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「任期満了」
 まで勤めるわけだ。
 それは、
「人気がある」
 ということでも、
「それなりに社会に貢献してくれている」
 というわけでもない。
 もし、そのどちらかでもあれば、時期もソーリを続けるからだった。
 しかも、今の日本は、
「首相の決定権」
 というものは、
「国民にある」
 というわけではない。
 あくまでも、
「衆議院選挙」
 の結果によって、政権与党になったところが、議員と党員の選挙によって、ソーリを決めるのだ。
 つまりは、
「ソーリが交代する」
 ということは、
「同じ党内からでも、信任が得られないからだ」
 ということになる。
「どれだけ、政権与党の党内に、首相をできる人がいないか?」
 ということである。
 ということは、ソーリに推すのは、
「結局、自分にとって都合のいい人」
 ということになり、それは、
「国民のため」
 というわけではない、
「議員の都合」
 というものの数によって決まるということになるのであった。
 国民というものが、政治に興味がないというのも分からなくもない。
 数年前に起こった、
「世界的なパンデミック」
 の際、
 本当であれば、政府が中心になって、その対策をしっかりと国民に示さなければいけないものを、まったく政府として機能していなかった。
 確かに、
「緊急事態宣言」
 であったり、
「蔓延防止対策」
 というものが取られ、
「形の上だけでは、政府は機能していた」
 といえるだろうが、実際にやっていたことは、
「後手後手」
 だった。
 確かに、未知のウイルスということで、日本政府はもちろん、海外でも、その対策はバラバラだった。それはしょうがないことではあるが、日本の場合は、その対策を取りながら、
「国民のため」
 というわけではなく、
「自分たちの利権が最優先」
 という事例が、ちらほらと見えていたのだ。
 しかも、
「政府が冷静になって、国民を混乱に陥れないようにしないといけない」
 という状況で、取った対策が、
「まずは、それをやる前に、社会の受け入れ態勢をしっかりと整える体制を取っていなければ、大混乱になる」
 ということが分かっていながら、それを強行したのだ。
 しかも、これは、
「確信犯」
 といってもいいだろう。
 なぜなら、その時、
「ソーリの独断」
 ということだったのだ。
 国民はおろか、自分の側近すら知らなかったということだったのだ。
 それがどういうことかというと、
「これが、どれだけの混乱を招くかということが分かっているから、反対されると思ったのだ」
 ということになる。
 もし、それも、
「私が全責任を持つ」
 ということであれば、まだ、
「覚悟を持った首相だ」
 ということで、一応の評価はあるかも知れないが、結局、その言い訳を、
「のらりくらり」
 とかわそうとして、しかも、側近に圧力をかけて、側近の方から、
「すみません、相談を受けていました」
 というような謝罪をさせるということであった。
 まあ、どこまでが真実なのかは分からない。
 しかし、事実を変えることはできないということで、今の時代の政治というのが、
「こういうものだ」
 ということなのだろう。
 ただ、昔の政治というものを、
「身をもって感じているわけではない」
 ということで、今がいいのか悪いのか、判断がつかないということである。
 ただ、
「お世辞にもいい政治だ」
 ということが言えるわけもなく、当然、
「ろくな政治家はいない」
 ということにしかならないだろう。
 今の時代の政治家は、
「責任を持つ」
 という言葉を、怖くて言えないのだろう。
 もっとも、
「何かあった時には、責任は政府がもつ」
 といっておいて、実際に、死人が出れば、
「因果関係が」
 などと、普段と同じことを言って、責任から逃げるような対応があったのも、その同じである、
「世界的なパンデミック」
 の最中だったのだ。
 この問題は、伝染病が蔓延を始めてから、約1年が経った頃のことだった。
 海外で、
「ワクチンができた」
 ということで、各国がそれを輸入し、国民が接種できる体制を整えていた時であるが、これは当然のことであるが、
「たった一年くらいで、ちゃんと治験ができているのか?」
 ということが言われ始め、ワクチン接種に対しての意見が、国民内で、騒がれていた。
 もちろん、この問題は、国内だけの問題ではなく、
「全世界で問題になった」
 ということであった。
 それは当たり前のことであり、
「本来であれば、数年かかってその安全性を確保しないといけない」
 ということであったからだ。
 しかし、状況は、緊急を要するということでもあった。
 確かに、正体も分からないウイルスが、全世界で蔓延っていて、
「人がバタバタと死んでいく」
 という状況なので、
「高齢者、基礎疾患のある人、医療従事者」
 などというのは、率先して接種が必要である。
 しかし、世の中には、
「陰謀論」
 などというものが流行り、
「秘密結社の金儲けのために利用されている」
 などというウワサが流れれば、
「まんざらデマというわけでもない」
 と考えた人が、騒ぎ立てるということになる。
 そうなると、国家の方も、その陰謀論を払拭するということで、
「少しでも接種率を上げる」
 ということで実績さえ作ってしまえば、
「そんなウワサハ吹っ飛ぶ」
 と思ったことだろう。
 だから、政府は、
「責任は政府が取る」
 という言い方しかできなかったのだろう。
 当然国民は、
「本当は接種したいのだが、陰謀論があるから怖い」
 と思っている人が多く、それでも、
「やっと政府が覚悟を見せてくれた」
 ということであれば、接種しようと思った人が多かったのだろう。
 実際に接種が進み、何といっても、人口一億を超えている国民の中の大半が摂取するということなのだから、その中の一部には、副反応を起こす人が出てくるのは仕方のないことであろう。
 しかし、政府は、
「覚悟を示し、責任は政府が取る」
 と言ったのだから、
「政府の言葉に二言はない」
 というはずである。
 しかし、政府は、
「接種後死亡した人がいた」
 ということであるが、その人の遺族が政府に責任を願い出ると、
「接種と死亡の因果関係が認められない」
 といって突っぱねたのだ。
 政府が、
「責任はとる」
 と言ったのは、因果関係など関係なく、接種を促す意味で言ったのだから、本来であれば、
「四の五の言わずに、保障するのが当たり前」
 ということである。
 これは、国民側の問題というよりも政府側の問題であり、
「ウソをついた」
 ということなのだ。
 それによって、政府の信頼は失墜し、その時に、
「賠償冴えしていれば」
 ということで、それが致命傷となり、政府が続かない原因だったのかも知れない。
 もっとも、それ以外に、
「政府が続かない原因」
 というのは、山ほどあり、正直、
「どれが直接的な原因なのか分からない」
 ということであるが、
作品名:交換による解決 作家名:森本晃次