生き残りへのいたちごっこ
「ただの憶測で、根拠のない」
というものなので、何とも言えないが、そもそも、
「バブル経済」
というものが、
「目には見えないもの」
ということで、いろいろな想像は許されると考えてもいいのではないだろうか?
実際に、バブル経済において、
「何が一番の問題だったのか?」
というと、
「その正体が分からずに、誰もが、今動けば儲かる」
ということで、
「儲からないと、他に置いて行かれることになり、儲かっている中で、最下層にされてしまう」
ということから、それが怖くて、少しくら不安でも、飛びつくことになるのであった。
実際に、崩壊してしまうと、連鎖倒産が相次ぎ、あっという間に、伝染病のように、経済が崩壊するということになる。
それを考えると、これは、
「令和になって起こった世界的なパンデミックというものの、前兆だったのかも知れない」
ともいえるかも知れない。
時代的には、すでに、
「30年近く過ぎているので、この二つを結びつけるのは難しいだろう」
つまり、
「30年というと、世代が一周している」
ということで、すでに、代は、次世代になっている。
ということになる。
バブル期に生まれたくらいの子供が、パンデミックの時期に、30代ということで、正直、
「バブル期がどういう時期で、どういう切り抜け方をしてきたのか?」
ということは、それこそ、
「歴史というものの中で勉強するしかない」
ということだ。
実際に、どこまで、
「その教訓が生かされているか?」
ということが分かるわけではない。
「経験もなく、根拠が信用できるものなのか分からない」
ということで、
「バブル崩壊の危機」
と、
「世界的なパンデミックによる危機」
との間にいかに、うまく連携できるかということを、考えられるには、時期が空きすぎているといってもいいだろう。
そんな時代において、国家が、民営化を進めているという状況くらいの頃、世の中では、詐欺グループが暗躍していた。
いつ頃からの暗躍なのかは、ハッキリとはしないが、
「一つの会社が、会社ぐるみで行っていた詐欺だ」
ということであった。
その詐欺というのが、
「会社を相手取ったもの」
であったりするのは、それ以前からあっただろう。
特に、
「反政府組織」
というものによる、
「資金稼ぎ」
ということで行われている詐欺というのは、結構あっただろう。
しかし、この時に会社ぐるみで行った詐欺というのは、
「老人を狙った詐欺」
というものであった。
今の時代では、
「形を変えて実際にある」
ということであったが、時代の変化は、かなり、その様相が違っているということで、「問題だ」
といえるだろう。
というのは、
「老人を狙った詐欺」
というものだったのだ。
昭和の時代というと、
「老人は金を持っている」
というのが当たり前の時代だった。
「サラリーマンの時期の給料も結構よかった」
ということもあり、昭和の頃のサラリーマンは、そんなに金を使うこともなかった。
もっといえば、
「金の使い方は分からない」
という人が多く、
「まじめなサラリーマンが多かった」
ということだろう。
今の時代と違うところは、
「一人で使うお金」
ということではなく、
「家族のために使う」
といってもいい。
いわゆる、
「マイホームパパ」
というのが、一般的な家庭なのだ。
だから、
「財布のひもは、奥さんが握っている」
ということになる。
逆にバブルが崩壊すると、それまでの、
「父親が働く」
というわけではなく、
「夫婦共稼ぎ」
ということになると、
「自分の金」
という意識が強くなり、貯金よりも、趣味に使うということが増えてきたのかも知れない。
それも、バブル崩壊の影響なのではないだろうか?
ただ、なんといっても、
「年金制度の崩壊」
というものができてくると、今の時代は、
「定年後が金がない」
ということになる。
それまでは、
「定年を迎えれば、それまでに貯金がない人でも、退職金と年金で、悠々自適」
と言われたものだ。
会社も年功序列の終身雇用ということで、定年時の退職金は、結構なものだったに違いない。
しかも、
「今のように、5年間、年金がもらえない」
ということもなく、
「死ぬまで働け」
という、
「まるで姥捨て山のような状態ではなかった」
ということである。
だから、
「年寄りは金を持っている」
ということになるのだ。
だとすれば、昭和の末期になってから、まるで待っていたかのように、その会社が、
「年寄りを狙った詐欺」
などというのを起こすことはなかったに違いない。
それを起こすということは、
「この時代になって、時代が怪しくなってきた」
ということの現れである。
しかも、
「直接的に金をもらう」
ということであれば、
「会社を相手にするよりも、個人を相手の方がいい」
会社であれば、
「株式会社などでは、株主総会」
などといった、厄介なものが中に入るということで、手間がかかるということであろう。
個人同士であれば、当時は、
「一人暮らしの寂しい老人」
というものが増えてきたことで、ちょっとでも、優しい言葉を掛けると、
「コロッと騙される」
という時代だったのだ。
だから、
「老人に、借金を背負わせる」
ということがない。
実際にあるお金をもらうということになるのだ。
しかし、今の詐欺はそうではない。
昔の詐欺は、
「金持ちの老人を狙って」
ということであるが、今は、
「金持ちかどうかということよりも、騙しやすいかどうか?」
ということにかかっている。
しかも、
「自分たちが、捕まらないようにするために、いろいろな細工を施す」
つまり、
「受け子」
「出し子」
などということで、
「下っ端が捕まっても、主犯に容疑が及ばないように細工をする」
ということが行われている。
実に、頭がいいやり方である。
ただ、昭和の終わりの頃に、詐欺として、老人を狙った詐欺がいきなり出てきたというのは、やはり、
「バブル崩壊」
というものが、考えられ。
「いずれは、世の中が大混乱に陥る」
ということで、
「今のうちに、少しでも、金を蓄えておく」
ということから、
「詐欺の横行」
というのは、その時代、あるいは、先の時代を予見したことでの、一つの対策なのではないだろうか?
あくまでも、
「結果論」
ということであるが、
「その時代に詐欺が流行った」
というのは、苦肉の策ということだったのだろう。
それに比べて、今の時代の詐欺というのは、またその形が違っている。
「頭を使って金を儲ける」
ということで、今の時代において、その利用に最適な、
「パソコンやスマホ」
などのアプリを使うというものである。
それこそ、
「オレオレ詐欺」
「振り込め詐欺」
などから始まり、
「銀行で、パスワードを盗み見る」
というアナログな手口から、
「ウイルスを侵入させて、個人情報を盗み取る」
というやり方も、昔からあるものだ。
昔の詐欺は、
作品名:生き残りへのいたちごっこ 作家名:森本晃次



