小説が読める!投稿できる!小説家(novelist)の小説投稿コミュニティ!

二次創作小説 https://2.novelist.jp/ | 官能小説 https://r18.novelist.jp/
オンライン小説投稿サイト「novelist.jp(ノベリスト・ジェイピー)」

表裏のスパイラル

INDEX|3ページ/15ページ|

次のページ前のページ
 

「ヒューマンチックなストーリー展開」
 とは、かけ離れた時代となってきたのだ。
 それらは、
「一長一短」
 というものがあり、それが、昭和というものを、
「過去の古臭い考え」
 ということで、
「一括りにしてしまう」
 というのはいけないことであろう。
 しかし、やはり昔の取り調べというものの強引さから、
「冤罪を生む」
 ということもあったりして、それが大きな問題となり、
「国民が警察を信用しなくなる」
 ということになる。
 例えば、一番いい例としては、
「自白の信憑性」
 という問題だ。
 警察の捜査とすれば、まずは、
「状況証拠から、犯人を選定し、そこから、アリバイを確認することで、容疑者のさらなる絞り込みを行う」
 さらに、
「逮捕できるだけの状況証拠をつかみ、容疑者を取り調べ、そこから、自白にもっていく」
 というものが、昭和の頃までの捜査段階だったといえるだろう。
 特に、
「拷問に近い」
 というやり方であったり、
「心理的に追い込苦」
 ということから、自白させたり、
「ウソをつく」
 あるいは、
「容疑者との間での取引」
 などというものが行われることで、
「検事が取り調べを行い、起訴する」
 という流れになっていた。
 当然自白させるまでに、
「拷問」
 であったり、
「容疑者を心理的に追い詰める」
 というようなことは、あってはならないことであった。
 だから弁護士の考えてくるもので、その警察のやり方の逆手を取って、容疑者に対して、
「わざと、自白をさせる」
 という方法を取ったりした。
 警察や検察は、
「自白」
 という最大の証拠をつかんだということで、
「勝ったも同然」
 ということで、
「そそくさと基礎をする」
 ということになるだろう。
 しかし、実際に裁判ともなれば、
「自白は、警察に強要されたもので、実際には、何もやっていない」
 と言えば、今度は、
「検察、警察が窮地に陥る」
 ということになる。
 しかも、今の時代は、
「取り調べにおいて、コンプライアンス違反があってはいけない」
 ということで、
 取り調べにおいて、昔のようなことがないようにと、いろいろな改善がされているということである。
 たとえば、
「取調室の扉は開けておく」
 ということで、
「中で秘密に何が行われているか分からない」
 ということにならないようにするなどということであったり、
「昭和の取り調べ」
 としての、
「泣き落とし」
 ということで、よく言われていた、
「かつ丼」
 というのも与えてはいけないということになっている。
 つまりは、
「取り調べにおいて、容疑者に与えられる食事であったり、飲み物は決まっている」
 ということだ。
「必要以上に、食べ物を与えなかったり、逆に与えすぎたりして、容疑者の心理状態をいたずらに刺激するようなことをしてはいけない」
 ということである。
 要するに、
「警察の取調室」
 というのは、ある意味、
「監禁状態」
 といってもいいわけで、そこで、まだ犯人と決まっているわけでもない人を、
「追い詰めたり、脅迫するようなことは許されない」
 ということである。
 もし、これが、
「犯人だ」
 ということであっても、基本的には、
「人権というものがある」
 というわけで、最終的に、裁判で結審されるまでは、
「たとえ犯人だ」
 ということであっても、何をしてもいいというわけではない。
 最終的に、結審されれば、それに伴った罰を受けるということになるわけで、それこそ、
「法治国家」
 というものである。
 昭和時代と、世紀末前後からの、警察というのが変わったというのは、そのあたりもあるだろう。
 もっとも、これらの、
「コンプライアンス違反」
 という問題は、何も警察組織に限ったことではない。
 どこの会社においても言われていることで、
「社会的な違反」
 というものと、
「個人的なことでの問題」
 というものとに分かれているといってもいいだろう。
 社会的な違反というのは、その言葉の通りの、
「コンプライアンス違反」
 ということで、一番大きな問題というのは、
「会社の機密保護」
 という問題である。
 たとえば、
「顧客情報の流出」
 などというのが一番の問題で、特に、
「昔であれば許された、家に会社の資料を持って帰って仕事をする」
 ということができなくなったということであろう。
 そもそも、そのような状態になったのは、
「バブル崩壊」
 というものからであろう。
 そもそも、
「バブル経済」
 という時代は、
「事業を拡大すればするほど儲かる」
 ということで、
「残業は当たり前」
「会社に泊まり込んでの仕事」
 であっても、残業手当が当たり前に出るということで、社員も、頑張ったものであった。
 しかし、バブルが崩壊することで、
「収入に限界」
 というものができてきたのだ。
 つまり、
「どんなに働いても、収入は、以前の足元にも及ばない」
 ということで、経営者とすれば、
「支出を減らす」
 という方法しかないということである。
 そのためには、
「経費節減」
 ということで、
「リストラ」
 ということになる。
 これは、
「会社のおいての一番の支出である人件費を削減する」
 ということで、
「一番直接的な経費節減だ」
 ということになるのだ。
 そのために、社員を削ってしまうと、
「最低限の業務もできない」
 ということで、
「アルバイトやパートなどの、非正規雇用を行う」
 ということになる。
 そうなると、
「非正規雇用は、残業をさせられない」
 ということで、残った仕事は、正社員が受け持つということになり、
「自分の仕事と、残った仕事をすべてを賄わなければいけなくなり、就業時間では、賄えない」
 ということになるのだ。
 しかも、会社とすれば、
「残業手当は出せない」
 ということ、さらに、
「労務という問題」
 から、
「会社に残って仕事をしているところがバレれば、ペナルティがある」
 ということで、
「会社で仕事もできない」
 ということになり、必然的に、
「会社の資料を家に持って帰って、家で仕事をする」
 ということになるのだ。
 しかし、そのため、
「途中で、会社の資料が紛失した」
 などという問題から、
「会社の情報が、外に漏れる」
 という問題が起こり、それが、さらに、
「コンプライアンス違反」
 ということになった。
 社会的には、
「ストーカー問題」
 と呼ばれるものから言われるようになった、
「個人情報保護」
 という問題と、会社の、
「情報漏洩」
 ということが重なって、
「会社でも、個人でも、個人情報の保護というのは、当然のこと」
 ということになったのだ。
 だから、
「企業においてのコンプライアンス」
 ということで、
「会社の情報漏洩」
 というものが、
「個人を特定する」
 ということになり、
「詐欺の問題などにも絡んでくる」
 ということで、
「重要な問題だ」
 といえるだろう。
 あとは、
「個人間の問題」
 というものと絡んでくるといってもいいだろう。
 いわゆる、
「ハラスメント」
作品名:表裏のスパイラル 作家名:森本晃次