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記憶喪失の正体

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「何かのクーデターが起こり、そこを占拠されにくいように考えられている」
 ということであったが、それだけに、
「逃げ道」
 であったり、
「抜け道」
 なども用意されているということだった。
 だから、中には、国家が守らなければいけないという人物たちが、そこで隠れているということもあったようで、
「今の時代では考えられないしかけが、いろいろ張り巡らされていた。
 また、
「この場所で、かつて、軍部のクーデターなどの相談が行われた」
 という話も残っている。
「クーデターというものは、実は結構頻繁に行われていた」
 という、
 成功した例があまりないということと、
「軍による必死の隠蔽」
 というものが功を奏したということからであろう。
「軍というところは、何かが起これば、まず必死に隠蔽を図るもおだ」
 と言われている。
 クーデターが起こったという事実が漏れると、問題が大きくなるということと、
「秘密裡に首謀者を処刑」
 などということも、簡単にはできなくなるからだ。
 そもそも、
「日本軍」
 というのは、独立的なもので、なんといっても、
「天皇直轄」
 ということで、
「政府も口出しができない」
 という集団だったのだ。
 実際に、かの、
「大東亜戦争への突入」
 ということになったのも、一般的には、
「軍部の暴走」
 と言われているが、半分は間違ってはいないが、
「すべての原因が、軍の暴走」
 ということではなかったというのは、歴史を知っていれば、分かるというものだ。
 確かに。軍部の暴走は、無理もないかも知れない。
 特に、満州事件から以降、日本の大陸への進出は、かなりのものだった。
 満州を中心にして、北京への進行などは、中国に対して、それぞれに権益を持っている、
「欧米列強」
 を逆なでするものである、
「上海事変」
 など、中国国内の租借地として、居留している欧米人からすれば、
「迷惑千万」
 どころか、
「生命の危機にまで発展する」
 ということだ。
 当然、欧米列強から不満が噴出し、日本と中国の対立が激化することは望まない。
 結局、
「日本への経済封鎖」
 ということになり、日本は、
「南方の油田地帯を確保しなければ、何もできない」
 というところまで追い込まれることになったのだ。
「中国から撤兵し、大陸の利権を放棄し、満州国も非承認」
 ということを条件に出されてしまうと、
「日本はどうすることもできない」
 ということになるだろう。
 それを考えると、
「国内では、大混乱となる」
 というのは必至で、
「まず、国民が黙っていない」
 それを煽るのが、マスゴミで、
「そもそも、中国から、虐殺という挑発行為を受けたことでの進軍」
 日本国内では、
「中国を許すな」
 ということになり、戦闘は、
「全面戦争の様相を呈してきた」
 ということであった。
 こうなると、軍の士気も高まってくる。
 つまりは、
「欧米列強からの経済制裁などの圧力で、政府は会議を開き、打開策を考えるが、軍とすれば、そうもいかない」
 海軍などは、戦争には慎重派であったが、陸軍とすれば、
「ここまできての撤退はありえない」
 という、
 一つは、
「挑発してきたのは、相手」
 という思い、そして、
「一般市民を中心に虐殺された日本人の無念」
 というもの、さらには、
「今の士気の高さと、相手国への憎悪、さらに、世論の高揚というものを考えると、戦争をしてでも、権益を守らないと先には進まない」
 という、完全な強硬姿勢だったのだ。
 そう、
「時すでに遅し」
 といってもいいだろう。
 そのような時代背景があった。
 確かに、
「米英蘭中」
 に対して、同時に宣戦布告というのは、無謀といってもいいだろう。
 それこそ、
「義和団の乱」
 と言われた、
「北清事変」
 において、清国の当時の国家元首であった
「西太后」
 が、
「当時、居留民保護を名目に、九か国の軍が北京に入ったが、乱に乗じて、なんと、その九か国に対して宣戦布告をする」
 という、
「まるで自殺行為」
 を行ったのである。
 それとは、状況的には少し違っているが、その時すでに、清国が崩壊の道を進んでいたということは分かり切っていたのである。
 そして、歴史的には、
「大日本帝国」
 も結局は、
「無謀な戦争に突き進んだことで、結局国土が焦土となることで敗戦。無条件降伏を飲まざるを得なかった」
 といってもいいだろう。
 元々の開戦からの戦争の方針としては、
「最初の半年か一年くらいで、勝利を重ねていき、どこかで、決定的な勝利を得た時、相手国に対して交渉を持ち掛け、日本にとって、最大の条件での和平に持ち込む」
 という作戦であった。
 実際に、
「これでないと、日本に勝利はない」
 と言われていたし、国力を考えれば、これが精いっぱいだったといってもいいだろう。
 しかし、あくまでも、これは、
「政府と軍の首脳が考えた青写真」
 ということであり、
「最初から不可能なことだ」
 というのを失念していた。
 なんといっても、戦争をするために、国民を煽るだけ煽った。
「日本は、欧米列強の侵略からアジアを開放し、日本が中心になって、新秩序を完成させる」
 という、
「大東亜共栄圏」
 という大義名分があったからだ。
 だから、日本兵は勇敢だったのだ。
 実際に、政府や軍が考えていた、
「初戦での勝利を重ねる」
 ということは実現できていた。
 しかし、問題はここからだった。
 政府が、いくら交渉を考えていても、国民とすれば、
「勝利におごり、まるでお祭り騒ぎのような状態で、平和交渉などありえない」
 ということだ。
 それこそ、
「腰抜け政府」
 と呼ばれ、国民から相手にされなくなり、へたをすれば、
「クーデター」
 が勃発したりして、それこそ、
「内乱の危機」
 ということになり、
「戦争どころではなくなる」
 といっていいだろう。
 せっかく、戦時体制というものを、
「挙国一致」
 で作り上げ、戦争に突入したことで、
「大義名分を成し遂げる」
 と考えられていたのだ。
 ただ、政府も軍も、
「最初から勝ち目はない」
 ということは分かっていた。
 しかし、あくまでも、
「最悪な状態を打開する」
 ということで始めた戦争だったのだが、そもそも、
「中国への進出が問題だったのではないか?」
 ということであるが、
「時はすでに遅かった」
 ということである。
 中国からの挑発を利用して、国民に戦争機運を高めさせ、欧米列強による、挑発も、それとは知らずに乗ってきたことで、さらに、国民や世論が、戦争に傾いていく。
 そう考えると、
「大東亜戦争勃発」
 というのは、
「直接的には、軍や政府によるもの」
 ということであるが、もっとも問題なのは、
「世論に押されて煽りに煽ったマスゴミや国民が悪い」
 という意見もあるだろう。
 一度初めてしまった以上、あとに引くことができなくなってしまった日本は、そこから、
「破滅の道を歩む」
 ということになってしまったのだ。
 実際には、
「戦争に勝つ」
作品名:記憶喪失の正体 作家名:森本晃次