一つではない真実
といえるのではないだろうか。
同じように見えたとしても、その反体制というものに気づくとすれば、
「刑事と探偵の両方をしたことがある人」
だけしかいないということになるのではないだろうか?
実際に。
「先代の佐久間探偵」
というのは、
「元刑事」
という肩書を持っているが、なるべく探偵業を行っている時には、それを大っぴらにしないように心がけていた。
だから、
「佐久間探偵は、元刑事だった」
ということを知っている人は結構少ない。
特に、佐久間探偵に事件を依頼してくる人は、そのことを知らない。
どちらかというと、
「頼もうとする探偵が、元刑事だったなんてのは、ごめんだ」
と思っているような人が多い。
実際には、それだけ、
「探偵に元刑事というのが、多かった」
という時代でもあり、依頼人に、
「探偵が、元刑事だった」
というのが嫌だったということになるだろう。
「なぜ、依頼人が嫌がるか?」
というのは、たいていの場合は、まず、
「警察に捜査依頼に行く」
というのが、その手順であった。
それが、
「捜索願」
であったり、
「事件性がありそうなことを相談にいく」
ということであったりしても、昔から、
「警察というのは、事件が起こらないと、決して動こうとしない」
という、
「悪しき伝統」
のようなものがある。
しかも、探偵に依頼するようなことは、そもそも、警察が打て合わないことが多かったりする。
それが、
「行方不明者の捜索」
というものであったりする。
この場合は、
「事件性の有無」
というものによって分かれるわけで、
「事件にまきこまれた」
あるいは、
「明らかに自殺の可能性が高い」
という場合は、捜査をするだろうが、それ以外の、
「自発的に失踪した」
ということで、
「家出」
などという場合は、まったく打て合うことはしない。
それでも、捜索したい場合のために、
「民間の探偵がある」
というものだ。
また、
「夫婦間の問題」
であったり、
「遺産相続などの問題」
というのは、あくまでも、民事であり、警察は、
「民事不介入」
ということで、民法上の話には、
「首を突っ込んではいけない」
ということになっているのだ。
この場合も、
「裁判所への提訴」
であったり、トラブルが起こっているのであれば、
「民間探偵に依頼する」
ということも考えるべきことである。
裁判所にも、
「踏み込める領域」
というのが決まっているからである。
結局は、警察にしても、司法関係にしても、
「公的機関では踏み込めない」
ということになるので、その場合は、
「民間探偵にゆだねられる」
ということになるのだ。
そういう意味で、立ち入ることができる範囲は狭いかも知れないが、実際に、問題が多いのも、
「この領域なのかも知れない」
ということである。
当時佐久間探偵が調査していた問題は、まさに、
「不倫の疑いがあり、もし、それが事実であれば、離婚を考えている」
という、男性からの依頼だった。
不倫というと、基本的には、
「不倫する方が悪い」
というのが当たり前のことであるが、いろいろ調べてみると、そうとは限らない。
確かに、
「不倫をする」」
という行為は褒められたものではないが、だからといって、
「不倫をするのは、すべてした方が悪い」
ということではない。
結婚というのは、
「双方が納得してするもの」
という観点からいけば、
「離婚しそうな人と結婚した方も悪い」
といえるのではないか。
「そんな人だとは思わなかった」
というかも知れないが、
「それだって、
「不倫をしてしまうほど、相手を追い詰めたのではないか?」
とはいえないだろうか。
もちろん、その可能性は低いかも知れないが、だからといって、
「すべては、不倫した方が悪い」
というのは、乱暴ではないだろうか?
「夫婦間での話し合いがもたれていなかった」
ということになるのだろうが、中には、
「相手が何も言わないのは、平穏無事な証拠だ」
と思っている人もいるだろう。
つまりは、
「何かあれば、必ず話をしてくれる」
というもので、実際には、相手の方が、
「気を利かせて話をしてくれる」
ということを期待していたりするものだ。
最初は、
「無理なことを思っているのかな?」
と思っていたとしても、相手を見ているうちに、
「なるべく、自分に触れたくない」
というそぶりが少しでも見えると、
「見捨てられた」
と思うかも知れない。
そこで、
「癒し」
というものを求める気分になると、女性であれば、もし、優しい声を掛けてくれる人がいれば、
「同じ男性でも、かなり違う」
と思うようになり、その相手に、
「自分が求めているものを、すべて持っている」
と感じるのかも知れない。
それを思ったところで、
「やっぱり、自分が求めていたのは癒しだったんだ」
と感じると、
「その癒しを与えてくれない旦那よりも、新しく、自分を癒してくれ、なんといっても、
オンナとして見てくれるということが一番求めていることだ」
と思わせることから、不倫というものは始まるのかも知れない。
そうなると、
「不倫というものに対して、罪悪感を感じない」
ということになるだろう。
つまり、
「旦那が自分を追い詰めたから、新たな癒しを求めたのだ」
と考えるからだ。
だが、それであれば、
「離婚すればいい」
ということになるだろう。
もちろん、離婚というのは、そう簡単にできるものではない。子供がいたりすると、
「子供の将来」
というものを含めて考えないといけないからである。
しかし、今では、
「離婚の理由」
というものに、
「子供の将来」
というものもあり、
中には、
「幼児虐待」
であったり、
「育児放棄」
などというものもあり、
「親には任せられない」
ということだってあるだろう。
それ以外には、
「子供の教育上」
というものもある。
それが、
「親の離婚問題に巻き込まれる」
というものである。
離婚事由としては、いろいろ考えられる。今回のような、
「不倫問題」
というのも、結構あるだろう。
それ以外には、
「教育問題での対立」
逆に、子供の問題ということもある。
子供だって、家を出れば、
「苛め」
などの問題があり、それが、
「引きこもり」
であったり、
「家庭内暴力」
という問題も出てくるであろう。
それを考えると、
「離婚」
というものに関して、探偵が絡むということも少なくないのかも知れない。
一番大きな問題は、
「不倫問題」
ということで、
「この時の佐久間探偵が捜査していた問題も、奥さんが不倫をしているのではないか?」
ということであったが、実際に、調査はそんなに難しいものではなく、不倫の証拠というのは、結構簡単に見つかったのだ。
とはいえ、
「証拠として提出する」
ということになると、
「数日間の調査」
という程度のもので済むわけもなく、
「数週間の捜査」
というのを要するのであった。



