症候群と秘密結社
「ずっと言い伝えとして、褪せることもなく、むしろ、洗練された形のウワサということで、この時代に受け継がれてきているのだから、すでに、都市伝説などというものではないレベル」
といってもいい。
しかも、それは、
「日本にだけの伝説ではなく、ヨーロッパであったり、アメリカでも言われていることだ」
その中にある一つや二つは、信憑性の薄いものというのがあるかも知れない。だが、それを差し引いても余りあるだけの考えであれば、これ以上の説得力はないといえるだろう。
それが、
「ドッペルゲンガーというものであり、ものによっては、そのドッペルゲンガーを模した妖怪」
と言われるものも出てきたりした。
それを考えると、
「どこか、人間の超常現象的な力が働いているのではないか?」
といえるであろう。
だが、ドッペルゲンガー以外でも、
「心理学的な発想」
ということで、いろいろな現象や、症候群というものがあったりする。
その中の一つに、
「カプグラ症候群」
というものがあるという。
この考えは、
「ドッペルゲンガー」
とは対照的に、最近になって言われるようになったもので、
「ここ半世紀くらい前から」
といっていいだろう。
この発想から、
「特撮番組」
であったり、
「アニメなどの発想」
につながったりする。
この症候群を、
「カプグラ症候群」
という。
これは、
「自分のまわりの近しい人が、何かの悪の秘密結社によって、別のものとひそかに入れ替わる」
という考え方である。
「自分のまわりの近しい人」
というのは、
「親や兄弟、奥さんや恋人」
などであり、
「姿かたちや声までも、まったく同じなのだが、実はその正体が、宇宙人が入れ替わったものだ」
という発想なのだ。
「まわりからは、元々の人間にしか見えず、そのそぶりもすべて他の人が見ても分からない」
というものである。
だから、逆に、
「分かるとすれば、主人公である本人にしか分からない」
というわけで、いくらまわりの人に、
「これは、奥さんではない」
といくらいっても、誰も信用しようとしない。
それこそ、
「オオカミ少年」
ということで、
「ほら吹き扱い」
ということになり、結局、誰も信用してくれないということになる。
その主人公が、国家の責任者という立場の人間であれば、もし、作戦が失敗したとしても、
「その責任を、その主人公に押し付けて、処刑されることで、疑われずに済む」
という考えである。
そんな、
「悪の悪だくみ」
というものは、
「オオカミ少年」
という、昔から伝わる、
「イソップ寓話」
の中にあるもので、本来であれば、
「未来の人類に対しての警鐘」
ということであるはずなのに、それどころか、
「地球を侵略するために、人間同士の疑心暗鬼を利用する」
という方法で、安易に肩を付けられるとすれば、
「昔の寓話であったり、おとぎ話をこの世界に残したのは、昔の先遣隊である、宇宙人の祖先ではないか?」
といえるのではないだろうか?
だから、
「おとぎ話や寓話というのは、昔からのものであるはずなのに、世界各国で、同じような話が残っているという不思議な現象になっても無理もないことだ」
といえるのではないだろうか?
ただ、一つの疑問として、
「どうして宇宙人は、地球を征服する」
というつもりであれば、なぜ、
「その時にやってしまわなかったのか?」
ということである。
一つ考えられることとして、宇宙にある星の中で、
「寿命を迎えようとしている星があり、その星が本当に終わってしまう寸前に移住を考えているとして、まずは、地球人を少しずつ減らしていく必要がある」
ということ、
あるいは、
「宇宙人に都合がいいように、今の人類を洗脳する」
ということを考えているとすれば、
「かつての、大きな二つの世界大戦」
ということ、
そして、それ以降の世界情勢を考えれば、
「確かに人口は増えているが、考え方が、どんどん変わってきている」
ということからもいえるだろう。
しかも、今の人類は、
「自分たちで自分たちの首を絞めている」
といってもいい。
それが、
「自然破壊」
であったり、
「それに伴う、異常気象」
というものを引き起こさせることで、気づかぬうちに、
「人類が自分で自分たちを滅ぼす」
ということになってしまうのだ。
だから、移住する方としても、
「うしろめたさが何もない」
ということになる。
彼らは、きっと、
「戦を好まず、自分たちで地球を無理やり手に入れる」
ということを好まない。
あるいは、
「そんなことをすれば、宇宙法に引っかかり、処罰を受けるか、そのまま星もろとも、滅亡の運命となるか」
ということになるのだ。
確かに、
「自分たち民族が生き残るため」
ということであっても、無謀な戦を仕掛けることは許されないという宇宙規範なのかも知れない。
それを考えると、
「カプグラ症候群」
という考えは、ありえないということではない、
というのも、
「だから、すぐに地球に攻め込まず、その状況を把握することで、自分たちの都合よく侵略をしよう」
ということである。
このような、
「自分たちが、相手と入れ替わる」
ということはいろいろな意味で、都合がいい。
「相手を疑心暗鬼にさせる」
ということから、
「手を下さなくとも、勝手に滅びてくれる」
というもの。
そして、
「その行動が、宇宙連邦警察の監視を逃れることはできる」
ということだ。
「地球人の頭の中にまで、入りこむことができないことで、入れ替わっている宇宙人を見分けることができない」
ということだ。
そして、見分けることができないということは、その暗躍も、まるでロボットのように、操られるということであろう。
「地球人には、開発することができないロボット」
ということであるが、
「人間のいうことだけを着実に聞くことができるロボット」
ということであれば、作ることができる。
地球人に作ることができないのは、あくまでも、
「起こりえるであろう無限の可能性」
というものを、ロボットの、
「人工知能に埋め込む」
ということができないからだ。
しかし、宇宙人にはそれができる。
彼らの頭の中にある、
「脳の機能」
というものを、そのままロボットにコピーすることができるのだ。
それを、
「遠隔操作で操作することもできる」
ということであり、スイッチを、
「自動」
の方にすれば、
「コピー脳が働いて、コピーした人間の脳と同じ働きをする」
ということで、
「人間に、もし、このようなコピー脳というものを作ることができれば、人間にも、人工知能を持った自立型のロボットを作ることができるであろう」
あくまでも、
「人間と同じ発想を持つことができる人工知能の開発」
という狭い範囲だけでの開発を考えてしまったことで、結局、
「目の前に見えているはずのものが見えない」
という、前述に示した、
「石ころのような存在」
という発想から、
「人工知能を持ったロボットの開発」