小説が読める!投稿できる!小説家(novelist)の小説投稿コミュニティ!

二次創作小説 https://2.novelist.jp/ | 官能小説 https://r18.novelist.jp/
オンライン小説投稿サイト「novelist.jp(ノベリスト・ジェイピー)」

複数トリックの組み合わせ

INDEX|15ページ/16ページ|

次のページ前のページ
 

 ということで、却って、奥さんの不倫相手が、旦那を殺したとして、そこに、奥さんとすれば、
「旦那を殺してもらって何の得があるか?」
 ということであり、別に遺産想像苦があるわけでもなければ、
「配偶者が、自分たちの結婚の邪魔になる」
 ということはない。
 奥さんからすれば、
「まさかとは思うが、自分が不倫をしていることで、離婚すれば、慰謝料を取られる」
 ということで、殺意があったと言えなくもないが、だからと言って、それが動機だというのはあまりにもおかしい。
 しかも、その実行犯が、本人が自首してきたということで、それが本当であれば、
「村雨が旦那を殺す」
 というメリットがどこにあるのか?
 ということである。
 実際に、いろいろ調べてみると、
「村雨の奥さんの洋子が、被害者の栗林と知り合いだった」
 という事実が出てきた。
「どこかで見たことがあった」
 というのも、無理もないことで、逆に、あまりいい思い出がなかったことで、
「見た」
 という事実を自分の中で打ち消そうと考えたことが、殺人ということに繋がったとは到底思えない。
 そうなると、奥さんと、殺害された栗林が知り合いだったということでの殺意にもならないだろう。
 ただ、
「奥さんが、栗林との不倫をしていた」
 ということを、村雨が知ったことで、殺したかのように、供述をしているが、
「これは、実は甘い言い訳でしかない」
 というのも、
「自分だって不倫をしているわけなので、同じ穴のムジナのはずなので、本当であれば、お互いに知らないふりをすることで、お互いに不倫をしているということがバレないことで、均衡を保っている」
 と見せかければ、波風が立たないはずである。
 ということであれば、
「このW不倫の間で、殺人事件が起こる」
 というのは、辻褄が合わないことであり、
「殺人事件が起こったとすれば、逆に、この3人の中に容疑者はいない」
 といってもいいのではないだろうか?
 それを考えると、逆に問題として、
「なぜ、栗林だったのか?」
 ということである。
 これは、逆に、
「不倫の成れの果て」
 ということが、清算するという形での最終的な形だったとすれば、
「殺された人間によって、誰かが自首するということで、辻褄を合わせる」
 というまるで、ゲームのようなものだというとすれば、
「殺されたのが栗林であれば、自首をするのが、村雨だった」
 ということが、一つの結論として出てきたのだ。
 もし、これが、栗林ではなく、村雨だったら?」
 と考えると、
「村雨が殺されるというのが、もし、誰かが誰かに、村雨を殺してほしいという内容である可能性がある」
 ということになる。
「村雨は、不倫をしている相手であるルミに対して、少し怖さを感じていた」
 といってもいい。
 その性格に寒気を覚えるほどで、何といっても、
「旦那を殺してほしい」
 などという尋常ではない依頼だったではないか。
 そうなると、今度は、栗林が、
「ルミを殺してほしい」
 と考えるかも知れない。
 その時、依頼するとすれば誰になるだろう?
 結局、村雨に頼るのではないだろうか?
 実際に、村雨は、
「夫婦それぞれから、殺しの依頼を受けていたことになる」
 それをお互いの相手に漏らすわけにはいかない。
 ルミに対して、
「旦那がお前を殺してくれって俺に泣きついてきた」
 というのか、逆に、栗林に対して、
「ルミを殺してくれと言ってきた」
 などといえば、
「ルミから、今度は俺が殺される」
 ということになるだろう。
 この場合は、
「ルミのいうことを聴いて、栗林を殺すというのが一番無難な感じがする」
 しかし、もし、
「栗林を殺してしまえば、自分がどういうことになるというのか?」
 ということを考えると、
「俺は、旦那を無事に殺した瞬間から、ルミにとっては、邪魔者でしかないんだ」
 と感じるだろう。
 それは、
「栗林からも、ルミを殺してくれ」
 と依頼を受けているからであろう。
 そのおかげで、お互いに対して、お互いの気持ちになれるという冷静さが戻ってきて。それが、結局、
「ルミの恐ろしさから、ルミのいうことを聴いてしまうと、今度は自分が殺される」
 ということになる。
 ルミが最後にどうなるか?
 ということを考えるまでもなく、最優先で、一番不利な立場が自分だということに気づくと、最終的に、
「ルミには生きてもらっていては困る」
 ということになるのだ。
 ルミを殺すことで、自分の立場も復活させることができるわけだ。
「そもそもルミとは、不倫ということでの関係だけだ」
 と思っていた。
 それなのに、ルミの恐ろしさは
「旦那を殺してほしい」
 というところからきているのだ。
 そう簡単に人殺しなどできるわけもなく、ここまでくれば、
「自分が助かるにはどうすればいいか?」
 ということになるのだろう。
 それを思えば、
「まるで、一人二役の交換殺人をやっている気分だ」
 ということになるのだった。

                 大団円

 W不倫」
 ということで、それを分かっているのは、お互い様ということだ。
 村雨の場合は、
「飽きっぽい」
 という理由から、
「不倫でもしていなければ、今の自分は我慢ができない」
 ということからであったが、実際に、不倫をすることで満足できたのだから、
「これ以上深入りすることもなく、
「不倫というものを楽しむ」
 ということができればいいと思っていたのだ。
 しかし、実際に、村雨は、
「奥さんが嫌い」
 ということでの浮気ではなく、
「奥さんに飽きた」
 ということが原因だったこともあって、精神的に愛していないというわけではないということであった。
 しかし、ルミの方では、
「何か、旦那を憎むだけの何かがあった」
 それにより、ルミも旦那に対して、殺意があったと、自分で言っている。
 ルミの話を聞いていると、村雨は妻に対して殺意などないにも関わらず、まるであるかのように洗脳されたことで、
「奥さんを憎んでいる」
 という発想になったのだろう。
 だから、ルミは、
「旦那を殺してくれ」
 ということで、
「それだけでは乗ってこないだろう」
 ということから、
「殺してくれたら、自分が奥さんを殺してあげる」
 ということでの、交換殺人を申し込んだ。
 そもそも交換殺人というのは、
「まったく知らない人が組むことで成立するというものだが、お互いに知っている相手、しかも不倫相手ということでの、微妙に深い関係において、まさか交換殺人など」
 という考えが盲点だったのだ。
 だからルミは、
「自分にその気はないのに、実際にやるとばかりの迫力で、そもそも、洗脳していた不倫相手を巻き込むことになる」
 ただ、計算外だったのは、
「栗林がルミを殺してほしい」
 ということを自分に依頼してきたことだった。
 ここでは、栗林の言い分としては。
「奥さんを亡き者にしてやる」
 ということであった。
 実は、自分の妻である洋子に対して、弱みを握られていたようだった。
 この場合の計画としては、