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悪党の因果応報

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 というものだと考えれば、
「世界的なパンデミック」
 というものを、社会混乱から、少しでも守ることができたその功績はあったといえるのではないだろうか。
 今の時代は、そんな昭和の終わりに起こった、
「老人をターゲットにした詐欺事件」
 のような、当時は一世を風靡したが、忘れられたようなものから、ただ、
「形を変えているだけではないか?」
 ということになるのではないだろうか?

                 トリック考察

 そんな昭和の終わりに起こった事件があった。
 というのは、
「凶悪事件」
 であり、
「衝撃的」
 という意味で。
「社会問題」
 ということになったのだが、それはあくまでも、
「センセーショナルな事件」
 ということであり、いつの間にか、
「世間から忘れ去られることになった」
 ということである。
 実際には、解決することができず、
「迷宮入り」
 ということになった。
 そもそも、昭和から続く、忘れていない事件というと、そのほとんどが、
「迷宮入り」
 となった事件ではないだろうか?
「三億円事件」
「グリコ森永事件」
 などと、
「凶悪」
 であったり、
「センセーショナルな事件」
 ということでの事件であった。
 ただ、この時の事件は、ちょうど、世間を、
「グリコ森永事件」
 が騒がせていたので、この事件は、影に隠れていた。
 警察としては、
「それが犯人の狙いではないか?」
 とも思われたが、その理由としては、
「この事件が騒がれだした時、グリコ森永事件が、明るみに出たちょうどのタイミングだった」
 ということで、
「まさか、グリコ森永事件は、この事件をごまかすための、カモフラジュだったのではないか?」
 とも言われたが、タイミングから考えると、
「それはありえない」
 ということであった。
 この事件は、
「凶悪事件」
 というよりも、
「センセーショナルな事件」
 といってもいい。
 そう、
「探偵小説などに書かれるような、謎多き事件」
 ということになるのだろう。
 この事件の発生が、
「グリコ森永事件」
 と前後していた。
 ということであったが、それはあくまでも、
「都市伝説として言われていた」
 というだけのことであり、その根拠はまったくなかったのだ。
 ただ、根拠ではないが、そのウワサを流したという人は確かに存在していて、
「この噂を流すことで、誰が得をするのか?」
 ということが分からないということから、
「ただのいたずらではないか?」
 とも言われたが、
「いたずらにしては、どこか計画的に思える」
 と見えることから、
「謎が多いだけに、何か作為が感じられる」
 ということで、
「ただのいたずらとは思えない」
 ということになったのであった。
 ただ、
「謎が多くて、その謎の一つも解決できなかった」
 ということで、
「これは最初から、迷宮入りとなる事件だったのでは?」
 といわれたものだ。
 もっとも、
「この事件の謎はつながっていて、一つが解決されると、芋づる式に解決できるのではないか?」
 とも言われたものだ。
 しかし、その一つが突破口になることはなく、結局、その謎一つが分かっただけで、そこから先がつながらないということで、
「ここが潮時」
 ということで、
「迷宮入り」
 ということになったのだ。
 終わってみれば、
「どんなに謎が多くて、不可思議な事件であったが、迷宮入りしてしまえば、どの事件も同じだ」
 としか思えない。
 それを考えると、
「迷宮入りする事件というのは、それぞれの顔は持っているのだろうが、結果が同じであれば、始まりというのも、そんなに差があるというものでもないだろう」
 と思えるのであった。
 その事件というのは、それこそ、
「本格探偵小説」
 と呼ばれるような話で、
「戦前戦後の、混乱の時代に、その時代ならではのトリックと、ホラー的要素が絡んだようなお話」
 というものであった。
 時代背景から、当時は、混乱のある時代だったことから、凶悪犯であっても、その裏には、
「緻密に計算された」
 というものがあったといえるだろう。
 特に、今のように
「科学捜査」
 というものが行き届いていないということで、
「たくさんのトリックが考えられた」
 といえる。
 今の時代では、
「ありえない」
 というトリックがあったのも事実だ。
 特に、
「死体損壊トリック」
 であったり、
「アリバイトリック」
 などというのは、なかなか今の時代では成立しない。
 死体損壊というように、
「顔をつぶされ、身体の特徴のある部分を傷つけられていて、指紋の照合も不可能」
 といわれるような事件であれば、
「昔だったら、犯人の特定ができない」
 ということで、このトリックが成立するのだが、今の時代では、
「DNA鑑定」
 というものが行われ、
「少々の死体損壊くらいでは、身元を特定することは、少し時間はかかるかも知れないが、不可能ではない」
 といえるだろう。
 また、
「アリバイトリック」
 というものにしても、今の時代であれば、
「どこに防犯カメラが設置してあるか分からない」
 というほどに、それこそ、
「壁に耳あり障子に目あり」
 ということわざを、証明しているかのような時代になっているといっても過言ではないだろう。
 ただ、この、
「アリバイトリック」
 というのは、
「やり方によっては、使える」
 ともいえるだろう。
 というのも、
「防犯カメラがある」
 ということを逆手に取るという考え方である。
 普通に考えれば、
「防犯カメラに写っているから、アリバイトリックにはならない」
 ということであるが、逆に、
「防犯カメラに映る」
 ということで、完全なアリバイが成立しているというように見えるわけだが、
「それを逆手に取る」
 ということで、
「防犯カメラに写っているのであれば、その時、そこにいたというのは間違いないことなので、逆に、別の方法で、犯行を可能にする」
 ということもできるだろう。
 というのは、例えば、
「犯行時刻をごまかす」
 というやり方が一つで、
「死体を、温めたり、冷やしたりする」
 という方法。
 あるいは、
「証言が実は違っていた」
 ということで、昔であれば、
「時計の針を進めていたりしたことで、錯覚させる」
 などということもあっただろう。
 今の時代の、
「探偵小説の飽和時代」
 ということであれば、そんな昔のトリックは、
「まるで化石」
 といって、おいいような、
「ちゃちいトリック」
 といわれることだろう。
 しかし、今の時代だからこそ、
「トリックのパターンは、ほとんど出尽くしている」
 ということであり、しかも、その出尽くしたトリックの中でも、
「今までのようなトリックでは、科学捜査では通用しない」
 ということで、さらに、
「狭い門」
 ということになるだろう。
 だが、今の時代においては、
「逆に、限られたトリックで、あとは、バリエーションをつけることから、新たなトリックと生み出す」
 ということから、
「物理的なトリック」
 というものから、
「叙述的なトリック」
作品名:悪党の因果応報 作家名:森本晃次