小説が読める!投稿できる!小説家(novelist)の小説投稿コミュニティ!

二次創作小説 https://2.novelist.jp/ | 官能小説 https://r18.novelist.jp/
オンライン小説投稿サイト「novelist.jp(ノベリスト・ジェイピー)」

最後の天使

INDEX|6ページ/17ページ|

次のページ前のページ
 

 日本では、そこまで厳しくはできないが、外国のように、補助金がもれなく出るわけではないので、実際には、
「不公平」
 だったりしたのであった。
 だから、このような、パンデミックの時、
「人流を抑えるために、店は休業」
 ということになるので、電車は、普段の通勤ラッシュの時間でも、一車両に、数人しか載っていないということになるのだった。
 そんなときにタクシーに乗る人がいるわけもない。
 そうなると、タクシー会社には、補助金が出るわけでもなく、そもそもが、
「歩合制」
 ということで、客がいないと、
「最低給料しかでない」
 ということで、
「タクシーというと、年金をもらいながら暮らしている高年齢の人の仕事だ」 
 と言われてきたが、このパンデミックのせいでさらに、給料が出ないともなると、
「やってられない」
 ということで皆辞めていくことになるのだ。
 タクシー会社としても、払う給料が出せないわけで、
「リストラの手間が省けた」
 ということになるだろう。
 実際に、どんどん辞めていく中で、タクシー自体も売り払うという状態だったことだろう。
 しかし、パンデミックも実際には収まってきて、国の体制も今までの厳しいものではなくなり、次第に、
「以前の生活に戻る」
 ということになってきた。
 他の業界であれば、離れた人も戻ってくるというのが、普通で、
「図らずも辞めていった人が戻ってくる」
 ということが当たり前ということになっていた。
 しかし、タクシー会社の場合には、なかなか戻ってくる人がいない。
 というのは、
「それまでがブラックだったというのは分かっていた」
 ということであるが、
「他に入ってしまうと、他の方が楽だ」
 ということで、
「誰が戻るか」
 ということになるのだ。
 だから、タクシー業界は、辞めていった人が戻ってこないということでの、
「人手不足」
 ということになるのであった。
 つまりは、
「人手不足」
 という問題は、そもそもの、
「ブラック企業だった」
 ということでの、それまでの、
「企業の闇」
 というものもそこにうごめいているといってもいいだろう。
 その、
「企業の闇」
 というものがあるから、業種によって、その差が激しいといえるだろう。
 人気がある業界の方は、逆に就職率が激しく、ブラックな会社は、人手不足ということで、ろくなことはない。
 なんといっても、ブラックな企業は、
「どんどん人も辞めていく」
 ということで、結局残った人にしわ寄せがいくということだ。
 これは、
「バブル崩壊におけるリストラ政策」
 の時と同じで、
「辞めるも地獄、残るも地獄」
 を思い返させられる。
 しかし、今回は、
「辞めることに関しては、バブルの時ほど、大きな問題ではないだけに、抵抗はない」
 といってもいい。
 だから、
「人手不足」
 というものが加速するということだ。
 だから、
「求職がある」
 ということで飛び込んでみると、
「元々ブラック」
 ということで、社員をこき使うことを当たり前と思っている経営陣の、
「上から目線のやり方」
 というものを、社員とすれば、
「これがブラックなのか?」
 ということで、すぐに嫌気がさし、辞めていくということになる。
 だから、
「またすぐに求職を出す」
 ということで、
「いつも求職ということで出ている企業」
 というのは、
「誰もやりたいと思わない」
 という意味でのひどい会社なのか。あるいは、
「入ってもすぐにやめていく」
 という意味での、ブラックなのか。
 ということで、結局、
「どっちに転んでも、ブラックだ」
 ということで、誰も応募しようとしないといってもいいだろう。
 そうなってしまうと。
「ブラック企業というのは、バブルの頃にもあった」
 といってもいいが、
「その体制は、少しずつ変わってきているのではないか?」
 とも考えるのであった。
「会社の闇」
 というものが、
「人手不足」
 という問題を生み、それが、今度は、
「ブラック企業」
 というものを浮き上がらせることになるといってもいいだろう。
 そんなブラック企業というものも、このF市というところでは、
「実際には、優良企業の皮をかぶって商売をしている」
 という形になっている。
 これは、昭和の時代によくあったことで、逆にいえば、
「平和で、安全で、さらに優良企業という触れ込みのところは、却ってそのほとんどがうさん臭い」
 といってもいいだろう。
 それだけ、うさん臭いということがどういうことかということで、昭和の時代であれば、へたをすれば、
「何も信じられない」
 という、疑心暗鬼に包まれた時代だったといってもいいだろう。
 反政府組織というのが、いっぱい蔓延っていた時代。その資金源に、
「ありとあらゆる悪がうごめいていた」
 という時代で、
「法律が整備されてきた」
 ということなのか、
「警察の科学捜査が行き届いてきた」
 ということなのか、難しいところである。
 もっといえば、世界情勢と照らし合わせても同じことがいえるのではないだろうか?
 特に、第二次世界大戦から以降というのは、ある程度、
「分かりやすい」
 といってもいいだろう。
 第二次世界大戦が終了すると、まず起こったこととして、一番大きなものは、
「資本主義と社会主義の二大大国における、冷戦」
 というものであった。
 そこには、
「核の抑止力」
 というものが裏に潜んだものだった。
 ただ、これは、
「一見関係のないことのように思えるが、実は超大国の争いに関わってくる」
 ということとして存在していた、
「アジアやアフリカなどにおける、植民地による独立」
 ということであった。
 そもそも、16世紀から以降の、
「大航海時代」
 に、アジアやアフリカの国を、欧州各国が、占領し、植民地化した時代があった。
 20世紀に入ってからの、
「世界大戦」
 というものは、それらの植民地とは関係のないものではなかった。
 特に、
「中国大陸における、各国のしのぎあい」
 であったり、日本が掲げた、
「大東亜共栄圏」
 であったりするものが、大きな問題となって、巻き起こったものだといえるだろう。
 そして、第一次世界大戦にて、王国が滅び、ロシアは、ソ連になったことで台頭してきた社会主義、これが、
「世界における、社会主義体制の始まり」
 だったわけである。
 それが、第二次大戦が終わり、アジアやアフリカの国が、独立戦争に勝利することで、独立を各国で勝ち取ると、今度は、
「社会主義国」
 である、ソ連が、独立国の、
「社会主義化」
 というのをもくろんで、アジアを刺激するようになる。
 最初の問題は、やはり、
「ソ連とアメリカ」
 による、
「超大国による冷戦」
 というものだった。
 それが、結果として、
「ベルリンの壁」
 を作ることになった。
「東西ドイツ問題」
 そして、
「大戦後に分割統治されたことによって巻き起こった、いわゆる代理戦争」
 ということでの、朝鮮戦争に発展したということであった。
 朝鮮戦争が終結すると、その後は、
「第一次インドシナ戦争」
作品名:最後の天使 作家名:森本晃次