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三すくみの正体

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「自分をさらけ出してみたい」
 という感覚になっていることに、スタッフの顔を見た時に感じたということであった。
 スタッフは、結構、気を遣ってくれるが、
「必要以上な気を遣う」
 ということはなかった。
 どちらかというと、会話を絶やさないようにして、
「こちらが聞きたい」
 と思うことを、
「相手がしっかりと引き出してくれる」
 ということだったのだ。
 つまりは、
「女の子との対面」
 というものを、
「今の最大の楽しみ」
 ということで来ているのだから、
「そちらにいかに誘導するか?」
 ということであり、
「その間に、知りたいことを少しでも教えて、緊張感を、彼女との対面ということだけのために持たせてあげる」
 ということが大切だと思っているのだと、これも、
「後になって感じた」
 というものだ。
 それを感じることができるようになった時、
「俺は、いよいよ風俗に慣れてきたな」
 と感じるようになった。
 最初に比べて、
「偏見というものは、すでにない」
 と思っていて。
「風俗というのは、癒しをもらうところ」
 であり、さらに、
「こちらからも、同じような癒しを与えられる場所である」
 と感じるようになったのであった。
 それが、
「風俗遊びだ」
 と一口でいえばそうなのだが、
「この一口で言い切れるところが、風俗の風俗たるゆえんではないか?」
 と思うようになっていた。
 その思いが、
「風俗嬢と自分とを結んでいる」
 と思えば、
「疑似恋愛」
 というものは、
「金を払ってでも買うものだ」
 と感じてきたのであった。
 そんな時、
「初めて相手をしてくれた嬢」
 というのが、
「つかさ」
 という源氏名の女の子だった。
 つかさは、予約をした時、
「どこか、ツンツンしているような感じがする」
 と思った。
 ある意味、
「癒し」
 というものとは、
「イメージがほど遠い」
 と感じる相手であったが、逆に、
「いろいろ教えてくれそうだ」
 という気持ちもあったのだ。
 他にも、
「ツンツンしている」
 という雰囲気の女性はたくさんいた。
 しかし、その中で、
「ツンツンした中にも、どこか、幼さがある」
 と感じたのだ。
 これが、
「あどけなさ」
 ではなく、
「幼さ」
 というものを感じたことが、選んだ一番の理由だったのだ。
 もちろん、
「あどけなさ」
 というものがないというわけではなかった。
 むしろ、
「他の人なら、あどけなさと映るかも知れないな」
 と感じたほどで、
「どうして自分が、幼さに惹かれたのか?」
 というと、
「自分が童貞だ」
 という思いがあったからだ。
 これは、
「うしろめたさや、引け目」
 ということではなく、
「堂々と、童貞を捨てに行こう」
 という思いがあるからだと思っていて、もしこれが、
「先輩からのおごり」
 というものであれば、
「決して感じる」
 ということのないことではないか?
 と感じることであった。
 年齢表記は、
「二十歳」
 と書いてあったが、これも、今までの、
「耳年間」
 も知識から、
「2, 3歳はサバを読んでいる」
 といってもいいと聞いたことがあることから、
「年上なら安心だ」
 と感じたことの一つであった。
 ただ、一つ気になったのが、
「あまり会話をしてくれなかったらどうしよう」
 という思いであった。
 ただ、今回は、
「堂々と童貞を捨てに来た」
 という思いがあるだけに、
「へたな気の遣われ方というのは、自分の望むところではない」
 といえるのではないだろうか?
「少年のような気持ち」
 というものが自分の中にあり、その思いが、
「童貞を捨てる」
 ということが、どこか、むず痒いという思いに結びつくことで、
「あどけなさ」
 というものよりも、
「幼さ」
 というのを求めるというのは、
「ありのままの自分であったり、相手を見たい」
 という気持ちの表れだと感じていたのであろう。
 店の待合室で、しばし待っていると、
「本当なら、なかなか時間が経たないことにいら立ちを覚えるというものなのだろうけどな」
 と感じたが、その時は、
「苛立ち」
 なるものはなかったのであった。
 それどころか、
「心地よい緊張感というものを味わえた」
 と感じた。
 緊張感というものは、
「一気に駆け上がる」
 というものではなく、
「じわじわと上がってくる」
 というもので、
「それでも、一気に上がってこようとすれば、それを抑える時の気持ちが、心地伊予さというものを運んでくる」
 と考えたりもした。
 自分にとって、
「童貞喪失」
 というのは、
「大人への階段」
 とは違うと思っていた。
 というのは、
「すでに大人にはなっているのであって、問題は、大人の付き合いができるかどうか?」
 ということになると思っていた。
 だから、自分の中で、
「童貞を捨てるまでのリミット」
 というのを、
「二十歳だ」
 と決めていたのだ。
 自分の中で、
「大人」
 というと、
「十八歳だ」
 と思っていた。
 それは、法律改正によって、
「二十歳から十八歳に、成人というのが引き下げられたからだ」
 というわけではない。
 そもそも、この法律改正というのには、
「いろいろな意味が含まれている」
 といってもよく、しかし、十八に変えることにしたきっかけとしては、何を言っても、結局は、
「政治家の都合」
 ということではないだろうか。
 そもそも、
「働き方改革」
 というのも、
「国民の休日を増やしたり、移動させたりした」
 というのも、結局、
「経済政策」
 という名の、
「自分たちの私利私欲を満たす」
 ということである。
 二十歳にしたのだって、
「有権者の数を増やす」
 ということが、政治家の目的ということで、
「犯罪年齢の低下」
 であったり、
「結婚年齢の問題」
 などと言った、細かいことは別にして、結局は、
「国会議員が法律を作る」
 ということで、すべては、
「立法の思いもまま」
 ということになるのだ。
「三権分立が聞いてあきれる」
 というのは、その通りだといってもいいだろう。
 かつて、
「自分たちの都合のいい検察官を辞めさせたくないという理由で、検察官の定年期間を延ばそう」
 とした、政治家がかつていたではないか。
「因果応報」
 ということで、実現はしなかったが、その時。
「神様って本当にいるんだな」
 と感じた人は少なくはなかっただろう。
「お客さん、そんなに緊張しなくてもいいですよ」
 といって、ニコッと笑ったその笑顔は、妖艶さから、最初に、
「怖さ」
 というものを感じ、それから、次第に、自分が興奮してくるのを感じた。
 それは、実に不思議な感覚であった。
 そもそも、その妖艶さから、興奮してきたものであり、そのエスカレートが、自分の中で恐怖を感じさせるものだ。
 だから、自分が感じたことは、
「逆ではないだろうか?」
 ということであった。
 しかも、この感覚を、
「どこか、懐かしい」
 と感じた。
 それはデジャブのような感覚で、あり、
「以前にも、どこかで感じたことがあった感覚」
 と思ったのだ。
作品名:三すくみの正体 作家名:森本晃次