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覚悟という錯誤

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「勝手に、女の子と交渉し、二人で会うようなことになれば、店に来なくなる」
 ということで、その件に関しては、
「今も昔も禁止」
 ということであるが、
「女の子の営業活動」
 ということでの、
「SNS」
 というのは不可欠ということである。
 つまり、
「女の子が営業を行う場合のSNSの利用」
 であったり、
「女の子を辞めさせないようにするための、イロカン」
 というものであったり、実際に、
「裏表がある」
 ということで、
「いい面もあるが、その裏には、闇がある」
 ということになるのかも知れない。
 SNSの集客に関しては、
「ほぼ、悪いというところは見当たらないだろう」
 と言われていたが、実際には、
「これも裏がある」
 ということで、それは、
「他の犯罪に絡む」
 というか、
「隠れ蓑にしよう」
 とする組織があったりして、
「女の子や客が気づかずに利用されている」
 ということがあったりするのだ。
 しかし、このあたりのことは、
「最近、警察でも目をつけている」
 ということであった。
 元々、こういうことは、
「生活安全課」
 などが、その管轄ということになるのだろうが、
「最近では、それにともなっての殺人」
 ということも、少し出てきているというウワサもあることから、
「捜査一課」
 であったり、
「公安」
 までもが、乗り出しているといわれている。
 もちろん、捜査内容は、
「トップシークレット」
 ということで、
「誰もが、その秘密を知ることはない」
 と言われているが、それも、
「敵を欺くにはまず味方から」
 ということわざに準拠しているといってもいいかも知れない。
 実際に、
「公安でも、生活安全課でも、内偵というものが行われている」
 ということだったのだ。
 警察をいう組織は、一見、表から見ただけでは分からない。
 そこには、
「裏もあれば表もある」
 ということで、そもそも、取り締まらなければいけない相手が、そういう何重にも連なる組織ということで、
「警察も、それに立ち向かうだけの組織を持たなければいけない」
 ということになるだろう。
 昔の警察のように、
「国家権力を振りかざす」
 ということができないだけに、
「表向きには正攻法で」
 ということになるであろう。
 彼女は、
「自分の考えていることが、時間が経つにつれて、真実になってくる」
 というような感覚になるというようだった。
 自分で、そのことを怖いと思っていて、実際に、その通りになっている。
 それを考えると、
「普通の人だったら、耐えられないかも知れない」
 と考えることから、彼女は、そこまでは思わなかったので、それでも何とか自分を守ろうとして、
「自分の殻に閉じこもる」
 という発想から、
「記憶喪失になったのではないか?」
 と考えると、それは、
「精神的な理屈」
 と、
「時系列で感じる思い」
 というものが交錯して。彼女の理屈が分かる気がする。
 問題は、それを、
「覚悟をもって信じよう」
 と考えた坂上が、どう解釈し、
「覚悟の持ち方を、いかに考えるか?」
 ということが問題になるのだ。
 もちろん、坂上は、彼女と知り合ったのは、記憶を失ってからということなので、それ以前は、完全に想像でしかない。
 しかし、
「誰だって、知り合う前のその人を知ってはいないだろう」
 それを、もし本人に記憶があって、
「自分は、こういう人間だ」
 ということを言ったとして、果たしてどこまで信じられるかということである。
「人間、人を信じるとして、どんなに信じたとしても、100%というのは、まずありえない」
 それは、誰であっても同じことで、逆に、
「100%というのであれば、それは嘘であり、信憑性がない」
 というばかりか、
「自分に対しても、信じていない」
 ということになるだろう。
 それを考えると、
「何も信じられなくなりそうで怖い」
 と、坂上は考えるのだった。
 そもそも、坂上は、
「警察に連れていくのは嫌だ」
 と思っているのだが、それが、
「警察なんか信じられない」
 という感情からきているというのだろうか?
 確かに、坂上のまわりには、
「警察なんて信じられない」
 といっている人がたくさんいて、
「彼らだって、俺と同じ立場になったら、警察になんか行くはずはない」
 と思うことだろう。
「警察に行ったって、一応彼女を受け入れて、どうせ施設か病院に入れるということを手続き的に行うだけで、事件として取り上げることはないに違いない」
 という。
「警察なんて、何かが起こらないと、何もしないさ」
 というのも分かり切ってはいる。
 しかし、坂上が彼女を警察に連れていこうとしないのは、
「警察が信じられない」
 という思いとは、少し違うような気がするからだ。
 もし、
「警察を信じされない」
 ということであれば、
「精神的な立場はこっちが上ということで、警察というものを、本当に毛嫌いしている」
 といえるだろう。
 しかし、坂上はどちらかというと、
「警察というものが、怖い」
 と思っているのだった。

                 大団円

「警察というものが怖い」
 ということだから、
「警察に行きたくない」
 というのは、自然な心理である。
 ただ、警察を怖がっているというのは、警察への不信感とは種類が違う。
 それがなぜなのかというと、
「恐怖というのは、実体験が絡まなければ、生まれてくるものではない」
 ということだった。
 坂上が時系列で過去のことを思い出そうとするのはあまりないことだった。
 いつも、何かを思い出そうとすると、
「気が付けば思い出しているので、時系列という意識はなかった」
 つまり、
「坂上の中の記憶には、時系列という意識がないのかも知れない」
 という考え方であった。
 彼女を見ていると、いつも、
「彼女は、一方向から思い出そうとしているようで、それができないだけなのかも知れない」
 と思っていたが、だから、
「無理に思い出させようとしても、却って意固地になり、思い出せることも思い出せないことになるんだ」
 と考えた。
「そもそも、記憶喪失なんて、おれとは、縁遠い感覚だ」
 と、坂上は思っていて。そのくせ。
「記憶と意識」
 ということの関係を考えてみると、
「そもそも、何かを感じる時、頭の中で感じる行為を意識といい、意識するには、それだけの必要な場所が、脳の中にある」
 ということであろう。
 それが、
「動作を行う場所」
 といってもいいかも知れない。
 それが、今度は、
「過去のこと」
 ということになると、
「意識は記憶というものに形を変え、今度は、あくまでも、記憶という形で脳の中に格納される形になる」
 というものだ。
 そして、
「過去のことということなので、それを引っ張り出して、変更するということはしない」
 いや、
「できないのか、それともする必要がないのか、とにかく、過去を変えることはできない」
 という発想になるのだ。
 これはあくまで、
「記憶というものを格納するためには、圧縮して格納しないと、膨大な量の記憶を格納できない」
作品名:覚悟という錯誤 作家名:森本晃次