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多重推理

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「樋口刑事と秋元刑事」
 それぞれで性格も違えば、捜査方針も違う。
 しかし、発想というのは、実に類似していて、だからこそ、
「ある程度のところまでは、二人の発想は同じなのだ」
 ということになる。
 だが、そこから導かれる結果は同じであっても、答えを出すまでのプロセスが違っているというのである。
「それが二人の特徴」
 ということであり、
「別々の署にいる」
 ということの意味は、絶対にあるということになるだろう。
 二人が、今回の事件において、それぞれの役目を果たしたことで、事件は、
「解決へと導かれる」
 ということになるのだ。
 樋口刑事も、秋元刑事も、それぞれに、
「交換殺人だ」
 と感じながら、
「どこかおかしい」
 と感じるのは、
「二人がいち早く交換殺人ということを連想したからであり、ただ、それも、犯人の計画通りのことである」
 ということになると、どうなるのか?
 実際に、交換殺人というものを最初に気づいたというのは、
「秋元刑事」
 だったのだ。
 秋元刑事は、絶えず、誰よりも、
「事件の先を走っている」
 ということであった。
 だから、
「K警察の人も、彼に従うのだった」
 それが、
「今回の事件でも功を奏することになる」
 ということであった。
 樋口刑事は、
「石橋を叩いて渡る」
 というよりも、
「石橋を叩いただけでは渡らない」
 という人で、それこそ、
「二重三重の根拠がないと、人に考えを明かさない」
 ということだ。
 だから、部下からも、
「樋口刑事は、何を考えているか分からない」
 と言われているが、そのかわり、
「それが樋口刑事だ」
 ということでの、
「全幅の信頼」
 というものを受けているのであった。
 樋口刑事が気になったもう一つが、
「毒殺だった」
 ということだ。
 これが、
「犯行時刻が逆だった」
 ということを、余計に深堀する考え方にいざなうことになったのだ。
 毒殺で、しかも、
「即効性がないように、カプセルに入れた」
 ということが、どうしても、
「交換殺人」
 というものに疑問を感じさせることになった。
 ただ、それなのに、
「交換殺人」
 という発想から、
「頭を離すわけにはいかない」
 と思っていた。
 一般的な、
「交換殺人」
 というものとは違う、
「一種異様なかたちの交換殺人なのではないか?」
 と思えることだったのだ。
 そして、それを、秋元刑事に話した時、秋元刑事も、
「その意見に、私も賛成です」
 ということで、さらに、
「私の発想は、今まで樋口さんの考えとは違うものだったんですよ。だから、袋小路に入っていたんですが、今の話を聞いて、少し先が見えてきた気がします」
 と喜んだ。
 秋元刑事も、他の人から聞いたウワサの中で、
「樋口刑事は、自分の考えを明かさないことで有名」
 ということであったのに、自分に打ち明けてくれたというのは、
「敬意を表してくれている」
 ということ以外に、
「私だったら、事件を解決に導いてくれる」
 と感じたからなのかも知れない。
 と感じることであった。
 それを思えば、
「自分も、樋口刑事のようになれれば」
 と感じたのであり。逆に、
「自分の奇想天外な発想も、これで裏付けられたかも知れない」
 ということで、
「いつもと、発想が逆であることから、一気に事件は解決するかも知れない」
 と、考えた。
 これは、二人とも、同じタイミングで感じたものであり、
「アイコンタクトに通じるものがある」
 と感じたのであった。

                 大団円

 秋元刑事が、最初に考えたのが、
「警察内部に内通者がいる」
 ということであった。
「アリバイが完璧でない」
 ということになると、
「警察に内通者がいて、そこをうまく操ることができる人がいないと、蒸すかしい」
 と考えたからだ。
 だが、それも、
「普通の人」
 というわけにはいかない。
 何か、犯人、あるいは、被害者に恨みを持っていて。
「利用されるに十分」
 と考える人であるべきと考えたのだった。
 しかし、
「共犯者」
 であったり、
「ただの内通者」
 ということで考えると、その人物というのが浮かんでくることはなかった。
 そこで、秋元刑事は、
「違った見方」
 ということで捜査をしてみると、
「案外簡単にその人物を発見することができた」
 ということであった。
 その人物というのは、
「過去に、彼女を殺された」
 という経験を持った人で、最初は、
「警察を辞める」
 という気持ちを、十中八九決めていたという人であったが、ある日突然に、
「俺はこのまま警察官を續ける」
 ということで、最初は、
「刑事になりたい」
 といって、一生懸命に昇進試験などの勉強もしていたが、
「彼女が殺された」
 ということで一気に出世欲もなくなり、
「警官として生きていく」
 ということになったのだ。
 だから、
「警官だけをやっていれば、それでいい」
 という、それこそ。
「警察で余生を暮らす」
 というくらいの気持ちと、
「最前線で市民を守る」
 という気持ちが同居していたのであった。
 それでも警官ができていたのは、
「今回の事件を演出するためだ」
 ということであった。
 そもそも、警察官というもの、
「そういう二重人格では、務まらないもの」
 という考えを持っているのが、秋元刑事で、彼は前から、その巡査に気をもんでいた。
 それが、前述の、
「住宅街のガードレールに花を手向けていた」
 という男であった。
 彼は、
「K警察の、三宅巡査」
 であり、
「三宅巡査は、かつて、彼女を暴行され、自殺に追い込んだ男の殺害を考えていたのであった」
 それが、今回の計画であり、本当の殺害目的というのは、
「馬場」
 であった。
 やつに恨みを持っている、長曾我部をそそのかし、犯罪計画を立てた。
 しかし、
「このままでは、長曾我部が一番に疑われる」
 ということで、
「交換殺人」
 という手をそそのかした。
 それを、長曾我部の方で、自ら計画し、
「赤坂という人物を憎んでいる大門」
 をそそのかしたのだ。
 お互いに、直接的な計画ではなく、
「本当の主犯というのがいて、計画を立てる人がいて」
 というような、
「二重にも三重にも重なった犯罪計画」
 ということから、そもそも、
「完璧な完全犯罪」
 などというものができるわけはない。
 そこで、三宅としては、
「ぎこちない完全犯罪」
 というのを逆手にとって、
「頭がいい刑事が完全犯罪に気づくかも知れないが。そこから先は、矛盾やぎこちなさから、袋小路に陥るように仕向ける」
 ということであれば、それこそ、
「完全犯罪になる」
 というものだ。
 そもそも、交換殺人というものは、もろ刃の剣ということであり、
「うまくいく」
 という保証がなければ、結果としては、
「リスクだけが大きい犯罪」
 ということになるのだ。
 そもそも、交換殺人というのは、
「犯人同士が、知り合いだということは完全にタブーである」
 と言われている。そういうことから、
「長曾我部と、赤坂が中学時代の同級生」
作品名:多重推理 作家名:森本晃次