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いたちごっこの光と影

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「毒でもなく、薬でもない、まったく違ったものとして利用されることになるのかも知れない」
 という考え方である。
 それを思えば。
「裏と表があれば、もう一つ違う世界がある」
 といってもいいのではないか?
 まるで、
「SFのような発想」
 ということで、ミステリーも、このような発想と結びつけば、何か、得体の知れない犯罪であったり、
「本当の意味での完全犯罪」
 というものがあってしかるべきといえるのではないだろうか?
 このあたりは、そもそも、
「犯罪事件はそんなに起こらない」
 といわれているとことであった、
「まさか、第一発見者であっても、事件の当事者」
 ということになるなど、想像もしていなかっただろう。
「予期せぬことは突然に」
 とはよく言われることだとは思うが、よくよく考えれば、
「今から数時間前に、警察や鑑識の生の捜査」
 というものが見れるなど、夢にも思わなかったのである。
 読書が好きなので、よくミステリーというのを読んでいたが、まさにこんなことになろうとは、
 ただ、今回は、第一発見者ということであることから、警察としても、
「大した情報は得られない」
 と思っているに違いない。
 ただ、ミステリー好きの水谷としては、
「第一発見者を疑え」
 というような、
「ミステリー界の教訓」
 のようなものがあることから、若干の不安がないというわけではないだろう。
 確かに、ミステリーというのは、映像作品であっても、小説であっても、言われていることが多い。
「犯人は、現状に舞い戻る」
 ということであったり、
「一番怪しくないと思われる人物が犯人だった」
 などというのは、普通にあることで、
「そろいすぎるトリックも何か怪しい」
 ということで、さらに、
「現状で壊れた時の時刻というのが、本当に殺害された時間なのか?」
 ということまで言われている。
 それこそ、トリックというものを考えて、探偵小説を書いたとしても、
「評論家」
 のような人たちが、せっかく考えたトリックをいろいろ調べ、一つのパターンということにしてしまわれては、
「それを今度使う場合は、さらに策を練る必要がある」
 ということで、それこそ、
「トリックというものを、特許性のようにして、オリジナルトリックであれば、特許権を取得することで、他の人が使えないようにする」
 ということができないものかとも思う。
 しかし、そうなると、その人以外にはそのトリックは使えないということにあり、
「無限ではないトリックを使いまわす」
 ということになれば、
「トリックをいかに組み合わせても、他の人では使えないとしてしまうと、結局は、ミステリー界の衰退を導くことになる」
 ということだ。
「少しでもバリエーションが利いていれば、別作品」
 ということにでもしないと、犯罪を抑止できないということになるに違いない。
 ただ、そうなると、
「バリエーション」
 というものと、
「盗作」
 というものの境界線を、
「誰が決めるのか?」
 ということになる。
 曖昧な状態がいいのかどうか難しいが、これを、
「特許性」
 ということにしてしまうと、
「まず、同じトリックは使えない」
 とということで、あっという間に、
「ミステリー」
 というジャンルは消えてしまうことになるだろう。
 それこそ、
「トリックを使わない」
 といわれる、
「ヒューマンティックな物語」
 にする必要があるということになるだろう。
 そうなってしまうと、
「社会派小説」
 ということになり、とても、
「ミステリー」
 という大きなジャンルで抱えることができなくなり、どこか他のジャンルに組み込まれるというようなことになるだろう。
 そもそも、元々のミステリーという形のジャンルから派生したいくつかのジャンルの小説は、
「今小説界を引っ張っている」
 といってもいい。
 さらに、ミステリーというと、
「一人の作家が、一つのパターンを作り上げ、それがパイオニアとして、一世を風靡する」
 ということもあった。
 それでも、あくまでもブームということなので、数年から数十年という間流行ったとしても、ブームが去ると、本屋にも置かれないという状況になり、それこそ、
「無限なんてありえない」
ということになるだろう。
 水谷は、そんなことを考えながら、実際の事件と、ミステリー小説というものを比較して見ているのであった。
 水谷は、それから何度か、刑事の訪問を受けた。
「事件の内情は話せない」
 ということで、情報は、新聞記事などで見るしかなかった。
 だが、新聞記事を見ていると、ある程度の情報は入ってくるという気持ちになったのは、やはり、
「自分が第一発見者だ」
 という自負があるからではないだろうか?
 水谷が事件に注目している間、警察署の方では、
「捜査本部」
 というものができて、いろいろな情報が集まりつつあったということである。
 警察の捜査としては、まず被害者の特定であった。
  これはすぐに判明した。
  殺害現場での死体の服から、免許証が見つかり、被害者は、
「片桐良治」
 という男であった。
 暴力団の構成員だということで、前科は、
「さすが」
 といわれるほどあった。
「強盗」
「恐喝」
「婦女暴行」
 と、実際には、殺人や放火などの本当の凶悪な犯行はしていないが、それ以外は、
「たいていやった」
 という犯罪者的には。
「チンピラ」
 といってもいいような男であった。
 それこそ、
「中途半端な存在」
 ということであり、組としても、
「いい加減面倒なやつだ」
 と思っていたかも知れないと思うと、
「なるほど、3年前に破門ということになっている」
 ということであった。
 その頃は、ムショから出てきてすぐのことのようで、
「仕事もない」
 ということで、やくざ事務所の預かりというような立場だった。
 しかし、これだけのことをやった男が、そう簡単に黙っていられるわけがない。
 一応、事務所からは、
「おとなしくしているんだ」
 といわれて釘を刺されていたようだが、そもそも、
「悪党」
 という血が流れているからか、じっとしているわけもなく、さっそく、
「婦女暴行」
 というものを起こした。
 しかも、その相手が、
「ヤバい相手」
 ということで、組としても
「放っておくことができない」
 という状態だったのだ。
 それこそ、組の存続を考えるならば、
「よくても、海外追放」
 であり、普通であれば、
「バラす」
 ということになるのだろう。
 ただ。こういう男をバラすのだから、
「こんなに簡単に殺害が分かるようなことはしない」
 ということで、警察としても、
「組がかかわっているとしても、簡単に分かるようなことはないだろう」
 ということであった。
 やはり、
「こんな男をばらして、それが簡単に明るみに出るようなことはしないだろう」
 というのが、当たり前の考え方といってもいいだろう。
 捜査本部が被害者の身元から、
「彼を殺したいだけの動機を持っている」
 という人間を、
「3人絞り込んだ」
 というところである。
作品名:いたちごっこの光と影 作家名:森本晃次