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 ということであるが、そんなジャーナリストが狙いを定める相手というのが、昔と違って変わってきているのかも知れない。
 それは、
「世の中の変化」
 というものが大きいのではないだろうか?
「それまでの時代」
 というのは、大きく分けると、
「昭和の時代とそれ以降」
 といってもいいだろう。
 昭和の頃までは、
「熱血、根性」
 ということが言われてきた。
 しかも、世間は、
「経済成長」
 であったり、
「バブル経済に向かっての時代」
 ということで、
「頑張れば頑張るほど、報われる」
 という時代だったのだ。
 つまりは、
「前だけを見て、進めば、それでいい」
 ということで、成果を挙げることを目的とする。
 つまり、
「支出は関係なく、収入さえ上げればいい」
 という時代。
 それだけ、頑張れば収入が上がる」
 ということだったのだ。
 だが、それは、平成に入り、
「バブル崩壊」
 ということになると、今度は、
「収入がままならない」
 という時代になった。
 つまり、
「頑張って仕事をしても、収入にはつながらない」
 ということになり、それどころか、
「使った金が返ってこない」
 ということで、経済が大混乱になってしまった。
「収入が当てにならない」
 ということであれば、これまで気にもしなかった、
「支出を抑える」
 ということをしないといけない。
 これこそ、
「リストラ」
 という、人件費節減のための、
「首切り」
 ということである。
 そうなると、
「企業側の、無理な要請」
 というものが通る時代だった。
 何しろ、それまでは、
「企業が社員に対して圧倒的に強い時代」
 といえる。
「頑張れば頑張っただけの給料がもらえる」
 ということだから、
「少々、理不尽なことでも、給料をたくさんくれるのであれば、我慢もできるし、頑張れる」
 ということになるのだ。
 だから、会社に対して、
「逆らう」
 という感覚はなく、会社から、リストラを言い渡されると、従うしかないということになるのだ。
 それだけ、社員側が弱いということで、それは、
「国家に対しても同じ」
 ということで、つまりは、
「社会に対して、考え方を変えないといけない時代になった」
 ということだったのだ。
 それまで、企業と社員の関係として、
「年功序列」
 であったり、
「終身雇用」
 というものが当たり前ということで、
「神話のようになっていた」
 といってもいいだろう。
 そんな時代が、
「バブル崩壊」
 ということで、弾けてしまった風船は、あっという間に社会体制を変えなければいけないということになったのだが、
「社会派政府に、そんなことができるわけもない」
 というのも。
「そんなことができるくらいだったら、最初から、バブル崩壊を予知して、それに対しての対応を嵩じていたことだろう」
 ということであった。
 もっとも、
「予知できた」
 として、それを国民に公表できるかどうかというのは大きな問題だ。
「今のバブルはいずれ崩壊する」
 と言ったところで、
「じゃあ、どうすればいいのか?」
 という対策もハッキリしていないのであれば、
「いたずらに混乱を招くだけ」
 ということになるだろう。
 そうなると、
「国家がどこまで分かっていたか」
 ということであるが、あくまでも、想像であるが、
「少しは分かっていただろう」
 といえる。
 有識者の集団が、
「分からないはずがない」
 と思えるからで、それを分かっていないのであれば、実際にバブルが弾けた時、
「本当にこの国は、亡国となっていただろう」
 といってもいい。
「今のような社会にはなっていない」
 ということであり、
「今のような社会になった」
 ということは、
「バブル時代を乗り越えた」 
 ということであり、
「それが、よかったのかどうか、誰にも分からない」
 ただ、昔のような、
「熱血、根性」
 などと言われ、
「イケイケどんどん」
 だった時代は、今では、
「夢幻だ」
 といえるのだろうが、それ以上に、
「今の時代では、絶対にありえないことのオンパレードだ」
 といってもいいだろう。
 それが、
「ストーカー問題」
 であったり、
「いじめ問題」
 さらには、
「コンプライアンス問題」
 から、
「男女平等問題」
 と、さまざまであり、それをずっと見てきた年代というのが、
「小笠原氏の、祖父の時代」
 ということになる。
 祖父は、昭和時代の、
「高度成長時期」
 くらいから昭和を生きてきて、そこから、平成に入り、
「バブルの崩壊」
 を目の当たりにすることで、そこから先の
「社会の変化」
 というものを歩んできた時代だったといってもいいだろう。
 そんな小笠原氏の祖父は、新聞社に勤めていて、今では定年退職したのであるが、ジャーナリストとして、歩んできたのだった。
 名前は、
「幸之助」
 と言った。
 幸之助は、元々、少年時代には、本を読むのが好きだったのだが、それは、別に、
「ジャーナリストを目指していた」
 ということではなかった。
 興味として、SFであったり、ミステリーが好きだったことから、本を読んでいたということであって、
「子供の頃の夢は?」
 と聞かれた時、何と答えるかというと、
「宇宙飛行士」
 といっていた。
 ただ、時代的に別に珍しいわけではなかった。
 子供がなりたい職業の中の上位にあったのが、この、
「宇宙飛行士」
 であった。
 何といっても、時代は、
「東西冷戦」
 宇宙開発というものが、そのまま、
「ロケット開発になる」
 と今では、結構な人が分かっているが、当時の人で、どれだけの人がそんなことを知っていたのかというのも、疑問といってもいいだろう。
「ロケットは、宇宙に向かって垂直に飛ばすもので、それを、角度をつけて長距離を飛ばそうという技術は、ICBMと呼ばれる、大陸間弾道ミサイルに通じる」
 ということである。
 それに、核弾頭を積めば、それこそ、
「全面核戦争の危機」
 ということになるであろう。
 しかし、当時は、
「抑止力になる」
 と信じられていた。
「持っているだけで使わなくとも、それが、相手に攻撃をさせないということになる」
 ということである。
 だから、
「核の抑止力」
 という言葉で言われるのであり、ただ、それが、お互いに、恐怖を感じるようになると、
「ちょっとしたハプニングで。核戦争が起こってしまう」
 という可能性も無きにしも非ずということで、世界が初めて、
「全面核戦争というものの危機」
 を知ったのが、ちょうど、今から60年くらい前にあった、
「キューバ危機」
 という問題であった。
「アメリカの南隣に、革命を成したキューバという国があり、アメリカの脅威から逃れるため」
 ということで、
「ソ連から、ミサイルを輸入し、アメリカ本土に向けて、核ミサイルの配備を行う」
 というものであった。
 さすがに、今までにはなかった、
「アメリカ本土を射程に収めた核ミサイルの配備」
 というものに、ビビッてしまったのだ。
 何といっても、それまでの核開発に関しては、
「アメリカ主導」
作品名:交換による解決 作家名:森本晃次