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完全犯罪の定義

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「交換殺人のパートナーとして食指を動かそうとした相手である東の比較的近くにいたのであった」
 東のことは、本田は、いつも冷静に見ていて、ただ、
「うらやましい」
 という気持ちを抱いていた。
「東は中途半端であるが、悩んでいる」
 ということも分かっていたが、その悩みをもってしても、その時置かれていた本田の立場から考えれば、
「幸せの絶頂」
 というように、東が見えたのだった。
 というのも、その時の本田は、
「殺さなければ、俺は死なないといけない」
 というところまで追い詰められているっと思っていたのだ。
 実際に、
「このような事件は、実際の事件でも、刑事ドラマや小説などでも、結構テーマとして上がることはあるだろう」
 と思えることであり、結局は、
「相手を殺害する」
 ということで、事件になるというものであったのだ。
 要するに、
「被害者となる相手から、加害者は弱みを握られて、脅迫されている」
 ということになるだろう。
 そうなると、加害者の方は、
「弱みをバラされると、社会的な地位が地に落ちてしまう」
 ということで、
「脅迫通りに最初は、金を払う」
 ということになるだろう。
 しかし、お金を払ってしまうと、
「どんどんエスカレートしてきて、死ぬまで付きまとわれる」
 という、
「アリジゴク」
 に落ちてしまうということになるだろう。
 これは、
「人間の底なしの欲」
 というものが産むわけで、そうなってくると、
「相手がどんどん追い詰められ、今度は自分が危険に晒される」
 ということを分かっていないのかも知れない。
 いわゆる、本田という男は、
「美人局」
 という、一種の
「古い手に引っかかった」
 というわけであるが、それも、実際には、目立たないかも知れないがいまだに行われているということだ。
 というのは、
「有名人や、社会的に立場がある人間」
 というのは、脅迫を受けるだけの金を持っていて、
「守らなければいけないものがある」
 ということなので、
「金を払っても」
 ということで、
「相手のいいなりになる」
 ということである。
 しかし、この犯罪は、
「逆も真なり」
 ということである。
 というのは、
「被害者側には、守らなければいけないものがあるから、金を出す」
 ということであるから、加害者側は、
「いくらでも金を搾り取れる」
 ということで、それこそ、
「ぼろい商売」
 というくらいに感じていることだろう。
 しかし、実際にはその逆で、
「被害者側には、守らなければいけないというものがあり、そしてお金がある」
 ということになるので、彼らとすれば、
「自分の地位や名誉、さらに家族を守る」
 というために、
「お金を使うことは、やぶさかではない」
 ということになるだろう。
 つまりは、
「裏の組織を使う」
 ということだって考えられるというわけである。
 そもそも、そんなことすら分からないから、
「美人局」
 というものをたくらむのは、
「チンピラ」
 のような、
「浅い考えの連中しかいない」
 ということであろう。
 それこそ、強力な組織を持っている連中が、
「美人局」
 のような、
「小さな儲け」
 に手を出すはずがない。
 しかも、彼らとすれば、こういう闇の金儲けというのは、
「あくまでも、闇のまま貫徹させる」
 ということが必須であるだろう。
 それなのに、
「欲にかまけて、相手を追い詰めるとどうなるか?」
 ということを最初から考えていないということが、
「どれほどの命取りになるのか?」
 ということになるのである。
 それを考えると、
「美人局」
 のようなことを、
「今さらやっている」
 と言われる理由は、このあたりにあるのであった。
「闇というものと、光の間に、何があるのか?」
 ということを考える。
 そこには、
「みかけの光合成」
 のようなものがあるという考えもあるような気がした。
 というのは、
「世の中には、表があれば裏がある」
 ということになる。
 そのことを
「いかに分かっているか?」
 ということが、
「世の中を生き抜くために必要な感覚だ」
 といえるのではないだろうか?
 
                 交換殺人

 本田は、かねてから、
「交換殺人」
 というものを考えていた。
 自分が、
「美人局」
 というもおのに引っかかってしまったからだ。
 案の定、金を要求され、それを払ってしまうと、お定まりとして、
「さらに要求される」
 という、
「負のスパイラル」
 というものに入り込んでしまった。
 それも、なんとなくであるが、分かっていたような気がする。
 しかし、
「お金で解決できるなら」
 ということで、元々からの、
「面倒くさがり屋」
 の性格が災いして、
「金さえ渡せば」
 と思ったのだ。
 もっとも、
「金を渡さなければ、その場で、自分の立場はもう終わり」
 ということになっただろう。
 それであれば、
「お金で解決できないのであれば、お金なんかあっても同じことだ」
 としか思えないのだ。
 今までは、
「お金があることで、何とかなってきた」
 という思いがあるのに、今度は、そのお金というものが、
「ネックになってしまう」
 と考えると、
「ここまで来てしまったのであれば、相手を葬るしかない」
 ということで、
「覚悟を決める」
 と思ったのだ。
 しかし、
「捕まってしまって、自分の社会的な立場がダメになってしまうということは、許されることではない」
 と考えると、
「何とか、作戦を練って、完全犯罪にするしかない」
 と考えた。
 だが、
「完全犯罪」
 というものなどありえない。
 と考えているのも事実であり、
「完全犯罪」
 というものに対して、
「どこか、甘く考えていたところがあるのも事実だろう」
 しかし、その
「甘い考え」
 というものが、意外と
「犯罪計画を立てる場合において、スムーズにいく」
 といってもいいかも知れない。
 最初から、
「無理なことだ」
 と考えることで、
「安心する気持ちになれる」
 ということで、それが、
「交換殺人」
 ということだったのだ。
 今回の犯罪は、
「企画立案者としての、本田」
 そして、
「誘われた側」
 ということでの、東の、
「二人による、犯罪」
 ということが考えられた。
 問題はいくつもあった、
「最初にどっちから仕掛けるか?」
 ということはもちろんのこと、本当であれば、
「入念な打ち合わせ」
 というものが必要であるのが、
「犯罪における、主犯と共犯」
 というものであるが、そもそも、共犯というものを殺人事件の中に組み込んだという場合において、問題になるのは、
「主犯と共犯」
 というものが
「関係あると思わせないようにしないといけない」
 ということである。
 というのは、
「普通の犯罪」
 でおいても、
「アリバイを成立させるために使うのが一般的な共犯」
 というものであるとすれば、
「二人が知り合いだ」
 ということであったり、
「深い仲」
 ということを知られてしまうと、
「自らで、犯行を明かしているかのようだ:
作品名:完全犯罪の定義 作家名:森本晃次