小説が読める!投稿できる!小説家(novelist)の小説投稿コミュニティ!

二次創作小説 https://2.novelist.jp/ | 官能小説 https://r18.novelist.jp/
オンライン小説投稿サイト「novelist.jp(ノベリスト・ジェイピー)」

本当の天才

INDEX|7ページ/16ページ|

次のページ前のページ
 

「男に責任を押し付けて、自分は被害者だ」
 といって逃げることが可能だからである。
 捕まってしまえば、女としては、これ幸いである。自分が辱めを受けたということで、責任をすべて男に押し付ければいいというわけだ。
 そもそも、そんな闇サイトがあったとしても、それぞれ、それを見ての、
「暗黙の了解があった」
 ということを男の側に証明することはできない。
「成功すれば、女としては、ちょっとした遊びで興奮を得ることができるし、失敗しても、男にすべての責任を押し付けてしまえば、こっちは、痛くもかゆくもない」
 ということだ。
 逆に、
「悲劇のヒロイン」
 ということで、別の意味での興奮を得ることができるかも知れない。
 それを思えば、主催者側も、
「あとは勝手に約束した二人の問題」
 ということになるだろう。
 もっとも、女の方が、絶対に警察に、そんなサイトの存在を明かすわけがない。
 だからこそ、
「闇サイト」
 というのは、運営できているのであろう。
 そんな、
「依存症」
 の連中を煽るような、
「闇サイト」
 というのもあるので、男は気を付けなければいけないということであった。
 しかし、
「プロの痴漢というような男がいれば、今度は、女がそんな男に嵌る」
 ということもあるだろう。
 実際に、電車の中で遭遇し、
「今までにないだけの興奮を得られる」
 ということになると、
「女は、その男に惚れてしまう」
 ということだってある。
 つまりは、
「ミイラ取りがミイラになった」
 といってもいいだろう。
 男は、そうやって、女を自分のものにして、女から金を引き出すということをしているやつもいることだろう。
 確かに、
「女とすれば、リスクをすべて男に押し付ける」
 ということで、
「安心してゲームを楽しめる」
 と思ったのかも知れないが、男の方にも上手がいて、
「こういう性的興奮に興味があるわけではなく、興奮を楽しみたいと思っている女を手玉にとってしまう」
 というやり方である。
「どうせ女は、興奮がほしい」
 と思っているのだから、男の指技がすごければ、完全に嵌ってしまうことだろう。
 なぜなら、
「いざとなれば、男にかぶせて逃げればいい」
 と思っているからで、ただ、脳でものを考えることができないほどの快楽を味わってしまうと、最初の計画の中にある、
「いざという時のため」
 という感覚はどこかに飛んでしまうのであった。
 なぜなら、
「それを補って余りあるだけの快感をえてしまった」
 ということで、
「彼が私を裏切ったりするわけがない」
 と、脳に植え付けられ、それこそ、
「洗脳されてしまう」
 ということになるのだ。
 それを考えると、
「まるで、ホストのテクニックだ」
 ということになるのだ。
 もちろん、坂田にそんなテクニックがあるわけでもないし、そんなプロ集団を知っているわけでもない。
 どちらかというと、
「変な女に引っかかって、へたを踏む」
 というような、
「どこにでもいる、素人の痴漢」
 でしかなかったのだ。
 今までに、結構繰り返してきたが、なんとか警察に捕まることはなかった。
「危ない」
 ということもあったが、だからといって、捕まることはなかったのだ。
 最近では気になっている女が出てきて、
「さすがに毎日だと危ない」
 ということで、一週間に二度くらい、毎朝同じ電車で通うことにした。
 その女は、いつも同じ時間の同じ車両に乗るのだった。
 彼女がのる駅は、自分が乗る駅と同じなので、時間を見て、なるべく近くから乗車するようになったのだ、
 最近では、他の女に触手を伸ばすということはしなくなり、その女にターゲットを絞っていた。
 相手は、もちろん、痴漢されていることは分かっていたことだろう。
 だが、何も文句をいうこともない。恥ずかし気に、少し体をくねらせるくらいであるが、それが、坂田の男心をくすぐるのであった。

                 痴漢願望

 その女を初めて知ったのは、約二か月まえくらいからであった。
 それまでは、
「満員電車の苦痛を、女性の身体に触れる」
 というだけのことで、心地よさを感じるくらいであった。
 自分から女性の身体を触るということもなかったのだが、それが狂ってしまったのは、いわゆる、
「痴女」
 というものに出会ったからだ。
 その女は、わざと、身体を寄せてきた。
 最初は、
「何か言われるといやだ」
 と思ったので、なるべく、身体を離そうとするのだが、そうすれば、何しろ満員電車の中なので、反対側の人を追い詰める形になる、
 そうなると、もし相手が女性であれば、
「触ってもいないのに、痴漢呼ばわりされるなど、たまったものではない」
 と思うのだが、
「身体をくねらせる方は、向こうがしているのだから」
 ということで、
「必要以上に何もしないのであった」
 しかし、相手の女が、こっちを見ているのを感じると、こちらも、何か嫌な気はしなかった。
「誘惑されている」
 と思ったが、その表情に、どうすることもできなくなった。
 それこそ、
「金縛りにあっている」
 という感覚があったが、それでも、触ろうなどという意識はなかったのだ。
 そんな風にしていると、女が、股間をまさぐってくる。
 坂田はドキッとしたが、その吸い込まれそうな笑みに、身体が硬直してしまい、それが、
「恐怖からなのか、興奮からなのか?」
 自分でもわからなくなっていた。
「感覚がマヒしてきた」
 といってもいいのだろうが、マヒした感覚というのは、
「ここまで、男を大胆な気分にさせるんだ」
 ということで、感覚のマヒが、自分の感覚の無限を感じさせ、
「ドキドキした快感が、どのような感覚にいざなうのか、正直、その時は分からなかったのだ」
 もちろん、
「今日だけのことなんだろうな」
 ということで、
「まるで夢を見ているようだ」
 と思っていたが、翌日になると、またその女が、自分の近くによってきた。
 それによって、
「ああ、俺を気に入ったのかな?」
 と思うようになり、次第にその女に身体を任せるようになってくると、女の指は、まるで、自分の意思が乗り移ったかのように、想像通りの動きをしてくれた。
「この女、魔女ではないのか?」
 と思うようになると、今度は自分も触ってみたくなり、結局、
「お互いに触りっこ」
 をするようになった。
 それこそ、
「電車の中での変態プレイ」
 ということであるが、二人はお互いにどこの誰か分からないままの快感だった。
 もっとも、
「女の方は、俺のことを分かっているのかも知れないな」
 と思い、少し冷静になると、
「このまま続けていていいのか?」
 と、若干不安になってきたのだった、
 だが、そう思うと、それを見透かしたかのように、彼女は二度と自分の前に姿を現すことはなくなってしまったが、その後遺症というか、依存症が残ってしまったことで、
「素人だが、いつの間にか、痴漢の技を覚えていた」
 ということになったのだ。
 女性を触っていても、
「これは、そろそろ危ない」
 とばかりに気づくようになり、
「次第に、離れていくようになった」
作品名:本当の天才 作家名:森本晃次