小説が読める!投稿できる!小説家(novelist)の小説投稿コミュニティ!

二次創作小説 https://2.novelist.jp/ | 官能小説 https://r18.novelist.jp/
オンライン小説投稿サイト「novelist.jp(ノベリスト・ジェイピー)」

過去と未来の人類

INDEX|15ページ/16ページ|

次のページ前のページ
 

「過去に行った正敏さんなんですが、あの人をこの世界に返してあげなければいけないんじゃないんですか?」
 と、正信が聞くと、正敏は、一瞬考えてから、下を向いて、震えていた。
「いやいや、その心配はいらない。あの男は、あれが運命なんだよ」
 というではないか。
「運命?」
 と聞くと、
「人間は、自分の運命には逆らえない。それは、神が与えた運命」
 ということで、人間であれば、少なからず、
「自分の運命には逆らえない」
 ということ覚悟していると言いたいのだろう。
「人間なんて、ちっぽけなものさ」
 と、その時、正敏はそういった。
「何をいうんですか、そういうあなただって、人間じゃないですか?」
 というのだ。
 それを聞いて、今度は、正敏は、
「あっはっは」
 と声を出して笑いだした。
 それを聞いて正信はおどろいた。
「冷静沈着にしか見えなかったのに」
 と感じたからだ。
 だが、正敏は、それも分かっているかのようで、
「人間というものが、一種類だって思っているからさ」
 というではないか。
「どういうことですか?」
 と聞くと、
「そこが人間の傲慢なところであり、誰が人間という種別を決めたんだい? 例えば、動物でいえば、犬なんかでも、一口に犬といっても、大型犬である、土佐犬だったあり、瀬戸バーナードもいれば、小型犬の、シーズーや、マルチーズだっている。だが、人間は、皆人間でしかないということさ」
 という。
 正信が考え込んでいると、
「そもそも、宇宙人と地球人という表現をするだろう? これだって、おかしな話であり、地球人だって、結局は宇宙人の一種なのに、地球人だけが特別に思われる。しかも、地球人というと、日本人もいれば、アメリカ人もいる。さらに、同じ日本人でも、個人単位で名前がついていて、戸籍だってあるんだ」
 という。
「なるほど、確かに、宇宙人というと、ほぼ、十把一絡げですよね。せめて、火星人とか、マゼラン人とか、その地域から来たというだけの区別しかしないですよね」
 というと、さらに、正敏は笑い、
「だって、昔流行った宇宙人の侵略ものの特撮なんかで考えれば、これほど滑稽なものはないと思えるんだけどな」
 という。
「というと?」
「だって、宇宙人が、巨大化した姿で、これまた宇宙から来た正義のヒーローが、地球のために、宇宙人と戦って、その宇宙人一人をやっつけるとすると、まるで、それで相手の侵略が終わったかのように、ハッピーエンドになるだろう? それこそ、戦争でいえば、敵兵が一人死んだというだけで、まったく戦況には影響しないでしょう? それなのに、ハッピーエンドってどういうこと? ってなりませんか?」
 と言われた。
「なるほど確かにそうですよね。最初の先鋒がいきなり、
「相手の大将」
 というわけでもないだろうから、それを考えると、
「これほどおかしな話はない」
 といってもいい。
「人間というのは、それだけ、自分たちの種族だけが正しくて、先進していると思い込んでいるんですよね。だから、あのような番組を作って、しかも、それを視聴者の誰もが、そんなの嘘だとは言わないというのがおかしい」
 というと、
「確かにそうですね。昔の特撮などで、ちょっとでも、タブーということがあれば、広義の電話を入れたりして、すぐに放送局も、欠番ということにして、絶対放送しませんからね」
 ということであった。
「要するに、放送倫理にさえ逆らっていなければ、何をやっても許されるというのが放送界というもので、その発想が、結局は、人間というものの業といってもいいんじゃないのかな?」
 というのであった。
「人間に種類があるというのは?」
 と聞くと、
「人間って、さっきも言ったように、自分たちが一番正しいと思っていることから、その別の存在を知られたくないと思っている人種が、自分たちの科学力で、こっちの世界の人間に知られたくないという力を持っているのさ」
 という。
「それは、まるで、自分たちよりも、科学力がはるかに発達したということを示しているわけですか?」
 と聞くので、
「ああ、そういうことだね。彼らは、もう一つの人種なのさ」
 ということである。

                 大団円

「どういうことですか?」
 と聞くと、
「世界の七不思議というものがあって、古代人は、はるかに現代人よりも文明が発達していたといわれる話と、あれは、宇宙人がやったことだという二つの話があるだろう。あれは、実はどちらも、正解なのさ」
 という。
「ええ? どっちも正解とは?」
 というと、
「どちらにも解釈できるように、もう一つの人種が考えたのさ。彼らは、頭脳は発達しているが、肉体的には敵わない。だから、ロボットやタイムトラベルなどを、太古の昔から駆使してこちらを操っていたのさ。だから、こっちの世界で、あちらの世界に抵触するような、ロボットや、タイムトラベルはタブーとされてきたわけさ。しかし、今ではそれも、無駄になってきた。だから、あちらの影響がどんどん減ってきて、こちらの世でも、無効に追いつけるだけのものができてきたということさ」
 というのだ。
「ますます分からない」
 というと、
「向こうも、こちらの人間を警戒ばかりをしておけなくなったわけさ。向こうの世界では、先のことが分かるので、いずれ地球が破滅するということをかなり前から分かるようになっていたわけさ。その時、こっちの人間に科学力を開放し、地球を一緒に救うという発想にするのか、いやいや、向こうに主導権がいくだけで、結局は、さらに地球の寿命を短くすることになるということを悟るだけだという二つの意見に割れたのさ。そこで、一部の人間だけに、向こうの意向を伝え、情報共有することで、地球滅亡を救おうとしたのさ、その一部の人間というのが、過去に行った真田正敏という人物で、彼は元々、その運命を分かっていての行動だったんだよ」
 という。
「じゃあ、僕がこちらの世界にくるということも、最初から分かってのことだと?」
「そういうことだね」
 と、あっさりといってのけるのであった。
「そんな」
 といって、考え込んでいるところで、
「じゃあ、僕が今ここにいる意義というのは、何か意味があるということなんでしょうか?」
 ということをいうと、
「ああ、意味があると言えば意味がある。ただ、それを運命といっていいかどうかということなのだが、もし、それを運命だといえるとすれば、真田正敏が、タイムマシンで、過去に行ったということからだろうね。
 というのだ。
 それを聞いた正信は、
「待てよ?」
 と考え込んだ。
 それを見た正敏は、またにやりとして、彼の質問を待った。
「まさかとは思うんですが、あなたは、もう一つの人種と呼ばれる側の人間ということですか?」
 というので、
「いいえ、そうじゃありません。私はあくまでも、こちら側の人間ですよ」
 というので、
「じゃあ、過去にいる正敏さんが、もう一つの人種ということになるんですか?」
 と聞くと、またしても、彼は少し考え込んで、
「正確に言えば違います。彼は、人間ではありません」
 というのであった。
「人間ではない?」
 と聞くと、
作品名:過去と未来の人類 作家名:森本晃次