小説が読める!投稿できる!小説家(novelist)の小説投稿コミュニティ!

二次創作小説 https://2.novelist.jp/ | 官能小説 https://r18.novelist.jp/
オンライン小説投稿サイト「novelist.jp(ノベリスト・ジェイピー)」

多重推理

INDEX|9ページ/16ページ|

次のページ前のページ
 

 最初は、警官、そして、初動捜査の人。そして、その後、刑事ということで、同じことを言っていたとしても、相手からの追及は厳しくなる。
 結局、
「分かりません」
 であったり、
「さあ、覚えていません」
 という曖昧な答えしかできないのだ。
 つまり、
「ゼロかそれ以外化?」
 でいいのに、
「百か、それ以外か?」
 ということで、
「完璧でなければ、あとはいかにごまかすか?」
 ということで、このような状況であれば、
「完璧などというのはありえない」
 ということで、どのように警察と接すればいいのかが分からなくなる。
 しかも、犯罪捜査において、
「第一発見者を疑え」
 という、余計な法則のようなものもあるようで、
「第一発見者の話に少しでも、嘘であったり、辻褄が合わないこと」
 などがあったりすれば、
「容疑は一気に、自分に向く」
 ということになるのかも知れない。
 どうしても、警察の聴取となると、そのことが頭をよぎってしまう。
 意識して、本当のことを言おうとすればするほど、覚えているはずのことが、思い出せないということになるだろう。
 そうなると、自分の態度がどこかぎこちなくなり。それだけで、警察に疑いをもたれるということになりかねない。
 しかも、
「警察というと、どうしても、上から目線」
 ということで、高圧的な態度で来られる。
 つまり、
「悪いことをしているわけではないのに、悪いことをしているかのように、自分で感じてしまう」
 ということになり、
「警察に疑われるに十分」
 ということで、
「犯人だと思われないまでも、捜査をかく乱している」
 と思われることで、警察から、必要以上にマークされることになり、関係のない事件で、
「重要参考人」
 などにされてしまうと、たまったものではないといえるだろう。
 ただ、今回の事件の発見というものが、
「このまま終わるわけはない」
 と感じたのは、何かの、
「虫の知らせ」
 というようなものであろうか?
 そんなことを感じると、
「事情聴取の時間」
 というのも、想像以上に長かったように思えた。
 しかし、終わってしまうと、憔悴しきってしまったことで、後からは、
「あっという間だった」
 と思うのだった。
 そして、結局警察でいろいろ何度も聞かれたが、
「実際に、辻褄が合う回答ができたのか?」
 ということが分からない状態だった。
 なんといっても、終わって解放された時には、正直、自分がどんな話をしたのかということを、すっかり忘れてしまったのであった。
 今回の事件は、刺殺であった。死体を発見した瞬間、
「死んでる」
 と思ったのは、胸を刺されて、凶器であるナイフがまだ突き刺さった状態であるにも関わらず、きているワイシャツには、かなり大きな真っ赤に染まった円が描かれていて、べっとりとしみついた血糊が、倒れている身体から、流れ落ちているかのように見えたからであった。
「さっきまで生きていた?」
 という思いはあった。
 だから、今にも動き出しそうな錯覚を覚えたのだが、無意識にだが、少し落ち着いてから、腕で脈をとってみた時、
「腕が冷たくなっている」
 ということと、硬くなった手首からは、脈が感じられない」
 と思ったことで、即効で、警察に通報したのであった。
 さすがに、夜の公園、最初は誰もいなかったが、自分では無意識だったのだろうが、きっと、
「思わず、叫び声を挙げた」
 ということであろう。
 だから、近くの家から、人が、数人出てきて、様子を見ていた。
 中には、隣接したマンションから、のぞき込んでいる人もいるようで、それを見ると、
「警察への電話通報も、きっと大きな声だったのかも知れない」
 と感じた。
 きっと、それは、
「一人になりたくない」
 という無意識な意識が働いたということで、
「まわりに人が寄ってきた」
 というのは、自分としては、
「助かった」
 と感じたのだ。

                 毒殺事件

 どこをどう見ても、
「刺殺」
 ということは明らかで、
「殺人事件」
 ということであった。
 なぜなら、
「被害者の胸に刺さっていたナイフには、被害者の指紋しかついていなかったわけで、それは、胸を刺されて苦しんでいる時に、必死に抑え湯とした時についたものだということは、他の場所にナイフの指紋がなく、さらには、誰の指紋もない」
 ということが怪しかった。
 ただ、指紋だけではハッキリとはしないわけで、
「自殺の可能性」
 というのがまったくないとは言えなかった。
 被害者は、馬場という男性で、事情聴取の中で、
「自殺をする理由はない」
 ということであった。
 逆に、調べを進めていくと、被害者である馬場という男は、
「あまり、素行がいい」
 という男ではないという。
 どちらかというと、チンピラ風だったという話だった。
「友だちを、いろいろ詮索していて、金がいりそうな人に、高利で金を貸す」
 というようなことをしてみたり、
「オンナをとっかえひっかえしていて、女に関しては、節操がない」
 と言われている。
 ただ、
「バックに誰かいる」
 という噂はあるようだが、
「ハッキリとはしない」
 ということのようであった。
 実際に、同僚や、昔の友達などに話を聞きにいくと、
「殺されたのも、無理はない」
 というような印象を受けることができた。
 というよりも、
「あの人に関わるとろくなことがない」
 と感じている人が多いということのようであった。
 それだけ、
「恨んでいる人も多いのではないか?」
 ということであったが、事情聴取の中では、
「恨んでいる人はいるだろうけど、誰なのかというのは分からない」
 という意見がほとんどだった。
「本当に知らない」
 という人が多いということであろうが、それだけではなく、
「へたに関わると、こっちが危ない」
 ということで、それが、
「立場」
 ということなのか、それとも、
「命が危険だ」
 ということなのか、そのどちらにしても、
「警察にも関わると危ない」
 という思いがあるのかも知れない。
 ただ、そうなると、
「犯人に心当たりがある」
 ということなのか、
「馬場が殺されるのだから、殺した犯人も、同じような悪党に違いない」
 という考えから、
「変に警察にチクって、こっちが逆恨みでもされると、どうしようもない」
 と考えているのかも知れない。
 そもそも、殺された、
「馬場」
 という男に、そういうところがあったようだ。
「あくまでも、すべては、自分の理屈が正義だ」
 と思っているようで、
「自分に逆らう連中は、すべて敵認定」
 ということで、子供の頃から、
「他人のものは自分のもの。自分のものは自分のもの」
 ということをモットーにしていたという。
 それこそ、
「発想が、独裁的」
 ということで、
「世の中が、自分のために回っている」
 とでも思っているのか、
「実際に、権力を握ることで、その理屈を達成しよう」
 と思っているのであれば、まだ分からなくもないが、
 ただ、
「自分の都合だけで考えている」
 ということで。説得力はないが、逆に、
作品名:多重推理 作家名:森本晃次