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二階級特進

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三年で辞めてしまったということであった。
 それでも、三年間にわたる、新聞社での経験は大きなもので、
「もう新聞社はうんざりだ」
 と思い、出版社での就活を行い、風車出版に入社したのが、今から、10年くらい前ということであった。
 その頃には、坂巻記者もいたわけで、二人は、同じ観光部での同僚となったのだが、最初から、
「恋愛感情があった」
 というわけではない。
 坂巻記者の方とすれば、
「新聞社経験があり、勧善懲悪な姿勢が見える」
 という今村記者に、一定の敬意を表していたが、恋愛感情とまではいかなかった。
 今村記者の方は、
「恋愛感情をまったくもっていなかった」
 ということであるが、それは別に、
「坂巻記者に魅力がない」
 であったり、ましてや、
「嫌いだった」
 というわけではない。
 彼の中に、女性に対してドライな部分があり、当時は、
「女性というものに、興味がなかった」
 といってもいいだろう。
 それは、少し学生時代に、
「女性に対して、コンプレックスを持っていた」
 ということからであった。
 学生時代の彼は、どちらかというと、
「自惚れ」 
 というものが強いというところがあった。
 二十歳になっても、まだ童貞であったが、普通なら、焦りが来てもいいはずなのに、彼の場合は、焦るということはなかった。
「いい相手が見つからないだけで、そのうちに、現れるさ」
 という考えで、少し、異性というものや、性に対して、冷めたところがあったのだ。
 だが、それを見かねた先輩が、
「童貞のままではな」
 ということで、変な気を利かせたのであった。
 先輩は、
「いかにも体育会系」
 という人で、実際に体育会系の部活をしていた今村は、
「先輩のいうことは絶対」
 という、昭和堅気の考えを持っていたので、
「先輩がそこまでいうのなら」
 ということで、先輩主催の、
「童貞卒業」
 ということになったのだ。
 いわゆる、
「風俗デビュー」
 ということであった。
 風俗によって、童貞を卒業しても、
「素人童貞」
 であることに変わりはないが、
「自信さえつければ、後は、まわりがお前を見る目が変わってくるからな」
 と先輩に言われたが、今村としては、
「別に自信がないわけではないのだが」
 と口には出さなかったが、そう感じながら、先輩に対して苦笑いをしていたのだった。
 先輩が用意してくれた、風俗嬢というのは、いわゆる、
「童貞キラー」
 と呼ばれる人で、
「童貞を捨てたい」
 と思っている人には、最高の相手だった。
 しかし、今村の場合は少し違って、
「俺は別に童貞だからといって気にしているわけではない。先輩の手前、きているだけだ」
 と思ったことで、実際に、彼女の前に出ると、本来であれば、反応するものが、しなくなってしまったのだ。
 彼女からは、
「体調が悪かっただけ」
 と慰められ、
「元気出しなさい」
 と言われたが、今村としては、
「別に落ち込んではいない」
 と思っていた。
 だから今村は、自分のプライドというものがあることから、再度、彼女にリベンジを試みたのだ。
 何とか、童貞卒業にはこぎつけたが、その時、
「何かがおかしい」
 という自分の中の微妙な違いに気づいていた。
 これは他の人だったら、
「こんなものだろう」
 と感じるのだろうが、今村は違った。
 そこが今村の中の、
「妥協を許さない」
 という何か意固地な性格が災いしているといってもいいのではないだろうか?
 しかし、童貞卒業をしてからは、何かのタガが外れたのか、急に、今村は女性からモテいるようになった。
 まわりからは、
「モテキなんじゃないか?」
 と言われたが、今村は、
「モテキなんか存在するんだろうか?」
 と思っていたこともあったが、童貞卒業後に、判で押したようにモテ始めたということを考えると、
「確かに、モテキは存在するのかも知れないな」
 と思うようになったのだ。
 その時、何人かの女の子と関係を持ったが、そのほとんどが、
「何かが違う」
 と感じたのだ。
 それが、
「身体の相性」
 だという、単純なことだとは、すぐには感じなかった。
 どうしても、物事を難しく考えてしまうくせのある今村は、理解できないことに対しては、
「難しく考える方がいい」
 と思うようになった。
 というのは、
「人と同じではいやだ」
 という考えが自分の根底にあるからで、
「考え方など、特に、人と同じではまるで、真似をしているようではないか?」
 と思うのが嫌だった。
 だから、彼には、
「オリジナリティ」
 というものと、
「創作意欲」
 というものが自分の特徴だと学生の頃から思っていたので、
「出版社に入社したい」
 と思うようになったのだった。
 今村が、最初、
「先輩の手引き」
 ということで、ソープにての、
「童貞卒業」
 というものを試みたが、それが最初は成功しなかったのも、きっと、自分の中にあるという、
「人と同じではいやだ」
 という感覚から、
「まるで判で押したようなやり方」
 というものに、無意識に抵抗感を感じたことで、
「自分から拒否した」
 ということであろう。
 しかし、他の人であれば、そのことがトラウマになってしまい、
「当分女は」
 ということで、童貞卒業までにかなりの時間が掛かったり、自分一人ではできないということになっただろうが、
「それを克服できるだけの考えと信念」
 というものを、今村は持っていることで、そのオーラが、
「童貞卒業の儀式」
 というものを、自分で克服したその力によって強められたことで、
「まわりも、そのオーラに刺激された」
 といってもいいだろう。
 それを考えると、
「今村という男は、他の男の度量で図ることはできない」
 といってもいい。
 それが、
「生まれつき」
 ということなのか、それとも、
「今までの経験によって身につけられたことなのか?」
 ということであるが、ここまで他人の想定外ということであれば、
「どちらかであるはずはない」
 ということになるだろう。
 そのことを一番分かっているのは、他でもない、
「今村本人」
 ということになるであろう。
 今村は、新聞社では、
「挫折的な思い」
 というのを、
「生涯で初めて感じた」
 と思ったのだが、
「それが、社会に出ているということなのか?」
 ということで、
「社会の厳しさ」
 というものを思い知ったということだけでなく、
「それまで未知の世界ということで、見えない限界というものに、恐怖心があった」
 ということであるが、ここで、ぶつかった壁というのが、見えたことで、
「限界という結界が、本当に存在するんだ」
 と感じれたのは、自分がこれからを過ごしていくうえでの、
「自分にとっての力になる」
 ということを考えると、
「新聞社を辞めることくらいは何でもない」
 と思い、あっさりと新聞社を退社したのだった。
 そんな今村記者だったが、学生時代の童貞卒業後は、モテたということもあって、それなりに、遊んでいたといってもいいだろう。
 実際に、数人の女性とは肉体関係にあったが、
「お付き合いをした」
作品名:二階級特進 作家名:森本晃次