小説が読める!投稿できる!小説家(novelist)の小説投稿コミュニティ!

二次創作小説 https://2.novelist.jp/ | 官能小説 https://r18.novelist.jp/
オンライン小説投稿サイト「novelist.jp(ノベリスト・ジェイピー)」

表裏のスパイラル

INDEX|2ページ/15ページ|

次のページ前のページ
 

 というものを追求することでの、警察組織の捜査などが注目を浴びるようになってきたのであった。
「経済成長」
 というものにおいての、
「弊害」
 と呼ばれるものが、実際に、いろいろな事件を引き起こしてきた。
 例えば、
「談合」
 であったり、
「贈収賄」
 などにおける、
「会社ぐるみの犯罪」
 というものが、警察の捜査などで明るみに出ようとすれば、まるで、
「トカゲの尻尾切り」
 のように、
「誰か一人の社員に、その責任を押し付けて、会社は難を逃れる」
 という事件も結構あったりした。
「自殺者が急激に増えた」
 という時代があり、そういう人はたいてい、
「会社の裏を仕切っている」
 という人などが、
「心労を苦に、自殺する」
 という筋書きなのだろうが、会社としては、
「死んでくれてありがたい」
 と思っているかも知れない。
「自ら死んでくれたのだから、口封じの必要もない」
 として、会社側とすれば、喜んでいるのかも知れない。
 それこそ、
「死人に口なし」
 ということで、警察としても、
「せっかくの事件の糸口」
 ということで、大切な証人が死んでしまったということは、
「実に困った」
 といってもいいだろう。
 警察などの捜査機関としては、実に困ったことではあったが、
「小説」
 であったり、
「ドラマ」
 としては、
「格好のテーマ」
 ということであろう。
 特に、この時代には、
「高度成長」
 というものの弊害ということで、
「公害問題」
 というものも大きかった。
 企業側からすれば、
「わが社が、公害問題を引き起こした」
 ということになれば、住民側からの賠償問題であったり、交渉が決裂したりすれば、
「訴訟問題」
 ということになりかけない。
 実際に訴訟になって、損害賠償などという問題になると、
「会社の存続」
 というものが難しくなるだろう。
 特に、
「零細企業」
 などであれば、
「公害問題を引き起こした」
 というだけで、信用ががた落ちとなり、それだけで、
「会社の倒産」
 ということになりかねない。
 実際に、当時の、
「高度成長時代」
 というのは、実際に、
「公害問題」
 というものを予知できたのか?
 という問題もあるだろう。
 そう、訴訟の問題として、大きなことは、
「公害問題の発生を予知できていたにも関わらず、会社が、その発生について、どこまでの責任があるか?」
 という問題である。
 予知できたとすれば、その賠償というのは、
「必然」
 ということになり、
「会社は倒産」
 さらに、関連会社も、
「連鎖倒産」
 ということになるだろう。
 へたをすれば、
「似たような商品を作っている会社」
 というのも、
「誹謗中傷」
 を受ける可能性があり、そういうウワサというのは、あっという間に広がるというもので、
「さらに大きな社会問題となる」
 ということになるだろう。
 それは、あくまでも、
「企業からみ」
 ということだが、それが、
「人間ドラマ」
 という形になれば、
「恰好の小説ネタ」
 ということになるだろう。
 それまでの、探偵小説というものの、本格的な、
「トリック」
 であったり、
「謎解き」
 というストーリー展開を所望していた人にとっては、
「物足りない」
 と思うかも知れない。
 しかし、実際に会社に勤めていたり、自営業を営んでいる人たちからすれば、
「身近な話」
 ということで、興味を持つ人は少なくないだろう。
 そういう意味で、
「大人の小説」
 という意味で、
「一世を風靡した」
 といってもいいだろう。
 探偵小説というものが流行った時代。ただ、戦争というものを途中で挟んでいるので、その間の、
「絶版時期」
 などというものがあったこともあり、実際には、
「探偵小説」
 というものが、流行ったのは、
「2、30年」
 と言ったところであろうか。
 さらに、高度成長期からの、
「社会派ミステリー」
 というものが流行ったというのも、ちょうど、同じくらいといってもいい、
「2、30年」
 くらいといってもいいかも知れない。
 時代的には、
「東京オリンピック前夜くらいから、バブル崩壊」
 と言われるくらいまでの時代が、その時代に当てはまるのではないだろうか?
 ただ、社会派ミステリーと呼ばれた時代だけではなく、バブル経済の時代あたりから、
「少し違ったミステリー」
 というのが生まれた時代といってもいいだろう。
 実際には、
「黎明期」
 ということで、
「昭和の終わりくらいからあったミステリーだ」
 といってもいいかも知れない、
 そのジャンルとしては、
「一人の小説家のパターンが確立された時代」
 といってもいいかも知れない。
 例えば、
「このジャンルの小説といえば、この作家だ」
 ということであったり、
「この作家の作品は、主人公が同じ探偵によるもの」
 というような、
「一種のシリーズ」
 といってもいい作風であった。
 例えば、ジャンルとしては、
「トラベルミステリー」
 などというもので、
「時刻表などをトリックに使ったもの」
 という内容で、しかも、
「ご当地のことをストーリーに織り交ぜる」
 ということで、
「ドラマ化をすれば、宣伝にもなる」
 ということから、実際に、
「ドラマ化しやすい」
 といってもいいだろう。
 当時の、
「町おこし」
 などと言われていた、
「地方創生」
 というものを考えると、
「二時間サスペンス」
 という番組の原作としては、ちょうどよかったかも知れない。
 そういう意味では、
「探偵が同じ」
 であったりすることで、シリーズ化できるということで、
「二時間サスペンス」
 としては、
「題材に子回らない」
 ということから、重宝されたといってもいいだろう。
 しかも、探偵というものが、
「他の職業が本職で、探偵は趣味のようなもの」
 というようなストーリー展開が、結構ウケるようで、
「ルポライター探偵」
 であったり、
「医者が探偵」
 などと言った、
「変わり種探偵」
 というのが、ウケる時期だったのである。
「社会派ミステリー」
 と時代は重なっているが、こちらも、
「2,30年周期だった」
 といえるのかも知れない。
 それが、昭和の終盤くらいからということで、やはり、
「2,30年が経った」
 ということで、世紀末前後くらいから、また少し違ってくるようになった。

                 流行りの周期

 すでに、時代は、いろいろ変わりつつあり、科学捜査というものも、いろいろ取り入れられたりしている。
 特に、
「犯人というものを特定する上での、物的なものだけではなく、心理学的な発想から犯人像をあぶりだす」
 ということでの、
「プロファイリング」
 というものなのが出てきた。
 そして、それらの捜査手段が出てきた背景に、
「時代の移り変わり」
 というものが大きな影響を受けているといってもいいだろう。
 特に、
「昭和の象徴」
 と言われた、
「根性論」
 などというものであったり、
「熱血刑事」
 ということでの、社会派ミステリーに多かった、
作品名:表裏のスパイラル 作家名:森本晃次