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夕凪の時間

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 と思えて仕方がない。
 この店もそれなりに自由であったが、みゆが考えているのは、
「雇われた女の子が、自由に意見を出せる」
 というような、
「開けた環境」
 ということであった。
 そもそも、そんなに大きな店ではなく、
「隠れ家のような店」
 ということなのだから、
「それも当たり前のことだ」
 といえるだろう。
「世界的なパンデミック」
 というのは、四年前の年末くらいから、いきなり、
「外国のある地域で流行りだした伝染病」
 というものだった。
 最初は、
「新型のインフルエンザ」
 と言われ、
「その地域における流行を、見守っている」
 という感じであったが、徐々にその猛威が、他の地域にも広がっていき、
「その地域を旅行した人が、そのウイルスを本国に持ち帰る」
 ということで、
「本国での大流行」
 を生むことになる。
 さらに、そこから、関係諸国に広がっていくと、あっという間に、
「世界的なパンデミック」
 と呼ばれるようになったのであった。
 実際に日本でも、最初は少数であったが、感染が確認されるようになると、さすがに国家も、対策を練り始めた。
 ただ。その対策が、実際には、
「あまりにもお粗末」
 であるということは、4年が経った今としては、
「結果論といっていいのか?」
 というほどのものだったのだ。
 なんといっても、
「伝染病が流行った時は、まずは、水際対策」
 というのは、当たり前のことだった。
 しかし、当時の政府が最初にやったことは、
「学校封鎖」
 だったのだ。
「公立の小中学校を全国一律で休校にする」
 という、
「とんでもない政策」
 をぶちまけたのだ。
 というのも、
「その政策を行うのが、ソーリの独断だった」
 というとことである。
「ソーリの側近も知らなかった」
 というほどであるのは、お粗末としか言いようがない。
 なんといっても、
「学校の一斉休校」
 というのをするのであれば、
「事前の、調整」
 というものが必要で、
「水面下で、いろいろな調整を行っていなければ、パニックになる」
 というのは分かり切ったことだ。
「政府は、今の共稼ぎの現状を知らないとでもいうのか?」
 ということであった。
 学校側も、子供のいる家庭も、さらには、託児所などの体制も、まったくできていない。
 それどころか、話すら聞いていない、
「寝耳に水」
 という状態ではなかったか。
 それを思えば、
「ソーリの独断」
 というのは、
「まわりから反対されれば困るので、後戻りできない状態にしておくしかない」
 ということだったのだろう。
 そのせいで、
「教育現場や家庭」
 では、当然のごとくのパニックとなり、
「政府に対しての不満が爆発もしていたことだろう」
 しかも悪いことに、その時まで、
「水際対策」
 というものすら、何もしていなかったのである。
 実際に政府が、
「緊急事態宣言」
 ということで、
「飲食店を中心とした店に、休業要請を掛け、会社での仕事をなるべく、リモートワークにすることで、人流を抑制する」
 という対策にしたのは、一か月後のことであった。
 その時、やっと、
「海外の渡航者を、シャットアウトする」
 という、
「水際対策の徹底」
 を行ったのだ。
「本来なら、これが一番最初だったはず」
 ということで、
「第一波の感染を阻止できなかったのは、政府の水際対策の不手際からだ」
 と言われたが、
「それに対しては誰も言い訳できない」
 といってもいい状態だったのだ。
 それが、今の時代における
「日本政府の平和ボケ」
 といってもいい状況で、
「頭の中が、お花畑だ」
 と言われても仕方がないだろう。
 それ以降も、政府のやり方は、
「後手後手」
 に回っていて、ひどいものとして、
「政府政策による、イメージビデオ」
 が大ひんしゅくを買ったのだ。
 それは、
「不要不急の外出を控える」
 ということでの促進ビデオだったのだが、ソーリが主演していて、
「自分の部屋で、自分のペットである室内犬を抱いて、安楽椅子に腰かけた状態で、ニコニコしながら、言葉を発しいぇいる」
 というものだった。
 その言葉というのが、
「おうち時間を楽しんでください」
 というような内容で、満面の笑みを浮かべていた。
 それを見た国民は、怒りに震えていた。
「お前はそんなことしている暇ないだろう」
 であったり、
「お前のような、そんな贅沢誰ができるんだ」
 と、
「仕事にも出られず、給料も雀の涙」
 ということで、
「いつ首になるか分からない」
 という状態からの、あの
「贅沢な映像」
 というのは、
「国民の怒りを買ってこそ」
 であり、
「誰があんなソーリのいうことを聞くものか」
 ということで、
「完全なお門違いなビデオだった」
 ということである。
 実際に、
「政府に対しての、誹謗中傷」
 というのは、ピークに達していて、
「有事であれば、支持率は上がる」
 と言われていたことで、諸外国政府が、軒並み支持率を上げ、
「もう少しで、破綻していた」
 と言われるある国の政府も、
「世界的なパンデミック」
 のおかげで、政権維持ができた。
 という時であったにも関わらず、
「日本政府の支持率は急落した」
 ということで、世界に、
「日本政府のお粗末さ」
 というものをさらけ出す結果になったのだ。
 結局、政府は、その間に、
「2回変わった」
 ということであったが、
「今のあの政府でさえなければ、まだマシな政治ができるだろう」
 ということで、
「日本を救ってくれる」
 とまでは期待しているわけはないが、せめて、
「今よりはマシだ」
 ということで変わった政府が、なんと、
「前の方がよかったくらいじゃないか?」
 ということで、実際に
「何がどう悪いのか分からない」
 ということであった。
「史上最悪の政府だから、変われば、いくらかはマシのはず」
 と思っていたのだから、変わった政府は、
「想像を絶するというほどひどいものだったのだ」
 ということになるのだ。
 そんな時代において、
「とりあえず、パンデミックの波がすぎてよかった」
 といえるだろう。
 ただ。まだまだその余韻は残っていて、
「経済はめちゃくちゃ」
 ということで、波というブームは去ったが、その影響は計り知れないといってもいいだろう。
 だが、
「そういう意味で、パンデミックの真っ最中」
 という時代に、
「店を改装して、新しくして経営する」
 ということは、
「かなりの冒険」
 といってもいいだろう。
 せめて、
「政府がもう少しまともであれば」
 ということでの不安が一番大きかった。
 特に、
「緊急事態宣言」
 の時と、
「ワクチン接種」
 の時による、
「政府が、促進するためについた嘘が、大きな社会問題を引き起こした」
 ということであるが、世間は、どうしても、
「当時の混乱」
 というものと、
「人のうわさも七十五日」
 ということで、
「喉元過ぎれば、熱さも忘れる」
 ということで、本来では忘れてはいけないことも、忘れてしまうという、
「政府にとって都合のいい」
作品名:夕凪の時間 作家名:森本晃次