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限りなく事件性のある

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 というものがあってから、世界の情勢に比べて
「明らかに違っている」
 といってもいい。
 実際に、
「失われた30年」
 と言われてきた。
 というのは、
「海外などは、バブルが崩壊してからの経済で、水準が少しずつではあるが上がってきている」
 と言われている。
 しかし、日本の場合は、
「給料は上がっていないのに、物価だけが上がる」
 ということで、実質、
「マイナス成長だ」
 ということである。
 ただ。これも、日本の会社というものが、
「内部留保」
 というものを抱えているからだといえる。
「内部留保」
 というのは、
「利益が出ても、すべてを、給料などで、社員に還元することをせずに、会社の利益として、貯えておく」
 という考えかたである。
「会社は卑怯だ」
 といえるかも知れないが、これに対しても、
「メリットもあれば、デメリットもある」
 ということである。
 デメリットというのは、確かに表に出ているということで、
「給料が上がらない」
 ということである。
 ただ、この内部留保というのは、逆にいえば、
「メリット」
 ということで、
「もし、社会が不安になれば、この内部留保があることで、リストラを最小限にできる」
 という考え方である。
「内部留保がなければ、即リストラ敢行」
 ということになり、完全に、バブル崩壊の二の舞ということになる。
 しかし、
「あの時の教訓を生かして」
 ということで、
「内部留保を会社で行っている」
 と考えれば、
「社員に対して、申し訳が立つ」
 といえるだろう。
 しかし、これはまた逆に考えると、
「本来であれば、個人で、内部留保をしておけばいいのではないか?」
 ということである。
 個人でためておけば、いざという時に貯えとして使えるということであるが、これも難しいこととして、
「実際に、給料の差」
 というものがあることから、
「全員が全員、貯蓄ができるわけではない」
 ということから、
「個人での内部留保にも無理がある」
 といえるだろう。
 だが、
「内部留保」
 という言葉は、あくまでも、
「会社の言い訳」
 ということであり、
「実際に、会社が倒産の憂き目が信憑性を帯びてくる」
 ということになれば、
「内部留保」
 というものがあろうがなかろうが、結局は、
「リストラに走る」
 ということになるだろう。
 結局は、
「会社がかわいい」
 ということである。
 だから、
「内部留保」
 というのは、会社の言い訳でしかないということで、結局、
「内部留保があろうがなかろうが、リストラされる人は結局は、リストラされる」
 ということになるのだ。
 それを考えると、
「社会においても、会社においても、結局は、メリットとデメリットがあるのであれば、会社や社会に得なようにできている」
 ということになるだろう。
 それでも、
「バブル崩壊」
 のような非常事態ということになれば、
「会社も社員も救われない」
 そんな時代が、捻じれを起こし、
「誰かが責任を取って、自殺をしたり、夜逃げする」
 というような、
「社会不安を巻き起こす」
 ということになるのだろう。
 それを考えれば、
「働き方改革」
 などというのも、
「欺瞞に満ちた言い訳」
 ということでしかないだろう。
 そんな時代を超えてきた、酒尻という別荘地であったが、何も、こんな時代だったのは、酒尻だけではない。
 しかし、酒尻という街が、
「何か、他の街とは違っている」
 という感覚になったのは、別におかしな感覚ではない。
 ただ、この街で、一人の男に何かがあったのか、誰かに襲われたというようなことから、一人の男が気絶した姿で発見され、
「その男の記憶がなくなっていた」
 ということであった。
 そもそも、この街は、バブル景気に、
「時代の寵児」
 とでもいうようにもてはやされたのだが、時代が一気に進むことで、バブル経済が終わりを告げたと同時に、街の明かりも完全に消えてしまったかのごとく、その街の存在だけが、まるで、
「時代の証人」
 であるがごとく、静かに息をひそめながら生きているという雰囲気だったのだ。
 他の街では、少なからず時間が進み、
「時系列」
 という言葉が存在したのだろうが、この街には、本当に時系列という言葉が存在したのだろうか?
 時系列というには、あまりにも息が続いていない。存在はしているのだが、そこに価値があるのかどうなのか? 誰が分かるというのだろう。
 人間にそれを求めるのは忍びない。
 なんといっても、その間、この街で暮らしている人は、完全に息をひそめていたのだ。
 まるで、
「この世に存在している」
 ということが、罪であると言わんばかりだった。
「時代の証人」
 というのは、息をひそめて生きている人が確かに存在したということを、誰でもない自分がそれを証明できるということだけのことだったからだ。
 この街に残った別荘。それこそ、廃墟となっていて、
「維持費を誰が払うというのか?」
 ということで、
「手放そうとしても、誰も買わない」
 かといって、
「存続させるには金がない」
 ということで、このあたりに別荘を持っている人皆が同じ発想で、
「放置しておくしかない」
 ということになるのだ。
「またしても、時代がめぐってきて、別荘ブームが来るかも知れない」
 という。
 ただ、あまりにも妄想に近い夢ということで、今となっては、誰も信じてはいないだろう。
 中には、借金にまみれてしまったことで、自己破産をした人もいた。そういう意味で、
「廃墟となったこの別荘が、差し押さえの対象になっている」
 というところもあるようだ。
 そんな別荘地で、
「ただの荒れ放題」
 というところと、
「差し押さえで、立ち入り禁止」
 となっているところの二種類であった。
 ただ、差し押さえになっていないところでも、
「立ち入り禁止」
 の対象になっているところがある。
 というのは、
「荒れ放題と、老朽化によることでの、立ち入りが危険だ」
 ということからの、立ち入り禁止ということであった。
 そんな建物の一つで、
「少しだけ、生活反応のようなものがある建物」
 というものがあった。
 そこは、以前、強盗犯の隠れ家ということで利用されたことがあったのだが、意外と、
「隠れ家」
 としては、重宝されたようだ。
 冷暖房も使えたようで、実質、
「人が住めるようにしていた」
 ということで、強盗犯は金を持っているので、オーナーに打診すれば、普通に使えた。
 維持費と固定資産税を出すということにしておけば、お互いに損はないということで、その時、契約は成立したのだ。
 さすがに、オーナーも、
「何かおかしい」
 とは思ったが、このまま埋もらせておいても、どうしようもない。
「少しでも金になるのであれば」
 ということで貸し出したのだ。
 何かあっても、
「知らなかった」
 で済ませればいいと考えた。
 どっちにしても、
「背に腹は代えられない」
 ということには違いなかったのである。
作品名:限りなく事件性のある 作家名:森本晃次