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表裏のスパイラル

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 というものが届いてから、その後はぷっつりと、何も言ってこないという、
「なしのつぶて」
 という状態であったことから、被害者も、
「警察にいう必要もない」
 ということで、ほぼ忘れかけていたといってもいいだろう。
 実際に、
「誘拐する」
 と名指しをした子供が誘拐されるということはなかった。
 正直、
「目の中に入れても痛くない」
 というほどにかわいがっている親からすれば、たとえ、
「いたずらではないか」
 と思ったとしても、
「万に一つの間違いがあっては困る」
 ということで、
「警察に相談しても、どうせ、何か起こらないと動かない」
 ということで、それならばと、独自に、
「ボディガード」
 というものを雇うということにしたのだった。
「五千万円に比べれば安い」
 ということもあるが、親としては、
「金銭の問題ではない」
 ということであった。
 昔であれば、
「反社会勢力」
 というものが、バックについているという時代がかつてはあったが、今となれば、そんなこともない。
 確かに、昔からの
「反政府勢力」
 なるものの存在は、実際には残っているが、昔ほどの勢力はなくなっているようだ。
 それも、
「警察の組織力」
 というものによるものなのか、それとも、
「後ろ盾」
 となってくれる企業のバックアップがない。
 ということなのか、昔であれば、
「お互いに手を結ぶことで、相互に得をする」
 ということがあったのだろうが、今の時代は、
「そんな組織と手を組んでいる」
 ということになると、会社の存続を考えると、難しいのであろう。
 そもそも、反政府勢力というものが、
「必要悪」
 と呼ばれていた時代、同じような、
「必要悪」
 と呼ばれるものが手を結んでいたりして、その資金力が
「悪のスパイラル」
 なるものを組んでいたといってもいいだろう。
 あくまでも、昔の、
「昭和の時代」
 ということで、
「やくざ組織」
 であったり、
「パチンコ屋」
 などのギャンブル企業(実際には、三点方式というものからの、遊戯ということになるのである)であったり、
「キャバクラ」
 であったり、
「ソープランド」
 などの風俗業であったり、
「薬物取引」
 などというものとの、
「きな臭い関係」
 というものが、あっただろう。
 それは、昔の江戸時代から続いているもので、特にお隣の国などでは、
「アヘン戦争」
 というものが勃発するほどの、
「国家紛争」
 となったくらいである。
 そもそも、戦争というのは、
「にわかには信じられない」
 ということから起こるものである。
 アヘン戦争のように、
「貿易で利益を上げたい」
 という理由だけで、貿易の相手国を、
「アヘン漬け」
 ということにしたという、世界史史上、一番極悪な理由での戦争があったくらいだ。
 中には、
「サッカーの勝敗」
 というスポーツが原因で、戦争になったということもあったくらいだ。
 それを思えば、
「戦争など、何がきっかけで起こるか分からない」
 というものだ。
 なんといっても、日本のように、
「平和主義の国」
 ということでは分からないが、
「絶えず臨戦態勢」
 という状態にある国は、ちょっとした紛争で、戦闘状態となり、それが飛び火することで、一瞬にして、
「全面戦争」
 ということになるだろう。
 かつての、
「世界大戦」
 というものが、あっという間に、
「ヨーロッパ全土に広がった」
 というのも分かるであろう。
「同盟国が、他国と戦闘状態になれば、自分の国も相手国に宣戦布告をする」
 という条約を、一つの国で、何か国とも結んでいるのだから、それも当たり前のことだといえるだろう。
 それが、戦争というものであり、理不尽なものである。
「人間だけが、弱肉強食などの、自然の摂理以外で、殺しあう」
 ということになるのである。
 だから、
「必要悪」
 というものが、それぞれに、にらみを利かせている時はいいのだが、バランスを崩すと、均衡が破れて、戦争になるということだって、普通にある。
 それが、一種の、
「三すくみ」
 と言われるものであり、さらには、
「核の抑止力」
 と呼ばれるものであろう。
「三すくみ」
 というのは、
「三つのそれぞれ誓った力を持つものが、その相手に対して、強みと弱みをそれぞれに持っているということで、力の均衡が保たれている」
 という考えである。
 その一番のたとえとして、
「ヘビとカエルとナメクジ」
 の関係だといえるだろう。
「ヘビというのは、カエルを食べるが、ナメクジには溶かされてしまう」
「カエルというのは、ナメクジを食べるが、ヘビには食われてしまう」
 という関係であれば、
「三段論法」
 という考え方からすれば、自ずと、
「ナメクジは、ヘビを溶かすが、カエルには食われてしまう」
 ということになり、
「力関係が均衡している」
 ということなのだ。
 つまりは、ヘビに例えると、
「もし、カエルを自分が食べようとすると、どうなるか?」
 ということを考えると、
「自分を狙っているナメクジの天敵であるカエルを襲うことで、ナメクジへの抑えがなくなる」
 ということになるのだ。
 つまり、
「自分が動いて、カエルを食いにいくと、カエルが食われた瞬間に、抑えがなくなってしまったということで、ナメクジが、ヘビを襲うのだ」
 要するに、
「ヘビが動いてしまったことで、最後には、ナメクジの一人勝ち」
 ということになる。
「そうならないようにするには、どうすればいいか?」
 ということであるが、一つ言えることは、
「最初に動けば、生き残ることはできない」
 ということである。
 本当であれば、自分の天敵に対して、相手が攻撃してくれるのを待つのが一番いいということである。
 ただ逆に、自分の天敵に動かれてしまうのも、まずいということになる。
 なぜなら、本来であれば、
「自分の天敵の天敵が、天敵を襲ってくれれば、自分が助かるのだが、それはありえない」
 といえるだろう。
「もし、先に襲ってしまうと、自分が生き残ることになり、そうなると、最後には、自分に食い殺される末路がある」
 ということで、生き残ることはできないのだ。
 いえることとして、
「もし、どこかが動けば、最後には、一つしか残らない」
 ということになる。
 だから、
「順番でいくと、最初に動いたものに対して優位性を持っているものが、最後に生き残る」
 という法則である。
 それが三すくみというもので、
 これも、形は違うが、理屈としては、
「自然の摂理」
 であったり、
「弱肉強食の世界」
 というものと同じことになるといってもいいだろう。
「三つが、それぞれに力の均衡を保つ」
 というのが、
「三すくみ」
 というものであるが、
「二つのものが、抑止力を働かせる」
 ということになるとすれば、そこには、
「強力な兵器」
 というものが必要になる。

                 次の脅迫状

 これは、
「すべてに対して万能に力を発揮する」
 というもので、
「核兵器」
 のように、
「それを使ってしまうと、一気に世界大戦が起こる」
作品名:表裏のスパイラル 作家名:森本晃次