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夢のあれこれ

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 ということで、このような体制になったというのも、
「常連さんとの話の中で決まった」
 ということであった。
 実際には、
「ママさんが、昼間の喫茶店を賄っていて、夜になると、旦那がバーテンをしながら、女の子が一人入る」
 という感じであった。
 その女の子も、3人いるようで、3人で回しているのだった。
 その店の常連さんということで、つかさは、大体の人を知っていて、気さくな皆は、珍しい女性の常連であるつかさを、まるで、
「姫」
 として奉っているようであった。
 だから、
「この店にいることで、精神的に余裕がもてるということなのか?」
 あるいは、
「精神的に余裕があるから、まわりも、奉ってくれているのか?」
 ということで、考えたこともあったが、
「結局は、その両方なのかも知れない」
 と感じるようになった。
 ただ、その状況が少し変わってきたのは、ある時一人の男性が、
「一見さん」
 ということで入ってきたことだった。
 その男が来たときは、最悪だった。
「バーの時間」
 に入ってきたのだが、時間的には、バータイムになってからすぐくらいだったので、まだ他に客は来ていない時間だった。
 近くの店の店長さんというのが、常連のほとんどということで、
「店が終わってから、その日のまとめまで行い、明日の開店準備もある程度までしておかないと、出てこれないからな」
 ということで、
「常連さんが集まってくる時間というと、午後九時過ぎくらいというのが、ほとんどではないだろうか」
 ということであった。
 だから、
「夕方の喫茶タイムからきているつかさが、バーの部の常連さんと顔を合わせる時間というのは、長くても、二時間」
 と言ったところであろうか。
 その日は、表が賑やかに感じられるくらいだったことから、時間的には、
「帰宅ラッシュには十分な時間」
 といってもいいだろう。
 横丁とはいえ、
「駅から住宅街に向かう道」
 ということで、
「結構人通りも多かったりする」
 というのであった。
 その男は、完全にくたびれていて、入ってくるなり、
「ひっくり返しそうな勢いだった」
 といってもいいだろう。
「すでにどこかで飲んできたのではないか?」
 と感じされるほどで、実際には、
「酔っているわけではない」
 と感じられたが、カウンターに倒れこむように座った時に、その男性と目が合ったが、思わず、
「目をそらしそうになった」
 と思うくらいに、眼光が鋭い感じがしたのだ。
 だが、こっちが目をそらすかどうかの瞬間に、相手も目をそらした。
 おかげで、目をそらすタイミングを失ってしまい、結局、目線がその男にくぎ付けになってしまったままだったのだ。
 だから、つかさは、
「気まずいわ」
 と感じてしまった。
 だが、気まずいといって、ここで帰ってしまうと、今度は、この店に入れなくなるような気がして、それは嫌だった。
 なんといっても、
「こんなわけのわからない男のために、何で私はそんな目に遭わなければいけないのか?」
 と思うと、正直、いら立ちが生まれてくるのであった。
 それと、
「なんで、この男、こんなに崩れているのかしら?」
 という興味もあった。
 今まで、いろいろな男を見てきたが、
「こんなに崩れた男は初めて見た」
 ということと。
「場末のバーにはいそうな雰囲気」
 ということで、実際に、
「似合っていると感じる男」
 というものに対して、せっかく興味を持ったのだから、
「このまま帰るというのは、もったいない」
 と感じたのだった。
 男は、何も余計なことを言わなかった。メニューを見て、カクテルを注文しただけで、カウンターに前のめりになり、
「今にも寝てしまいそうだ」
 という雰囲気を醸し出した状態で。顔を伏せていた。
「本当に、これで酔っぱらっていないのかしら?」
 と思ったが、実際に、酒を飲んでいるわけではなかった。
 マスターがカクテルを作り、男に渡すと、男は、一気に酒を口に含んでそれを飲み干すと、
「おかわり」
 とさらに、所望したのだ。
「駆けつけ三杯」
 とは言われるが、まさにその通りで、なんと、その三杯を飲み干すと、それまでのくたびれた雰囲気が解消されたかのように、
「シャキッとした」
 というのであった。
 そういえば、
「本当の呑兵衛というのは、アルコールが進めば、それまで手が震えていても、急に震えが止まったりする」
 ということであった。
 それも、震えが止まるというのは、
「集中力を出さなければいけない時、酒の力で震えを止める」
 という話が、まるで、都市伝説であるかのように言われているという話を聞いたことがあったからだ。
 そういう人が、
「職人肌」
 と呼ばれる人だということになるだろう。
 その男は、きているものはスーツで、
「すべてにおいてくたびれている」
 と思えるほどに、洋服がよれよれだったということである。
 そんな様子を見ると、
「この人、何か自暴自棄になっているんじゃないかしら?」
 と思った。
 相手が男ということで、その男の姿にかぶって感じられたのが、
「旦那」
 だったのだ。
 かつての不倫相手であるスーパーの店長には、その思いは感じられない。
 どちらかというと、
「真剣みは一切感じられないような、まるで、その時良ければそれでいい」
 というような、
「いい加減な男だった」
 ということだ。
「そんな男を好きになったということが、自分にとっても、人生の汚点だ」
 とつかさは思っていた。
 だから、そんないい加減な男が、自暴自棄になったり、
「何を真剣に悩んだり」
 ということなどあり得るわけはないと感じるのであった。
 だから、
「あの男とはまったく違う」
 という雰囲気を持っている男が、目の前にいるというだけでも新鮮な気がする。
「この男、気になる」
 という気持ち、自分でもわかる気がする。
 相手もその時、
「私のことを気にしているんだわ」
 ということを感じられたというものだった。
 その男の服装と様子を見ていると、そのギャップには驚かされたが、なんとなくわかった気がした。
「基本的には肉体労働が多いんだろうけど、今は失業中で、就活のために、着慣れないスーツときて出かけてきたということなのではないだろうか?」
 ということであった。
「昼、一生懸命に仕事を探し、疲れ果てて崩れるように、この店に来たのではあるまいか?」
 そんなことを考えていると、こちらも悲しくなってきた。
「今までの自分が贅沢だった」
 と思うべきところなのだろうが、その男を見ていると、逆に、
「今の自分もみじめなのではないか?」
 と感じたのだ。
 それは、たぶんであるが、
「この男に感情移入しすぎたのではないか?」
 と感じた。
 確かにつかさは、
「感情移入しやすいタイプ」」
 ということで、今までにそのために損をしてきたこともあるし、その感情を表に出すことで、まわりの友達から、引かれることもあったのだ。。
「そこまで相手に感情移入しなくても」
 ということで、きっとまわりは、つかさが、、
作品名:夢のあれこれ 作家名:森本晃次