腐食の後悔
中には、女の子の待機場所がホテルからすぐ近くにある場合もあるので、すぐにでも出向くことができるのかも知れないが、これも、店の考え方によるのかも知れないが、
「少し、待ってから出向く」
ということにしているところもあるという。
それは、
「店側の心遣い」
ということもあるだろう。
というのは、
「プレイ時間で値段が決まるシステムだから」
ということである。
基本的には。
「プレイの前に、シャワーか、お風呂に入っている」
というのが、基本ということで、ホテルに入ってから、客は、
「シャワーを浴びるか」
あるいは、
「風呂に入る」
というのが基本になっている。
そもそも、最初から風呂が沸いているわけではないので、風呂に入ろうと思えば、少しは時間が掛かるというものだ。
その間、先に女の子が部屋に入っていれば、その時間も。プレイ時間としてカウントされる。
それを考えると、
「風呂に入るだけの余裕を客に持たせる」
ということも考えられる。
そのことを分かっている客は、逆に、自分から、
「どれくらいかかる?」
ということを聞いて。その時間から逆算して、
「お風呂にするか、シャワーにするか?」
ということを前もって考えているといってもいいだろう。
このお店では、基本的に30分くらいでいくということに決めているようであった。
このホテルでは、ロビーにフロントがあり、そこで、デリヘルの女の子がくれば、そこから部屋に連絡を入れ。
「お連れ様が来ました」
ということを言って、電話を入れ、その時に、
「オートロックを解除する」
という仕掛けにしているのであった。
その時、女の子が普通に部屋に入ったということは、
「何を意味しているのか?」
というと、
「被害者は、女の子が部屋に入った時までは生きていた」
ということを裏付けているということである。
もちろん、女の子が部屋に入り、
「中で人が死んでいた」
ということであれば、その瞬間、女の子が騒ぎ出すので、その時に、事件が発覚したということになるだろう。
まさか、女の子が、
「死体がそこにありながら、部屋を出るまで、死体と一緒にいた」
ということは、物理的にはありえるが、普通はなかなか考えられないということになる。
さらに、
「ラブホテルでの、デリヘルプレイ」
というのは、
「出る時、一緒に出る」
という人もいるが、
「女の子だけが先に出る」
という場合もある。
男は、部屋を借りて、そこに女の子を呼んだというわけで、それこそ、文字通りの、
「休憩」
というのをしている人もいる。
中には、
「本当はいけないことだ」
ということであるが、
「スカウト」
という場合もある。
女の子を呼んで、その女の子とプレイをした時、
「話のあった店に引き抜く女の子を探すのが商売」
と言われるような、
「スカウト業の男」
ということであれば、その時、
「数人の女の子を呼ぶ」
ということもあるだろう。
「その費用をどちらがもつか?」
ということもあるが、ホテル代は、昼間などであれば、
「ノータイム」
と呼ばれる時間帯があり、
「朝から夕方までは、一律の値段」
というところも少なくはない。
そうやって、
「昼間、ホテルで時間を過ごす人」
というのもいれば、
「スカウト業に精を出している」
という人もいるだろう。
今回の犠牲者は、ちゃんと他に職を持っているので、それは考えられない。
ただ、この時、女が部屋に入ってから、1時間半が経ったくらいに、部屋から、
「一人出ます」
と連絡があった。
その時の声は、
「女性だった」
ということだったこともあり、実際に、部屋から電話があって、少しして出てきたのは、
「オンナだった」
ということである。
女が出てきたことは間違いなく、その女は、そのまま、防犯カメラの視界から消えていた。
それから、男がどうやら、また別のデリヘルに電話を掛けたのか、別の女が、フロントで、その部屋の番号を指定したのだった。
フロントからは、相手の顔が確認できないようにしているのは、
「ラブホの常識」
というもので、だから、
「何かあった時だけ、防犯カメラを確認する」
ということになるのだ。
もちろん、防犯カメラが作動しているのは、
「フロント」
であったり、
「通路」
さらには、
「エレベータ」
だけということになる。
「個室はもちろん、防犯カメラで見れるわけはないので、入り口付近が一番の問題ということになるのだ」
それは、普通のビジネスホテルでも同じで、
「オートロックになっている」
というのは、ラブホであっても、ビジネスホテルであっても同じこと。
しかし、
「ビジネスホテルには、カードキーのようなものがあり、出入りは自由」
ということであるが、
「ラブホテルは、一度入室すれば、帰りに清算をしなければ、中から開けることはできない」
ということでの違いというものがある。
最近はあまりないが、
「部屋の中の冷蔵庫の飲み物を飲んだりした時の清算」
あるいは、
「部屋から、ルームサービスを頼んだ時の、最後の清算」
などであるが、今はほとんどない。
しかし、どうしても、昔の名残りからか、
「中から勝手に開けて出られないようにしてある」
ということであった。
一つ考えられることとして。
「タイミングがぴったり合うことで、出口にて、客同士が顔を合わせないようにしよう」
という考え方があるとも考えられる。
特に、ラブホテルを、
「デリヘル」
として使っている場合、
「二人で部屋を出た時、偶然他の部屋からも他の客が出てきた」
とした場合。
「偶然、どちらかの客が、もう一人の女の子の客だったことがある」
ということであれば、
「どこか気まずい」
ということになるのではないだろうか?
これは、
「店舗型の風俗店」
にはよくあることで、
「店側では、なるべく、女の子に、自分が相手をする客以外とは合わないように考慮する」
というやり方がある。
というのは、
「客は、自由に女の子を選べるわけで、中にはひいきの女の子がいて、いつも使命をしている」
ということであっても、たまたま、その時、
「その子を指名するのを忘れていて、その子が他に客がついているとすれば、その客は、他の子を指名することいなるだろう」
ということだ。
店とすれば、
「黙って帰られるよりも、他の子を指名してくれた方がありがたい」
というわけで、嬉しい限りなのだろうが、
「もし、いつものごひいきの女の子と出合い頭に対面してしまう」
ということになると、女の子は、
「私のごひいきを取られた」
と思い、
「その客に対して不信感を持つ」
ということになったり、
「その日の指名の女の子に、自分の本指名を取られる」
という不安が募りかねない。
ということで、店側とすれば、
「女の子が、余計な不信感を持たない」
ということにするため、
「店内で、出会い頭に出会わないようにしている」
ということだ。



