり、それを
「自由という言葉の名の下で」
 ということになると、
「自由の精神がはき違えられる」
 ということで、実際に、
「平等を犠牲にする自由」
 というものと、
「違う自由」
 というものの存在が出てくるということになるのではないだろうか?
 ただ、辛抱する人は結構辛抱するようで、実際に、辛抱できなくなったという人も、本当は、
「必死になって辛抱したけど、もう結界を超えてしまった」
 ということで、そうなると、あとは、一気に糸が切れるということになるのであろう。
 交通事故の加害者である松本つかさは、その時、急いでいたわけではなかったのだが、明らかに、スピードは出していた。
 なんといっても、
「車で轢いて、殺害した」
 ということなので、
「制限速度で走っていた」
 などとはいえるわけもない。
 ただ、それがどれほどのスピードだったのかということであるが、運転していたつかさには、スピードの意識などはなかった。
 運転しながら、意識がマヒしていたといってもいい。
「チンタラ走るくらいなら、車の運転などしていない」
 というくらいの心境で、実際には、
「何も運転したいからしていたわけでも、しなければいけなかったから運転していたわけでもない」
 ということで、しいていえば、
「むしゃくしゃするから運転していた」
 ということだ。
 実は、その時、付き合っていた男と喧嘩になり、いらだっていた。その付き合っていた男というのは、結構な男で、
「怒ると、女だろうがすぐに手が出る」
 という、いわゆる、
「DV男」
 だったのだ。
 だからといって、
「男がすべて悪い」
 というわけではない。
 なぜなら、つかさは結婚していたからである。
 本人とすれば、
「もう、愛情のかけらもなく、別れるだけ」
 ということであった。
 といっても、まだ婚姻している以上、不倫をしていたことに変わりはない。
 松本夫婦は、最初から、
「仮面夫婦のようだ」
 とまわりから言われていたようだ。
 そもそも、結婚するまでは、付き合いも長く、それなりに恋愛を謳歌していたようだ。
 しかし、結婚してしまうと、お互いに豹変したようで、それこそ、
「長すぎた春」
 ということだったようだ。
 夫婦は、社内恋愛だったようで、最初から、まわりにはばかることはなかった。
「普通なら、隠そうとするのに」
 と皆言っているようだが、どちらかが隠そうとするというのが普通なのだろうが、実際には、
「二人とも、憚ることはなかった」
 ということであった。
 だから、
「最初こそ、目立っていて、幸せそうな様子に、皆応援していると言ったりして、もてはやしていたけど、そのうちに、誰も気にしなくなった」
 ということであった。
 幸せそうな様子というのは、最初こそ、皆がちやほやしてくれるというものだが、それも、
「話題として目立っている時だけ」
 ということで、次第に、それが面倒くさくなってくると、二つに分かれてしまう。
「面倒くさい」
 と思い、無視する人。
 そして、その仲睦まじさが鼻につく理由が、元々あった嫉妬に火がついてしまったということが分かる人。
 ということである。
 要するに、
「時間が経ちすぎると、いくら新鮮な話題であっても、次第に腐ってくる」
 ということになるのだ。
 しかも、
「自分にメリットのない」
 ということをいつまでも、話題として引っ張るほど、皆お人よしではないというわけだ。
 二人が付き合っていることで、自分たちも、誰か異性を紹介してくれるかも知れないというメリットを狙っている人だっているだろう。
 実際に、そういうメリットでもなければ、そういう話題は、次第に鼻についてくる。なんといっても、若い人がいれば、どんどんそういう話題は出てくるわけで、鼻につくものがただ増えてくるのであれば、古いものから、抹消していくしかないということである。
 それを本人たちが分かっていればいいのだが、分かっていないからこそ、いまだに話題を自分たちに向けようとする。
 これほど、鬱陶しいものはないということで、結婚した時も、
「やっと結婚したか」
 というだけで、実際には皆冷めた気持ちでいたものだ。
 だから、盛大な結婚式をしようと思っていたのに、実際に、招待客で来てくれた人は少なかった。その時になって自分たちがどれほど甘かったのかということが分かったというものであった。
 次第に、
「恋愛期間の感覚が薄れてきた」
 といってもいい。
「本当に好きだったんだろうか?」
 と思いたくなるほど、後から思えば、お互いに、
「すれ違っていたのかも知れない」
 とさえ思うくらいであった。
「結婚がゴールのような気がする」
 と思うようになった。
 それだけ、
「長すぎた春だった」
 ということである。
 お互いに結婚すると、考えかたが違うことに気がつぃた。
「私は、専業主婦になりたい」
 と、つかさは思っていた。
 だが、旦那とすれば、
「今の共稼ぎが当たり前の時代。当然、共稼ぎだよな。今までだって一緒に会社で働いていたんだし」
 と思っていた。
 もちろん、
「寿退社をしたのだから、今のままというわけではなく、どこかでパートでもいいんだ」
 と思っていた。
 だから、
「お願いすればやってくれるだろう」
 と思っていたし、実際には、
「お願いする必要すらないだろう」
 というくらいであった。
 だが、実際には、なかなか自分から、
作品名:夢のあれこれ 作家名:森本晃次