生き残りへのいたちごっこ
そもそも、資金力の高さと、さらには、取引企業からの絶大な信頼があり、昭和の間に急成長し、一気に、グループ会社として、大企業の仲間入りをしたのだった。
「新興企業」
ということで、財閥系の会社などの中には、
「そんなに意識することはない」
と言われていたが、実際には、上層部同士、裏でつながっていて、そのつながりのおかげで、バブル期を、お互いに乗り越えることができたのだ。
そのおかげで、他の会社が、表立って、
「企業合併」
などという形を取らなければいけなかったものを、彼らは、最初から予知できていたことで、裏での企業提携のおかげで、世間的に、
「グループ会社が単独で乗り切った」
として、世間の信頼をゆるぎないものとできたのだ。
つまり、彼らは、
「バブル崩壊」
というものを予期していた。
実際に、世間的には、
「バブルの崩壊というのは、いきなり訪れた」
ということで、
「政府も会社も、手の打ちようがなかった」
と言われているが、それに関しては、大いに疑問である。
もちろん、黙って放っておくというのは、ありえないと思えるが、考え方によっては、
「想像を絶するような大きな組織が暗躍していて、日本における経済界の浄化というものを画策した」
といえるのではないだろうか?
だから、本当は、政府も日本を牛耳っている会社も、バブル崩壊ということの信憑性を、その組織から宣告されていたのかも知れない。
もちろん、国家も、日本を牛耳る会社も、その組織の存在は分かっていて、その組織のいうことであれば、信憑性があり、行うことは、
「正しいことだ」
ということで、
「逆らうことは、基本的にできない相手」
ということになるのであった。
実際に、その組織が、
「バブル経済」
というものを引き起こしたり、あるいは、
「崩壊させたり」
などということができるわけはない。
ただ、彼らには、経済研究のトップともいえる連中が、影で組織されたというもので、
「表向きは、政府の機関」
あるいは、
「学術界の一研究組織」
ということであるが、
「それでは何かが起きた時に間に合わない」
ということで、
「政府にも極秘に、国家を牛耳る本当の国家元首」
というものが、組織させた団体だった。
実際に、
「日本という国を、政府に任せておけば、亡国の一途だ」
ということは分かり切っている。
そもそも、
「外国に押し付けられた民主主義」
というものから、国家がおかしくなり、本来であれば、
「日本独自の、素晴らしい考え方」
というものがあるにも関わらず、
「当時の戦勝国の属国」
と成り下がってしまった日本政府には、任せておけるわけもない。
そういえば考えてみれば、
「国家の最大の危機」
と言われた事件であったり、事態において、
「よく、あの政府の元、うまく乗り切ることができた」
と思うことは、ここ数十年の間だけでも、かなりあったではないか。
「政府に任せておけない」
ということを、
「いかに自然と乗り越えさせるか?」
と考えると、そこには、
「暗躍する組織」
というものがなければ、うまくいくはずもない。
それこそ、
「日本における、神風のような存在で、元寇においての神風というものを彷彿させる」
というものだ。
決して、大日本帝国時代の、
「神風特攻隊」
とは違うということである。
つまりは、
「神風」
などというのは、本当はまやかしだが、裏で暗躍する組織が、策をもって行っているということを、暗にほのめかしているといってもいいだろう。
「神のような存在である、暗躍組織の存在を、知っている人は知っているだろう」
しかし、あくまでも、
「存在するかも知れない」
という都市伝説的なニュアンスが強いということであった。
それでも、それらの組織の存在は、信じる人が結構増えてきた、それこそ、
「新興宗教のようなもの」
といってもいいだろう。
しかし、新興宗教との違いは、
「あくまでも、影に徹し、神の存在として、君臨する」
ということであった、
宗教団体は、
「神として君臨しようとするが、その存在を大きくアピールし、神を信じることだけが、救われる」
というものであった。
しかし、暗躍する組織は、あくまでも、
「影」
ということであり、その理由とすれば、
「影に徹する方が動きやすい」
ということだ。
敵となるかも知れない相手に、その存在を知られないようにする。
というよりも、
「その存在を、含ませておくことにより、疑心暗鬼に陥れることで、却って、
「暗躍しやすい」
ということになるのだろう。
それを証明したのは、
「世界的なパンデミック」
が世界を震撼させた時であった。
諸外国でも、その国ごとでの対策を、
「政府主導」
ということで行ってきた。
日本の場合も、政府主導で、いろいろな策が出されたが、実際には、
「これほど、不細工なことはない」
というほどのぎこちなさで、
「本来であれば、伝染病が蔓延を始めれば、一番最初にしなければならないのは、
「伝染病が入ってこないようにしないといけない」
という、いわゆる、
「水際対策」
である。
諸外国は、何とか早期対応を行ったが、それでも、万年を抑えられなかったところもある。
しかし、日本においては、
「水際対策」
よりも先に、
「学校閉鎖」
を行ったのだ。
蔓延防止の初動を行っていないのに、他のことをするなどありえない。
「大事故に巻き込まれ、血が流れ出ているのに、
「止血もしないで、手術を始めようとするようなもの」
といってもいいだろう。
そんなことは、
「児童にだってわかることではないか?」
そんな。当たり前のことを、国家元首が分からないというほど、日本という国は、
「平和ボケ」
していて、
「政府が、日本を諸外国の属国として考えているから」
なのかも知れない。
それが、
「しょせんは、属国としての政府」
ということで、
「名前だけの首脳なので、それだけのことをして、金をもらって、歴史に名前が残ればそれでいい」
という、私利私欲だけしか考えていないのが、政府首脳であろう。
その証拠に、
「世界的なパンデミック」
の時期においては、毎日のように、いろいろな事態が巻き起こり、その都度、政府が、記者会見を開くということであった。
さすがに政府も毎日というわけにもいかず、実際に国民の前に毎日顔を出すのは、精神的なプレッシャーが大きいというのは分かるというものだ。
しかし、そんな政府において、さすがに、国民への謝罪というのが、これだけ多いと、次第に、
「謝罪というものにも慣れてくる」
といってもいい。
そうなると、すべてが惰性ということになり、結局は、
「自分たちの私利私欲だけのために動く」
ということになる。
ただ、実際はそうではない。
本当は、
「最初から私利私欲のために動いている」
ということであり、
「ただ、そのことに、自分たちが気づいていなかった」
ということになるのだ。
つまり、
作品名:生き残りへのいたちごっこ 作家名:森本晃次



