小説が読める!投稿できる!小説家(novelist)の小説投稿コミュニティ!

二次創作小説 https://2.novelist.jp/ | 官能小説 https://r18.novelist.jp/
オンライン小説投稿サイト「novelist.jp(ノベリスト・ジェイピー)」

複数トリックの組み合わせ

INDEX|11ページ/16ページ|

次のページ前のページ
 

「治療費やワクチン代がタダになる」
 というのは当たり前のことなのだ。
 それが、政府の勝手な判断で、
「パンデミックが収まってきた」
 ということで、伝染病のランクが下がった時があった。
 そのことで、
「治療費やワクチンが国民負担」
 ということになったということが直接的なことであり、さらに、それまで患者のかずなのは、政府が全体を把握し、それを、最初こそ毎日発表していたものが、同じ毎日でも、少し遅れての発表となり、さらには、
「数日に一度」
 という程度になるというお粗末さを繰り返していたが、ランクを下げることで、
「発表の義務」
 というものがなくなってきたので、政府は一切発表しなくなった。
 それにより引き起こされたのが、世間に蔓延した。
「もう、伝染病による危機は去った」
 ということで、それこそ、政府がいうような、
「ただの風邪」
 とでもいう風潮になってきたのが、一番怖いことだということを分かっていないのであった。
 実は、ランクが下がってから、もう1年以上も経つというのに、相変わらずの蔓延のようである。
「集計も発表もされないのだから、実際に蔓延しているところでしか、何もウワサになっていない」
 といえる。
 そして、政府のことだから、マスゴミなどに対して。
「あまり騒いで、国民を刺激しないように」
 という通達を出しているのかも知れない。
 確かに、
「余計な混乱」
 というのは無駄といってもいい労力を産むことになるのだろうが、政府とすれば、自分たちの責任逃れということが歴然としているので、
「実にあざとい」
 といってもいいだろう。
「政府が国民に責任を取らない世界」
 それが今の日本であり、政府の正体なのだ。
 日本政府が、
「最悪な政府だ」
 ということで、政府にばかり責任を押し付けるというのはいけないことなのかも知れないが、実際に今の社会を作った責任の一端は政府にもあるのだ。そのことは、皆の中に共有すべきことではないのだろうか?

                 ルミという女

 そんな政府は、毎回同じようなことを繰り返していて、
「よく飽きないものだ」
 といえるかも知れない。
 もちろん、トップや実際の政権運営では、人が入れ替わるわけなので、
「飽きる」
 という感覚は少し違っているのだろうが、実際に、蔓延した考えが歪むということはないに等しいといってもいいことで、それを個人単位に考えると、
「飽きがくるのも当たり前」
 といってもいい。
「それだけ、国民の方が、実際に今の世の中を憂いている」
 ということだろう。
「政府には分かっていても、どうすることもできない」
 と本来ならあきらめてはいけない人間たちが、アッサリとあきらめるのだから、
「私利私欲に走る」
 というのも、無理もないことかも知れない。
 しかし、それを、納得ずくでやっていて、
「確信犯」
 ということになれば、
「政府の責任は大きい」
 ということであろう。
 そんな時代において、
「人殺しの依頼」
 というのが、水面下で行われているということを、誰が考えるだろう。
 実際には、少なくないことなのかも知れないが、かなりセンセーショナルなことだと追ってもいい。
「もし、一つでも、このような暗躍が見つかったとすれば、実際には、数個の暗躍が水面下でひしめいている」
 と言ってもいいかも知れない。
 それこそ、
「まるで害虫のようではないか?」
 ということであった。
 昭和の頃のサスペンスなどで、
「殺し屋」
 などをテーマにした映画なども結構あったが、
「本当に日本にも存在したのか?」
 というのは、今となっては分からない。
「じゃあ、今は殺し屋というのはあるのか?」
 ということであるが、
「国家レベルではあるかも知れない」
 ということであっても、
「企業レベル」
 あるいは、
「個人レベル」
 であればあるかも知れない。
 もちろん、よほどの金が動くということになるのだろうが、果たして、そういう生業があるのかどうか。それが問題だった。
 ただ、個人的に、
「あの人を殺してほしい」
 ということはあるかも知れない。
 それは、
「目的は金」
 というものではなく、
「征服欲」
 のようなものだということであれば、無理もないことかも知れない。
 ただ、それも、実行犯が、
「かなり切羽詰まった状況」
 ということであり、さらに、
「精神が病んでいたり」
 ということでもないと、なかなか想像もできないといってもいいだろう。
 そこに、
「飽きが来た」
 という発想が孕んでいるということもあるだろう。
 本来であれば、
「離婚すれば済む」
 ということなのだろうが、
「相手がどうしても離婚してくれるわけではなく、しかも、旦那にバレたことで、浮気相手に迷惑をかけることになり、不倫が破局を迎える」
 ということになると、
「不倫と、相手を守るため」
 ということで、殺害ということもやむなしといえるのではないだろうか?
 それが、不倫相手の依頼ということであれば、事情が、切羽詰まっていれば、やらないという選択肢は徐々になくなってくる。
 ただ、今回の場合の。不倫相手が、
「旦那を殺してほしい」
 ということの感覚がどこからきているのか、村雨には分からなかった。
「何かの悪だくみをする人間が、自分がするということにかけての作戦を練ることに長けているが、その代わり、自分がされるということにまったく気づいていない」
 という考えもありだということであろう。
 村雨に、
「旦那の殺害依頼」
 というものを行ったのは、不倫相手である、
「栗林ルミ」
 という女だった。
 彼女は看護婦をしていたのだが、今では、スナックに勤めている。本人は頑なに何も言わないが、見ていると、
「看護婦時代に何かがあった」
 ということは歴然に思えた。
「どうせ聞いても彼女は何も言わないだろう」
 と思えた。
 言わないどころか、それを聞いた途端に不機嫌になり、しばらく口を利いてくれないというくらいになるだろう。
 しかし、
「決して彼女の方から別れを切り出す」
 ということはないだろうと思うのだった。
 そんな彼女なのだから、
「自分の過去を、自分から言うことはないだろう」
 と思っていたが、実はそうではなかった。
 他の人なら、
「言いにくいこと」
 という過去の汚点なども、
「ベッドの中でのたわごと」
 ということであれば、意外と口が軽いということが分かった。
「身体を預けられるくらいの男であれば、信頼して話すのだろうか?」
 と思ったが、そうではなく、
「本当は彼女は、性格的には誰かに聞いてもらいたいというところがあるのだが、その敷居が結構高いことで、まわりからは、口が堅いと思われているが、実際に深い仲になると、まるで、堰を切ったように話始める」
 というのが、ルミの性格ということになるのだろう。
 ルミという女は、明らかに二重人格だった。二重人格という石槨を育んだのはどのあたりなのかは分からないが、その性格が形成される過程において、決定的なことがあったということも、彼女は、
「ベッドの中では、普通に話してくれる」