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二刀流の行きつく先

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「放送局側と、スポンサーとの関係による、一種の秘密事項」
 ということであったが、それが、あからさまになったのが、数年前から問題になっている、
「世界的なパンデミック」
 という事態が起こってからのことだった。
 この時には、
「ほとんどの社会生活の変革」
 ということを余儀なくされた。
 それは、テレビ界においても例外ではなかった。
 問題は、
「伝染病の蔓延」
 ということだったので。政府の対策の後手後手にまわり、お粗末なものであったが、その中で行われた、
「人流制限対策」
 というものから、テレビ業界でも、
「人を集めての番組制作」
 というものが無理になった。
「アクリル板を設置」
 したり、
「リモートでの出演」
 ということで、何とか情報番組を作ることはできたが、
「ドラマ制作」
 というものは無理ということになった。
 ドラマ出演や、コンサートや舞台などで、生計を立てていた人は大変だった。
「舞台やコンサートなどは、特に、客席に人を集めたり」
 さらには、
「声を出すのが仕事で、興奮する客席からの奇声などが、当たり前」
 ということで、一番してはいけない行為ということで、禁止となる。
 しかも、
「ドラマの制作も人がたくさん集まる」
 ということでできなくなってしまい、制作の人もすべてが、路頭に迷うという地獄を味わったことだろう。
 テレビ局とすれば、
「番組の穴をあけるわけにはいじゃない」
 ということで、できることとすれば、
「かつて放送したものを、再放送」
 という形で放送しないといけないということになるだろう。
 そうなると、問題は、
「スポンサーからの収入」
 ということであった。
 スポンサーとすれば、
「制作宣伝というものがあるから、そのために、スポンサー料を払う」
 ということなのだ。
「再放送ということは、制作費は、ほとんどかかっていない」
 ということで、収入は見込めないということになるのだ。
 そこで、放送局とすれば、
「苦肉の策」
 ということで、
「特別編集版」
 という形で、
「あたかも、新たに編集した」
 ということを匂わせて、
「少しでも、スポンサー代をいただこう」
 とするのであった。
 それも無理もないことであるが、それを考えると、かつてあった。
「夕方の、特撮やアニメの再放送」
 というものがどんどんなくなっていったというのも分かる気がする。
 ちょうどその頃が、
「バブル崩壊の時期」
 ということで、
「時代が変わった」
 ということで、スポンサーも、
「再放送では、宣伝もできない」
 ということからか、放送局側も、
「収入がない」
 ということは困るという考え方なのか、結局、
「再放送というものを辞めることになったのではないだろうか?」
 そして、テレビ界というものの番組編成が極端に変わったのは、
「2000年代になってから」
 といってもいいのではないだろうか?
 その一番の理由とすれば、
「衛星放送」
 というものができてからだった。
 実際には、すでに、平成初期くらいから、衛星放送としての、
「有料放送」
 という形のものはあった。
 大型商業施設だったり、大都市のターミナルなどでは、その宣伝や、会員募集ということで、大きく宣伝を行っていたが、そんな時代に、実際には。まだまだ普及は難しかった。
 どうしても、
「有料」
 ということに引っかかる人が多かっただろうが、決定的だったものの一つとして、
「それまでの、テレビでの、ゴールデンタイム」
 というものに、その秘密があったのだ。
 その時間帯、つまり、
「午後7時くらいから9時まで、どこかのチャンネルで、野球中継というものが行われていた」
 ということである。
 しかも、某有名な球団だけが、あくまでもひいきされ、それ以外の球団では、視聴率が取れないということで、そんな傾向になったのだが、それが一つの導火線だったのだ。
 野球というのは、時間が決まったスポーツではない。
 サッカーのように、
「延長がなければ、90分と決まっているわけではないので、もし、試合が6時半から開始ということであれば、平均時間が3時間と考えると、30分時間が足りない」
 ということになる。
 だから、民放などでは、
「どんなにいいところでも、番組を打ち切ってしまう」
 ということになるわけで、それではクレームが来るということで、
「スポンサーの好意」
 ということを、前面に出して、
「30分延長し。その後の番組は繰り下げる」
 ということになるのだ。
 そうなると、その後の番組を楽しみにしている人は、
「野球があるから」
 ということで、
「好きでもない野球のために、ドラマの開始が遅くなるというのは困る」
 ということで、こっちもクレームになるのだった。
 そこで、有料番組が。これに眼を付けた。
 つまり、
「スポーツ有料チャンネルというものをたくさん増やし、それぞれの球団ごとに、ひいキチムのチャンネルを作る」
 ということで、
「試合開始の前、つまり、練習の中継から、試合就労後のヒーローインタビューであったり、勝利イベントまで、かならず放送する」
 ということを確約するということになれば、
「月額数百円で、ひいきチームの、少なくとも、主催ゲームは、すべてが見られる」
 ということになるわけで、おかげで、
「加入者数が一気に増える」
 ということになるのだ。
 そのおかげか。
「普通のテレビ放送を見る人が一気に減ってしまった」
 ということになる。
 そもそも、有料放送は、その利益を、すべて、会員からもらっているので、元々の、ドラマを制作した放送局から、
「権利」
 であったり、
「映像」
 を買うということで、どんどん、再放送を流せるということになる。
 実際に、これが大当たりというわけで、特に、
「ドラマ専用」
 であったり、
「映画専用チャンネル」
 であれば、過去の番組をいつでも見れるということで、ありがたがられるということになるのだ。
「タダよりも高いものはない」
 と言われるが、まさにその通りということで、
「ちょっとだけ出すだけで、それまでテレビを見るだけで抱えていたストレスも解消できる」
 ということであるし、
「好きなものを好きなだけ」
 という表現だけで、それだけで魅力を感じる人が増えたということであろう。
「それが、民放の番組を、革命的に変革させた一番の原因だ」
 といってもいいだろう。
 さらに、最近の民放というのは、番組としては、
「いかに、金を掛けないか?」
 ということが問題になっている。
 一つ大きな考えとして、最初の頃のテレビ番組と、今のテレビ番組の違いの中で、
「昔はあれだけあったのに、今ではまったくなくなっている」
 と言えるものとして、
「視聴者参加番組」
 というものがなくなってきたということである。
 考えてみれば、昔のバラエティ番組では、
「半分近くが、視聴者参加系の番組だった」
 と言えるだろう。
「歌番組」
 でも、今でも残っているものとすれば、
「某国営放送で週に一度やっている、のど自慢」
 くらいだろうか?
 昔は、
「家族で出演する歌番組」
作品名:二刀流の行きつく先 作家名:森本晃次